今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

Genre:Western

ドゥッチオ・テッサリ(1965)『夕陽の用心棒』

Una pistola per Ringo
製作国:イタリア
上映時間:98分
監督:ドゥッチオ・テッサリ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ/フェルナンド・サンチョ/ロレッラ・デ・ルーカ/アントニオ・カザス

サンダル史劇の時代にジュリアーノ・ジェンマと組んで『タイタンの逆襲』(1962)を作ったドゥッチオ・テッサリ監督が、再びジェンマをモンゴメリー・ウッド名義で起用して放ったマカロニウエスタン。ジェンマのマカロニウエスタン第一作でもあります。日本ではなぜか劇場未公開。面白い映画だし、ジェンマも出ているのに。謎です。

 「荒野の1ドル銀貨」で知られるウェスタン・ヒーロー、ジュリアーノ・ジェンマがモンゴメリー・ウッドのクレジットで出演。彼の出世作となった記念すべきマカロニ・ウェスタン。人質を取り農園に立てこもった銀行強盗たちに挑む早討ちガンマン、リンゴーの活躍を描く。

ジュリアーノ・ジェンマ演じるリンゴが、人質を取って立てこもる盗賊の親玉・サンチョ(フェルナンド・サンチョ)のアジトに保安官(ジョージ・マーティン)の依頼で潜り込みます。人質には保安官の許嫁であるルビー(ロレッラ・デ・ルーカ)も含まれていたのでした、という筋でリンゴの活躍が軽妙なタッチで描かれます。初期のマカロニウエスタンにしてはコミカルな描写が多めで、ジェンマのキャラクターに合った洒脱なマカロニウエスタンです。

本作で盗賊の親玉を演じていたサンチョについてですが、本作のサンチョのキャラクターはマカロニウエスタンにおいてサンチョが演じているキャラクターの典型的な一例(メキシコ人、粗野、単純、人はいい、残酷)となっており、サンチョがマカロニウエスタンにおいてどういう役割を果たしたのかは、本作を見ると一目瞭然になっています。また、サンチョのパートナーでありながら、人質であるブラウン(アントニオ・カザス)に惹かれてゆくドロレスを演じたニエヴェス・ナヴァロも印象に残ります。

本作の続編となるのが同じドゥッチオ・テッサリ監督の『続・荒野の1ドル銀貨』(1965)です。日本ではまるで『荒野の1ドル銀貨』(1965)の続編のようなタイトルが付けられてしまっているので非常にややこしい。ただまぁ、どちらにしろキャラクターが同一であるくらいの関連性しかないので、大した問題ではないのかもしれません。

アントニオ・マルゲリーティ(1970)『E Dio disse a Caino』

製作国:イタリア/西ドイツ
上映時間:93分
監督:アンソニー・M・ドーソン
出演:クラウス・キンスキー/ペーター・カルステン/マルチェラ・ミケランジェリ/アントニオ・カンタフォラ

前回『ジェーン・バーキン in ヴェルヴェットの森』(1973)をご紹介したイタリアの職人監督アンソニー・M・ドーソンことアントニオ・マルゲリーティが監督した何本かのマカロニウエスタンの一本。主演は数多くのマカロニウエスタンに出演していますが、主演作品はほとんどないクラウス・キンスキー。

収容所で強制労働をさせられていたゲイリー・ハミルトン(クラウス・キンスキー)。ある日彼は釈放され、馬車に乗ってとある町を目指します。馬車で同席した青年ディック(アントニオ・カンタフォラ)が旧知のアコンバー(ペーター・カルステン)の息子だと知ると、彼に「ゲイリー・ハミルトンが帰ってきたと伝えてくれ」と言って馬車を途中下車するゲイリー。

実はアコンバーこそがゲイリーが10年間も服役していた原因でした。ゲイリーとアコンバーは北軍で同じ部隊にいたのですが、軍の金が横領されるという事件が起き、ゲイリーは犯人として捕まっていたのでした。しかし、真犯人はアコンバーであり、彼は金ばかりか、ゲイリーの恋人であったマリア(マルチェラ・ミケランジェリ)まで奪っていたのでした。

真相を知らないディックは、父にゲイリーの伝言を伝えます。顔を強ばらせる父と母(マリアはどうやらディックにとって継母のようです)。アコンバーは部下たちに、ゲイリーを町に入れずに始末するようにとの指示を出しますが、ゲイリーは地下道を巧みに使って町に侵入します。嵐の夜、ゲイリーは一人また一人とアコンバーの部下たちを葬ってゆくのでした……というお話。

ミルクリークから出ている廉価版DVDで見ました。英語音声なのはよいのですが、画質が悪く、しかも本作は夜間戦闘などのくらいシーンが非常に多いため、何をやっているのか分からないシーンがしばしば。もう少しいい画質の映像で見たかったところです。

タイトルを直訳すると「そして神はカインに語った」となります。恐らく旧約聖書のカインとアベルの逸話を指しているのだと思われますが、映画のストーリー自体は比較的単純な復讐劇であり、あまり聖書に馴染みのないぼくには関連性はいまいちわかりませんでした。

ストーリー自体は比較的ありきたりなものですが、本作はホラー映画も監督するマルゲリーティ監督らしい演出でなかなか楽しめます。地下道の水滴の音や、嵐の風の音、そして嵐で揺れる鐘の音といった自然音を上手く使った効果音。そして鐘を効果的な小道具にしたふたつのホラーチックなシーンなど。また、クライマックスのアコンバー家の悲劇の演出もなかなか魅せてくれます。鏡と炎を効果的に使ったラストの決闘シーンもいいですね。マルゲリーティ監督らしさが良い方に出た佳作です。

クラウス・キンスキーはもう説明不要なくらい様々なマカロニウエスタンに出演した名優です。一方のペーター・カルステンはマカロニウエスタンの出演作はあまりないようです。先日ご紹介した『戦争プロフェッショナル』(1968)でもドイツ人将校役で出演していました。

アントニオ・ロマン(1965)『ネブラスカの一匹狼』

Ringo del Nebraska
製作国:イタリア/スペイン
上映時間:82分
監督:アントニオ・ロマン
出演:ケン・クラーク/ピエロ・ルリ/イヴォンヌ・バスタイン/アルフォンソ・ロハス

監督のアントニオ・ロマンはスペインではそれなりに有名な監督のようで、1940年代から60年代にかけて30本ほどの監督作があるようです。本作はそのアントニオ・ロマンと、ノンクレジットながら、『血ぬられた墓標』(1960)で有名なマリオ・バーヴァが共同監督として携わっているマカロニウエスタン。主演は『077/地獄のカクテル』(1965)からはじまる077シリーズで主演を務めたケン・クラーク。

テキサスのある街外れの牧場にリンゴ(ケン・クラーク)がやって来ます。彼は仕事を探しにやって来たのでした。彼の銃の腕を見た牧場主のマーティ(アルフォンソ・ロハス)は、用心棒としてリンゴを雇うことにします。マーティは彼の牧場と妻のケイ(イヴォンヌ・バスタイン)を狙う無法者・カーター(ピエロ・ルリ)を恐れていたのでした。

そんな時、マーティの部下が殺されているのが見つかります。犯人はカーターの部下たちでした。告発のため、マーティとリンゴは街に向かいます。街はカーターに牛耳られており、保安官のバート(リヴィオ・ロレンゾン)は酒浸りになっていました。はじめは逮捕を渋るバートでしたが、リンゴの説得でカーターの部下たちを逮捕します。

しかし、街からの帰り道、マーティはカーターに待ち伏せされ、重症を追ってしまいます。更に、バートも殺され、リンゴが犯人に仕立て上げられてしまうのでした……というお話。

1965年(資料によっては66年)というマカロニウエスタンとしてはかなり初期の作品であるため、まだまだアメリカの西部劇の影響が色濃く残っています。『シェーン』(1953)の焼き直しという評もネットで見かけますが、ストーリーの骨格は確かに似た部分がありますね。子どもは出て来ませんが。一方で、暴力的な描写は当時のアメリカ映画よりもストレートで、マカロニウエスタンの特徴の萌芽を見ることができます。全体としてはそこまで特筆すべきものはないけれど、そつなくまとまった西部劇、というところでしょうか。

本作の見所のひとつは、何と言っても悪役であるカーターを演じたピエロ・ルリ。彼、いまいち胡散臭い脇役とか、汚い敵役みたいな立ち位置でよくマカロニウエスタンに登場する印象があるんですが、ここまでストレートにスタンダードな悪役を演じているのって結構珍しいような気がします。また、カーターの手下のひとりとして、フランク・ブラナが出ているのもファンとしては見所。

オスワルド・チヴィラーニ(1967)『Il figlio di Django』

製作国:イタリア
上映時間:95分
監督:オスワルド・チヴィラーニ
出演:ガブリエル・ティンティ/ガイ・マディソン/イングリッド・シェラー/ダニエル・ヴァルガス

日本では『荒野の掟』(1966)がTV放映されたこともあるらしいオスワルド・チヴィラーニ監督のマカロニ・ウエスタン。原題を直訳すると「ジャンゴの息子」。その名の通り父ジャンゴを殺された少年が成長し、父親の仇を探して旅に出るというお話。ジャンゴはほぼ間違いなく『続・荒野の用心棒』(1966)のジャンゴのことでしょう。チヴィラーニはその後『I due figli di Trinità』(1972)(トリニータの2人の息子)なんていう映画も撮っています。「息子もの」(そんなのあるのか?)が得意な監督なのでしょうか? ただ、『I due figli di Trinità』がフランコとチッチオ主演のコメディなのに対し、本作はしっかりとした真面目な西部劇です。

子供のころ、父親であるジャンゴを目の前で殺されたトレーシー(ガブリエル・ティンティ)。彼は成長し、一人前のガンマンとして父の仇を探す旅に出ます。途中、馬を盗まれたり牢屋に入れられたりしたものの、何とか仇が住む街にたどり着きました……のだと思います。

仇は街を牛耳る大物クレイ・ファーガソン(ダニエル・ヴァルガス)。クレイは農場の所有権を巡り(?)、グレイソン夫妻(ジョルジョ・ディオニシーオ、イングリッド・シェラー)やトンプソン(ペドロ・サンチェス)と争っていました……たぶん。トレーシーは彼らの争いに巻き込まれながらも、フレミング神父(ガイ・マディソン)の協力を得て父の死の真相に迫るのでした……というお話……なんだと思います、たぶん。

ストーリー解説がやたらと曖昧なのは、本作は日本版DVDが出ていないため、イタリア語音声字幕なし、というイタリア版DVDで視聴したためです。また、本作のストーリーはネット上にも日本語の情報はほとんどないため、英語サイトで確認した内容と、本編を見てぼくが理解した内容を合わせて上のあらすじを書いています。おそらくそんなには違っていないはず。

てっきりジャンゴ人気に便乗しただけの作品だろうと思っていたのですが、なかなかどうして。しっかりとした作りのマカロニ・ウエスタンでした。おそらく制作資金も結構かけられているはず。巻き込まれ型のストーリーもなかなかおもしろく、字幕がなくても飽きずに集中して見ていられます。また、クライマックスの20分続く銃撃戦は爽快感抜群。

主演のガブリエル・ティンティは西部劇にはほとんど出ていないようですが、『黄金の七人』(1965)などにも出演しています。また、ガイ・マディソンは『荒野のお尋ね者』(1966)なんかで有名ですね。

ドン・テイラー(1969)『五人の軍隊』

Un esercito di 5 uomini
製作国:イタリア
上映時間:111分
監督:ドン・テイラー
出演:ピーター・グレイヴス/ジェームズ・ダリー/丹波哲郎/バッド・スペンサー/ニーノ・カステルヌオーヴォ

丹波哲郎が出演した珍しいマカロニ・ウエスタン。本作のほかに日本人が出演したマカロニ・ウエスタンには、仲代達矢の『野獣暁に死す』(1968)、チェン・リーこと早川明心の『荒野のドラゴン』(1973)などがありますね。また、本作で脚本を担当しているダリオ・アルジェントは、『野獣暁に死す』の脚本も担当しているという面白い繋がりもあります。

本作の監督は俳優から監督に転向したアメリカ人監督であるドン・テイラー。本作では序盤にオーガスタス(ジェームズ・ダリー)とポーカーをプレイしている人物のひとりとして姿を見ることができます。マカロニ・ウエスタンというか、イタリア映画の監督自体この一本だけのようですね。

 メキシコ革命時下、革命軍にくみする五人の男たち。彼らは政府軍の現金輸送列車を襲撃する計画を立て実行に移る。それぞれの特技を活かして軍隊と互角に渡り合う、五人のプロフェッショナルたちを描いたアクション。チーム・リーダーに、TV「スパイ大作戦」のP・グレイヴス、剣の達人役で丹波哲郎が出演。

『野獣暁に死す』や『黄金無頼』(1967)のような、「ある目的のためにそれぞれの分野のプロフェッショナルが力を合わせる」タイプのマカロニ・ウエスタン。一匹狼を主人公にした映画も良いのですが、やはりチームが協力して目標を達成しようとする映画はやはりワクワクしますね。「スパイ大作戦」のピーター・グレイヴスを始めとする5人の面々もそれぞれキャラクターが立っており魅力的。

また、列車襲撃の計画も非常に綿密に立てられており、アクシデントを乗り越えながら一つ一つクリアしていく様も面白いのですが、本作の面白さはメキシコ革命をしっかりとストーリーに絡めているところ。最後に5人のひとりであるルイス(ニーノ・カステルヌオーヴォ)が革命派に味方しようと決意するのですが、中盤あたりにさり気なく伏線となるエピソードを配しておくなど、かなりニクいストーリーの作り方がなされています(ただし、あくまでもマカロニ・ウエスタン基準)。

現在日本で見ることが難しいのが非常に残念な、面白いマカロニ・ウエスタンです。

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