今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

VHS

フレッド・オーレン・レイ(1986)『地獄の武装都市/復讐のターミネーター』

Armed Response
製作国:アメリカ
上映時間:87分
監督:フレッド・オーレン・レイ
出演:デヴィッド・キャラダイン/リー・ヴァン・クリーフ/マコ岩松/ロイス・ハミルトン/マイケル・ベリーマン

アメリカB級、いやE級映画界の帝王のひとりとも言えるフレッド・オーレン・レイが監督したアクション映画。リー・ヴァン・クリーフが出演しているということで見ることにしたのですが、映画冒頭、フレッド・オーレン・レイ・フィルムとクレジットが出た瞬間覚悟を決めました。しかし、見てみると意外にもなかなか面白い。それもそのはず、本作はフレッド・オーレン・レイの映画では破格とも言える150万ドルという予算(それでも低予算)で製作されたそうです。

警官を引退したバート・ロス(リー・ヴァン・クリーフ)には3人の息子がいました。長男はベトナム戦争帰りでバーを経営しているジム(デヴィッド・キャラダイン)、次男は私立探偵のクレイ(デヴィッド・ゴス)そして三男のトミー(ブレント・ハフ)。彼ら4人とジムの妻サラ(ロイス・ハミルトン)と娘のローレンが彼のバーにいるところにクレイの相棒コーリ(ロス・ハーゲン)がやってきます。なんでも日系ヤクザのタナカ(マコ岩松)が仕事を依頼したいというのでした。

タナカの事務所に行ったコーリとクレイは、仏像と現金の交換のための使者の仕事を頼まれます。現金を持って指定の場所に行った二人でしたが、そこでコーリが裏切り、金を持って逃走します。深手を負いながらも仏像を手に入れたクレイは、兄弟と父の元に向かいますが、そこで死んでしまいます。

そして、コーリに騙されてクレイこそが金と仏像を持ち逃げしたと思い込んだタナカは、ロス家を襲撃、トミーを殺し、サラとローレンを人質に取ってジムを脅すのでした。怒りに燃えたジムは父親と共に銃を持ってタナカとの取引に向かうのでした……というお話。

元はといえばコーリが全て悪いのに、いつの間にかロス家とタナカ一家の戦いになってしまっているのがストーリーとして何とも……。コーリのストーリー的な処理もかなりいい加減ですし。というように、脚本にはかなり粗があるのですが、そこに目をつぶって見ればアクションとしてはなかなか面白い。

デヴィッド・キャラダイン、リー・ヴァン・クリーフという(少々旬は過ぎていたものの)二大スターを配したクライマックスの銃撃戦はなかなか魅せてくれます。また、マコ岩松が悪役で出演しているのも驚き。キャストはなかなか豪華な映画です。しかしキャラダイン、ロサンゼルスの街なかで手榴弾ぶん投げまくるのは、いくらなんでもどうなんだ(笑)

リー・ヴァン・クリーフ・ファンとしては、老年に差し掛かった彼が現代劇でアクションを見せてくれていたり、銃撃戦に参加してライフルをぶっ放している姿が見られただけでもう幸せでした。

マイケル・ドライハースト(1980)『ハイパー・ウェポン/最終狙撃者』

The Hard Way
製作国:イギリス
上映時間:88分
監督:マイケル・ドライハースト
出演:パトリック・マクグーハン/リー・ヴァン・クリーフ/エドナ・オブライエン/ドナル・マッキャン

マカロニ・ウエスタン後のリー・ヴァン・クリーフ出演作品のひとつ。アイルランドの荒涼とした大地を舞台にした骨太のクライム・スリラーです。監督のマイケル・ドライハーストは主にプロデューサーを務めていた人物のようで、監督作はこの一本のようですね。主演のパトリック・マクグーハンはTVドラマ「刑事コロンボ」や「プリズナーNO.6」で有名になった俳優のようです。ぼくは恐らく今回初めて接しました。

腕のいいスナイパーだったジョン・コナー(パトリック・マクグーハン)は引退し、荒涼たるアイルランドの片田舎でひっそりと暮らしていました。しかし、そんな彼の腕を必要としたマクニール(リー・ヴァン・クリーフ)によって、妻のキャサリーン(エドナ・オブライエン)を人質に、半ば無理やり引きずり出されてしまいます。暗殺のターゲットはダブリンからパリへ飛行機で向かう黒人神父。

着々と暗殺の準備を整える一味でしたが、ジョンは土壇場で裏切り、マクニールの手下を殺して逃走します。彼を殺すため、マクニールはライアン(ドナル・マッキャン)を始めとする腕利きを雇いますが、地の利を得たジョンには敵いません。ジョンを自らの屋敷におびき寄せ、決着をつけようとするマクニールでしたが……というお話。

地味です。全編非常に地味。登場人物も主人公であるマクグーハンや敵役であるクリーフを始めおっさんだらけ。しかし、面白くないかというとそんなことは全くなく、緊迫感あふれるカット割りや間など、緊張感を高める工夫がいろいろと凝らされています。アイルランドの荒涼とした山地も映画の雰囲気作りに非常に役立っていました。

クライマックスの決闘も、配電盤(ブレーカー)を使ってジョンを翻弄するマクニールと彼の居所を必死に探すジョン、というなかなか工夫の凝らされたもの。ただ、まぁ、最終的にどうなるかは終盤には完全に読めてしまうのが欠点といえば欠点か。

また、ところどころに妻であるキャサリーンのモノローグが挿入されるのですが、(特に序盤は)本編との繋がりが分かりづらく、テンポを悪くしてしまっていた感じがあるのが残念です。

しかし、クリーフは当然として、マクグーハンも渋い燻し銀のスナイパーを好演していました。スナイパーものというと、『殺しのテクニック』(1966)や『狙撃』(1968)が思い出されます。本作はそれらに勝る……とは言えませんが、銃器の描写も非常に丁寧であり、見応えのあるスナイパー映画の一本と言えるでしょう。

本作はallcinemaでは劇場映画として紹介されているのですが、IMDbではTV映画として登録されているようです。どちらが正しいんだろう……?

ブルーノ・コルブッチ(1982)『笑激の超ウルトラ・マイアミ・コップ』

THIEVES AND ROBBERS
製作国:アメリカ/イタリア
監督:ブルーノ・コルブッチ
出演:バッド・スペンサー/トーマス・ミリアン/マーク・ローレンス

このブログでも『笑激のギャンブルマン』(1978)、『笑激のボンゴボンゴ島!!』(1981)なんかをご紹介したこともある、「笑激の〜」シリーズの一本になるんだと思われます。ただし、コンビの片割れであるテレンス・ヒルは本作では登場せず、その代わりにマカロニウエスタンのスターの一人、トーマス・ミリアンが相手役として登場しています。監督はセルジオ・コルブッチの実弟であるブルーノ・コルブッチです。

ジゴロのトニー・ロマ(トーマス・ミリアン)がとある議員の妻と懇ろになり、彼女のアクセサリーを盗み出しました。その中に、議員とマフィアのボス・リクティ(マーク・ローレンス)の繋がりの証拠となる指輪があったため、議員は躍起になってトニーの確保を警察署長に要請します。署長は凄腕の捜査官であるパーカー警部補(バッド・スペンサー)にトニーの逮捕を依頼するのでした。

一度はパーカーに捕まったトニーでしたが、警察署の隙を突いて脱走。再び金持ちの女性をたらし込みます。しかし、その場で偶然リクティが裏切り者を粛清する現場を観てしまったため、マフィアにも追われる身となってしまうのでした。結局パーカーに捕まったトニーは、リクティの件をトニーに伝えます。始めは信じなかったパーカーでしたが、警察内部の内通者の存在が明らかになったためトニーを信用、ふたりでリクティ逮捕のために活動を始めるのでした……というお話。

例によって例の如くマイアミを舞台にお馴染みバッド・スペンサーの活躍がのんびりと暢気に描かれます。そのため、基本的には特筆的な見所はありません。スペンサーが意外にダンスが上手かったり、ミリアンもやっぱりダンスが上手かったりとか、ミリアンのジゴロっぷりとか、そういう面白さはありますが、正直スペンサーかミリアンのファンでもない限りちょっと辛いかな、という印象。

クライマックスの格闘シーンも、やはり基本的に殴り合いなのですが、煙幕が炊かれた状態での戦いになるため、基本的に何をやっているのか見づらいというのが難点。石膏を使ったアクションはなかなか面白いのですけれどね。

キャラクターとしては、ミリアンが演じるトニーが、少数民族の出身という妙に細かいアイデンティティを持っているのがミリアンらしいというか何と言うか。

マフィアのボス・リクティを演じていたマーク・ローレンスは、『レッドオメガ追撃作戦』(1980)でも同じような役柄を演じていました。

劉觀偉(1989)『鬼喰う鬼』

鬼咬鬼/ENCOUNTER OF THE SPOOKY KIND II
製作国:香港
上映時間:99分
監督:劉觀偉
出演:洪金寶/林正英/孟海/王文君/龔慈恩

「霊幻道士」シリーズの監督を務めた劉觀偉がメガホンを取ったホラーアクション。「霊幻道士」シリーズ同様洪金寶が製作総指揮を務めていますが、本作では主演もしています。また、「鬼咬鬼」というタイトルでも分かるように、本作は『妖術秘伝・鬼打鬼』(1981)から始まった「サモ・ハン・ホラー三部作」(この名前は日本で勝手に付けられたものですが)の系譜を継ぐ作品であり、「ENCOUNTER OF THE SPOOKY KIND II」という英題からも分かるように、『妖術秘伝・鬼打鬼』の正式な続編でもあります。

 「妖術秘伝・鬼打鬼」の続編。心優しい女幽霊と、幽霊退治の師匠の間で四苦八苦する青年の活躍を描いたホラー・コメディ。

ということで、事あるごとに「鬼打鬼の続編」という紹介をされる本作ですが、洪金寶演じる主人公の名前も違いますし(『妖術秘伝・鬼打鬼』では張大胆、本作では肥寶)、その他の登場人物にも繋がりはありません。むしろ、「霊幻道士」シリーズで培った設定を流用し、『妖術秘伝・鬼打鬼』をリメイクした、という位置づけになると考えられます。

また、『妖術秘伝・鬼打鬼』では取り方の隊長役だった林正英が、「霊幻道士」シリーズの当たり役である道士・九淑を演じていたり、洪金寶・孟海の二人が『霊幻道士』(1985)の銭小豪・許冠英を想起させるような、九淑の二人の弟子役を演じていること、女幽霊の絡むエピソードが登場することなど、『霊幻道士』の翻案なのでは、と感じさせる設定も盛り込まれています。

一方で、洪金寶が女性(『妖術秘伝・鬼打鬼』では妻、本作では許嫁)を巡って悪人が雇った妖術師(どちらの作品でも黃蝦が演じています)に狙われるというプロットや、妖術師道士の対決がクライマックスに用意されている、と言った点は『妖術秘伝・鬼打鬼』と同様。ただし、『妖術秘伝・鬼打鬼』では悪人側の共犯だった女性は、本作では洪金寶にベタぼれである点、クライマックスの妖術対決部分に洪金寶・孟海のアクション要素が強くなっている点が異なり、暗い雰囲気の前作に比べ、比較的明るい作品に仕上がっています。

細かな内容を見ていくと、まず印象に残るのが、洪金寶演じる肥寶が二人のゴキブリ怪人(死体にゴキブリを詰め、それを妖術によって動かすという恐ろしい物体)に襲われるシーン。眠っている洪金寶の手、足、顔に這う大量のゴキブリから始まり、怪人との対決、そして洪金寶が怪人の首を引っこ抜くと、そこから大量のゴキブリがカサカサと這い出てくるトラウマもののシーン……。さらにもう一人の怪人の顔が割れると、更に大量のゴキブリが……カサカサ……カサカサ。そりゃあ、洪金寶じゃなくても幽体離脱してでも逃げ出したくなります。ぼくも画面をみながら「うぎゃあ! うひゃあ!」と奇声を上げて観ていました。いや、あのシーンはもう見たくはないや。にしても、洪金寶、さすがです。

続いて上のゴキブリ騒動のせいで魂の抜けてしまった肥寶の体に、王文君演じる幽霊が入り込むシーン。まさか、洪金寶の挙措に色気を感じる日が来るとは思いませんでした。格闘シーンまで含め、京劇出身の洪金寶の面目躍如といったところ。そしてこの戦いで消耗してしまった小紅(王文君)に、小海(孟海)が生気を分け与えるシーン。向い合って両手を合わせて……といった描写は金庸の武侠小説『射雕英雄伝』の郭靖と黄蓉の間にも同じようなものがあった気がしますが、中国人には馴染み深い演出なのでしょうね。

DVD化されていないのが残念なところですが、『霊幻道士』(1985)同様、アクション、ホラー、ドラマと、様々な要素が破綻なく盛り込まれている、キョンシー関連映画(とは言え、『妖術秘伝・鬼打鬼』同様キョンシーが出ているシーンは少ないですが)の隠れた傑作だと思います。

エンツォ・G・カステラッリ(1985)『ライト・ブラスト』

A COLPI DI LUCE/LIGHT BLAST
製作国:イタリア/アメリカ
上映時間:95分
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:エリック・エストラーダ/マイク・プリチャード/ペギー・ロウ/トーマス・ムーア

荒野のお尋ね者』(1966)などのマカロニウエスタンや、『死神の骨をしゃぶれ』(1973)などのマカロニ・アクションを監督したエンツォ・G・カステラッリによるハードボイルドなポリスアクション。主演のエリック・エストラーダはニューヨーク生まれの俳優で、本作のような警官役を得意としたようです。

 サンフランシスコを舞台に、人をも溶かす殺人光線を悪用する科学者とタフな刑事の戦いを描く、カーチェイスあり銃撃戦ありのマカロニB級アクション。TV放映でかなりの視聴率を稼いだのは「白バイ野郎/ジョン&パンチ」のエストラーダ人気とも思えないが……。

解説では「マカロニB級アクション」と紹介されてはいるものの、舞台はサンフランシスコ(実際にサンフランシスコでロケをしている模様)、主演俳優はアメリカ人アクション俳優のエリック・エストラーダということで、マカロニらしさは薄めです。

雨上がりの道でのスタイリッシュなカーチェイスや、サンフランシスコの坂道を上手く使った『ブリット』(1968)ばりのカーチェイスなど、全編に散りばめられたカーチェイスシーンはなかなか見ごたえがあります。また、一部のカステラッリ好きの間で定評のある、高低差を活かした銃撃戦シーンは本作でも健在。敵の股ぐら目がけてエストラーダのショットガンが火を噴きます。しかし、いくら高低差のあるショットが好きだからって、ミニスカートのお姉ちゃんを執拗にローアングルで追いかけるのはどうなんだ、しかも2シーンも(笑)

ニューヨーク1997』(1981)を連想させる電子楽器を多用した音楽もなかなか恰好良い。また、ユーリ・スボダ教授(トーマス・ムーア)が使う殺人光線銃で殺される人々の描写がなかなか秀逸。まるで飴細工のように皮膚や肉が溶けていくさまが、蝋細工のような、粘土細工のような特殊効果で描写されます。チープと言えばチープなのですが、最近ではなかなか見ることのできない、独特の映像となっています。

本作で悪役のスボダ教授を演じているトーマス・ムーアことエンニオ・ジローラミはカステラッリ監督の実兄で、彼の映画にはよく出演していますね。『荒野のお尋ね者』でも印象的な演技を見せていました。

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