今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

G:Thriller

ジョン・フランケンハイマー(1977)『ブラック・サンデー』

Black Sunday
製作国: アメリカ
監督: ジョン・フランケンハイマー
出演: ロバート・ショウ/ブルース・ダーン/マルト・ケラー/フリッツ・ウィーヴァー

【あらすじ】

過激派組織「黒い九月」のベイルートのアジトではダーリア(マルト・ケラー)が飛行船パイロットのアメリカ人ベトナム帰還兵マイケル・ランダー(ブルース・ダーン)を使ったテロ計画について仲間に提案していた。その夜、カバコフ少佐(ロバート・ショウ)率いるイスラエル軍部隊がアジトを急襲する。辛くも難を逃れたダーリアだったが、犯行声明テープをカバコフに奪われてしまう。

アメリカに渡ったカバコフはテロの危険をFBIのコーリー(フリッツ・ウィーヴァー)に知らせ、協力して調査に当たることとする。一方、アメリカに渡ったダーリアは、ランダーと共にスーパーボウルでの爆弾テロ計画を進めていた。日本船を使いプラスチック爆弾を密輸入した二人だったが、カバコフと相棒のロバートがそれに気付き、調査を進める。ランダーは電話爆弾で日本人船長を爆殺し、その際近くにいたカバコフは負傷する。ダーリアは看護婦に化け、カバコフの入院している病院に潜入する。それに気づいたロバートだったが、ダーリアに毒殺される。

爆弾の準備をし、マイアミのホテルに到着したダーリアだったが、そこに組織の上司であるファジル(ベキム・フェーミュ)が現れる。ダーリアの素性が当局にバレたことを告げ、計画の中止を命じるファジル。しかし、ダーリアは計画の実行を主張する。コーリーとカバコフはホテルを襲撃し、多くの犠牲を出した末、ファジルを射殺する。しかし、すでにダーリアは逃げたあとだった。

ランダーの家に戻ったダーリアだったが、そこでランダーから驚くべき事実を知らされる。スーパーボウルでの報道用飛行船のパイロットから外されたというのだ。しかし、諦めないダーリアは、ランダーを説得し、二人はマイアミに。そしてダーリアが新しい飛行船パイロットを射殺し、ランダーが飛行船に乗組むことになるのだった。

厳重な警戒を固めるコーリーとカバコフ。一方、飛行船で飛び立ったランダーは、故障を装い、再び飛行場へと飛行船を向かわせる。その頃、ホテルで本来のパイロットが殺されているとの知らせがカバコフに入る。飛行場へと急ぐカバコフ。しかし、カバコフが到着する直前、ダーリアと爆弾を乗せた飛行船は再び飛び立ってしまう。ヘリコプターで追いかけるカバコフ。カバコフはダーリアを撃ち殺し、ランダーに重傷を負わせる。しかし飛行船はスタジアムに向けて飛び続ける。導火線に点火するランダー。カバコフは必死に飛行船とヘリコプターをフックで繋ぎ、飛行船をスタジアムから離そうとする。やがて爆弾に点火。爆薬によって数多のダーツの矢が飛び出していくが、その頃には飛行船は誰もいない海上へと運ばれていたのだった。

【感想】

当時のアメリカ映画ではテロ組織といえばアラブとか、パレスチナが定番でしたが、本作もそんな一本。一応パレスチナの過激派は君たちイスラエルが作ったんだ、みたいな批判も作中では登場するものの、基本的にはアクション・エンターテインメントといったところです。しかし、FBIやCIAではなく、イスラエル特殊部隊の軍人が主人公のアメリカ映画、っていうのはそこそこ珍しいのではないか、という気はします。また、プラスチック爆弾を密輸するのが、リビア船籍の日本船、というのが日本人としては色々と興味深い。当時の貿易摩擦とか、なんか、そういうあれがあったんですかね。

映画自体は当時よくあった刑事ものというか、アメリカのTVドラマっぽいノリで、そこまでの迫力はない印象。ただ、爆発シーンはなかなか迫力があり、特に最後、飛行船とヘリコプターのチェイスシーンから、飛行船がスタジアムに突入してくシーンは、合成と実写をうまく組み合わせて緊迫感のある映像に仕上がっていました。

オープニング、映画内ではレバノンのベイルートだとされているシーンがありますが、映画内に思いっきりモロッコの人の民族衣装であるジュラバを着たおっさんが映り込んだりしており、見ていてものすごく違和感を覚えていたのですが、やはりモロッコのタンジェなどで撮影されていた模様。そのへん、もうちょっと気を使えばいいのに、という気がしますが、当時のアメリカの一般大衆にとってはモロッコもレバノンもそんなに区別なかったのかもしれません。

野田幸男(1974)『0課の女 赤い手錠(ワッパ)』

製作国: 日本
監督: 野田幸男
出演: 杉本美樹/郷鍈治/室田日出男/丹波哲郎

【あらすじ】

女刑事の零(杉本美樹)は友人エミイ(柿沢エミ)を殺した大使館職員リチャードを殺し、留置所に入れられる。一方そのころ神奈川刑務所から出所した仲原(郷鍈治)は仲間たちとともにカップルを襲い、男は殺し、女をさらう。馴染みのスナック、マンハッタンの加律子(三原葉子)の元に女を連れてきた仲原たちは、その女が大物政治家、南雲善悟(丹波哲郎)の娘、杏子(岸ひろみ)だと気づく。彼女を人質に南雲に3千万円を要求する仲原。

要求を受けた南雲は、警察の日下(室田日出男)に事件を内々に処理するよう依頼する。日下は留置所の零を訪れ、釈放と職務復帰と引き換えに、誘拐犯を始末し、杏子を救出するように命じるのだった。

新宿駅での身代金受渡に現れた仲原は、刑事たちに追跡されるが、零によって助けられる。仲間たちは警察の犬ではないかと零を疑うが、零は自分の正体を知っている加律子を殺すことで、逆に彼らから信頼される。零は南雲に再び身代金を要求するよう仲原を促す。身代金を受け取りに現れた野呂(菅原直行)は日下によって殺される。

日下たちはマンハッタンを囲むが、それに気づいた仲原、関(荒木一郎)、稲葉(遠藤征慈)の3人は杏子と零を連れて逃走を図るが、仲原の弟、アキ(小原秀明)が杏子を逃がそうとする。怒りに駆られて仲原はアキを撲殺する。半ば狂気に陥りつつも仲間たちとともに逃走する仲原。彼らは横浜のアメリカ人の家に立て籠もる。仲原に怯えて逃げ出す稲葉だったが、日下たちに捕まり、拷問を受ける。零への連絡係として仲原の元に戻された稲葉だったが、それが仲原にばれ、稲葉は殺される。

家に火を付け、零と杏子を人質に再び逃走する仲原と関。麻薬を打たれて朦朧とした娘の姿を見た南雲は、娘もろとも全員を始末するよう、日下に指示を出すのだった。カーチェイスと銃撃戦の末、生まれ故郷のドヤに逃げ込んだ仲原と関だったが、日下との銃撃戦によって関は死に、仲原も隙を突かれて零に殺される。重傷を負いながらも零と杏子を殺そうとする日下も、逆に零によってとどめを刺されるのだった。

零は杏子を無事に東京に連れ戻し、マスコミにリークの末、警察署に駆け込ませる。政治生命を絶たれた南雲をよそに、零はタクシーに乗って去っていくのだった。

【感想】

東映が製作した女性アクション映画の傑作と言われる作品です。序盤から杉本美樹の裸が登場したり、三原葉子や岸ひろみもヌードがあったりと、セクスプロイテーション映画の側面も非常に強い作品。というか、この映画に登場した女性ほとんど全員脱いでる気がする。男も割と脱いでますが。

中盤で弟を殺して以降、どんどん狂気に陥っていく仲原を演じる郷鍈治がとても良い。常に何を考えているのかわからない荒木一郎もいい感じ。そして権力欲に突き動かされて零すらも始末しようとする室田日出男もぎとぎととしていてやっぱりいいです。杉本美樹については演技力はいまいちわかりませんが、この辺、マカロニウエスタンの主役と同じで、アクションが良くて雰囲気があればそレデ十分な感じです。

アメリカ人の邸宅を襲撃して以降、仲原は水平二連の散弾銃を持ち歩くのですが、ファッションも微妙にマカロニウエスタン感があって、マカロニファンとしてはその辺も面白い。クライマックスの銃撃戦シーンも、エンツォ・G・カステラッリばりの高低差を活かした銃撃戦があったり、ナイフと銃の対決があったりと、スタイリッシュなアクションが堪能できます。

反面、あんまり血が吹き出しすぎというか、スプラッターよりの演出は本作には必要だったのだろうか、という思いもあります。が、まあ、この時代の東映映画なのでその辺は仕方ないですか。

ピーター・ボグダノヴィッチ(1968)『殺人者はライフルを持っている!』

Targets
製作国: アメリカ
監督: ピーター・ボグダノヴィッチ
出演: ボリス・カーロフ/ティム・オケリー/アーサー・ピーターソン/ナンシー・スー

【あらすじ】

試写室ではバイロン・オーロック(ボリス・カーロフ)の新作怪奇映画「古城の亡霊」の試写が行われていた。オーロックは「古城の亡霊」の監督でもあるエド(アーサー・ピーターソン)の新作への出演を請われるが、もう引退する、と言って断る。一方、試写室近くの銃砲店では、どこにでもいるような青年、ボブ(ティム・オケリー)がライフルを購入していた。

イギリスに戻ることにしたバイロンだったが、その夜、秘書のジェニー(ナンシー・スー)に咎められたり、泥酔したエドが彼の部屋にやってきて愚痴るのを見て気を変え、リシーダのドライブイン・シアターで行われる「古城の亡霊」の舞台挨拶には出演することにする。

舞台挨拶の日の朝、ボブは妻と母を射殺、ガス会社のタンクに登り、そこから幹線道路を走る車を狙撃し始める。パトカーが駆けつけると、彼はタンクから逃走し、ドライブイン・シアターに紛れ込む。舞台挨拶に先立ち、映画の上映が始まると、ボブはスクリーンの裏から観客を一人、また一人と狙撃してゆく。

バイロンとジェニーがドライブイン・シアターに着いてしばらくすると、狙撃犯に気づいた観客たちがパニックになりながら劇場から逃げようとし始める。スタッフの通報によって警察も駆けつけ、追い詰められたボブは銃を乱射しはじめ、ジェニーも負傷してしまう。

ボブの姿を見かけたバイロンは彼に向かってゆく。スクリーンの中のバイロンと向かってくるバイロンの両方を見たボブはパニックを起こし、バイロンを撃とうとするが、間一髪、バイロンのステッキがボブの拳銃を叩き落とすのであった。「百発百中だったろ」と言い残し、ボブは警官に連行されていった。

【感想】

ピーター・ボグダノヴィッチの代表作というと『ペーパー・ムーン』(1973)あたりになるんですかね。それはともかく、今も現役の映画監督である彼の監督デビュー作が本作。日本では劇場で公開されず、長らくソフトも出ていませんでしたが、数年前にDVD化されているようです。ボグダノヴィッチはあのロジャー・コーマンに見出された一人で、本作でもノンクレジットながら、コーマンがプロデューサーとして関わっていもいる模様。

映画の冒頭、唐突に古城を舞台にした怪奇映画がはじまり、「あれ、映画間違えたかな」と思いますが、実は映画内映画の試写だった、という構成は面白い。本作で上映されている映画内映画は実際にボリス・カーロフが出演したロジャー・コーマン監督の『古城の亡霊』(1963)が使われています。

ストーリー立ては非常にシンプルですが、ティム・オケリー演じる青年ボブの人生が破綻を迎えるまでの不穏なパートと、ボリス・カーロフ演じる斜陽の映画俳優のパートの転換が非常にスムーズに行われているのには目を見張ります。

また、本作ではボリス・カーロフが自身の俳優人生そのままの役を演じているところも見どころ。そう考えると、本作中でエドが構想していた、バイロン自身を描いた新作こそが本作で、エドはピーター・ボグダノヴィッチ監督自身の分身なのかもしれません。

作中ではボブの動機は明確に描かれません。銃砲店の店主に「狩りの獲物は?」と聞かれて「豚さ」と返す場面や、ドライブイン・シアターの遊具で遊ぶ子供たちを眺める彼の表情から何となくうかがい知れるのみ。しかし、そこが逆に本作の魅力の一つであり、作られた年代ならではの空気感を伝えています。

M・ナイト・シャマラン(2002)『サイン』

Sign
製作国:アメリカ
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン/ホアキン・フェニックス/ロリー・カルキン/アビゲイル・ブレスリン

【あらすじ】

フィラデルフィア近郊に住むヘス一家。父親のグラハム(メル・ギブソン)は事故で妻を失ったあと牧師の仕事をやめ、今では自宅近くの農場でトウモロコシを育てながら息子モーガン(ロリー・カルキン)、娘ボー(アビゲイル・ブレスリン)、そして離れに住む弟メリル(ホアキン・フェニックス)と共に暮らしていた。

ある日、不思議な出来事が一家を襲う。早朝、子供たちの姿が見えないのを探しに出たグラハムとメリルは、トウモロコシ畑の一部がまるでミステリー・サークルのように折り倒されているのを見つける。それと同じころ、2匹の飼い犬もまるで何かに怯えるように凶暴になり始める。その夜、不審者に気づいた2人は外に出るが、それはものすごい跳躍力を発揮して2人から逃げていった。

TVをつけた彼らは、インドを始めとする世界中で、同じような現象が起きていることを知る。旧知の警察官の勧めで気晴らしに街に出た一家だったが、街は宇宙人の話で持ちきりだった。家に戻った彼らは、モーガンの持つおもちゃの無線機に、なにやら不思議な更新音が入っていることに気づく。

グラハムはある男から電話を受ける。その男レイ(M・ナイト・シャマラン)こそ、グラハムの妻コリーン(パトリシア・カレンバー)の死の原因となった自動車事故において、車を運転していた男だった。レイの家に向かうグラハム。彼はグラハムに改めて謝罪し、食料庫に宇宙人を捕まえているから、決して開けないように、と言い残し、湖に向かう。彼らは水を恐れているらしい、との言葉を残して。レイの家に入ったグラハムは、食料庫の扉の隙間から出る宇宙人の手、らしきものを目撃し、動転のあまり手に持っていたナイフでその指を切断し、家へと逃げ帰るのだった。

窓に板を打ち付け、立て篭りの準備をするグラハムとメリル。しかし、板を打ち付けるのを忘れていた屋根裏から彼らの侵入を許してしまう。彼らは地下室に逃げ込む。疲れから眠ってしまったグラハムは、妻を失った自動車事故の夢を見る。

翌日、目を覚ました彼は、ラジオ放送で宇宙人が撤退しつつあることを知る。発作を起こしたモーガンの喘息の薬を手に入れるため、1階に上がった彼らだったが、逃げ遅れたと思われる宇宙人にモーガンが捕まってしまう。メリルはバットで宇宙人に打ちかかり、モーガンを取り返す。そして、コップの水がかかった宇宙人はあっけなく倒されるのだった。

死に際の妻の言葉、そして喘息で気管が閉じていたことにより、モーガンが宇宙人の毒ガスから助かったことなどを思い出したグラハムは、妻の死以来失っていた信仰を取り戻した。

【感想】

監督のM・ナイト・シャマランは日本で初めて劇場公開された作品『シックス・センス』(1999)の印象があまりに強すぎて、どうもそのあとパッとしない印象もある(とはいえ、ぼくはその後の作品を追っているわけではないので、あまり偉そうなことは言えない)のだけれど、本作も悪くないし、なかなか面白いんだけどなあ……という感じはあります。まあ、単に彼に『シックス・センス』っぽさを求めすぎなだけなのかも知れません。

大規模な特撮を使用した作品になりがちな宇宙戦争ものを、ほとんどいち家族、一つの家の中での密室劇として描こうという試みはなかなか面白く、また、グラハムが失った信仰を取り戻す物語と、それによる家族の再生の物語としても描こうとしている意欲は分かるのですが、どうにもちょっと中途半端な印象は受けます。また、メリルが元マイナーリーグのホームラン記録保持者、という伏線や、ボーの水に潔癖な癖を描くことで観客の意識に水を印象付ける手法なども、まあ、B級SFとしてはアリなんですが、この人の場合、サスペンス性を盛り上げる演出がやたら上手いので、逆にチグハグになっている印象もあります。まあ、この辺は好みでしょうけれど。

最後の、水。それでもって雪が降り始めるから撤退した、ってのはなあ。なんか釈然としない気はします。こんな大作(?)で、そんな『エル・ゾンビ II 死霊復活祭』(1973)みたいなオチを持ってきてしまっていいものなのか。

Signs (2002) on IMDb

マリオ・コスタ(1970)『ザ・ビースト』

La belva
製作国:イタリア
監督:マリオ・コスタ
出演:クラウス・キンスキー/ジュゼッペ・カルディーロ(スティーヴン・テッド)/ガブリエラ・ジョルジェーリ/パオロ・カセーラ(ポール・サリヴァン)

【あらすじ】

クレイジー・ジョニーの通称を持つジョニー(クラウス・キンスキー)は、ある日町の酒場でオーナーのボーエンズ(グイド・ロロブリジーダ)から声を掛けられる。地所を売払い引退する町の名士パワーズ氏(アントニオ・アネッリ)を襲い、彼が受け取った10万ドルを強奪しようと言うのだ。彼らは帰り道でパワーズ氏を襲い、撃ち殺すが、10万ドルはすでに銀行に預けられたあとだった。しかもボーエンズが殺害現場に嗅ぎたばこ入れを落としてしまう。保安官(レモ・カピターニ)から疑いを掛けられたボーエンズをジョニーは撃ち殺し、町から姿を消した。

メキシコの酒場。ジョニーは旧知のメキシコ人グレン(パオロ・カセーラ)からリカルド(ジュゼッペ・カルディーロ)とホワニータ(ガブリエラ・ジョルジェーリ)のカップルを紹介される。彼らと組んで、銀行に預けられた10万ドルを奪い取ろうと言うのだ。折しもパワーズ氏の娘ナンシー(ルイーサ・リヴェッリ)が遺産を相続するため、町に向かっていた。ジョニーの作戦は、ホワニータがナンシーと入れ替わり、遺産を横取りしようというものだった。

計画は当たり、リカルドとホワニータはダラスの銀行に入っている分を除いた5万ドルを手にするが、ここで間違いが起こる。ジョニーがナンシーをレイプしようとし、逃げた彼女を射殺してしまったのである。この事件をきっかけにジョニーとリカルド達3人は袂を別つこととし、3人はジョニーに分前の1万2千ドルを渡し、追放する。

とある町に流れ着いたジョニーだったが、ここで追っ手に見つかってしまう。自分がお尋ね者であると知った彼は、グレンから残りの金を奪おうとメキシコにやってくるが、山賊のマシェティ(ジョヴァンニ・パラヴィシーノ)一味に捕らえられる。ジョニーは彼らと取引をし、ホワニータをさらわせる。

ホワニータがマシェティ一味にさらわれたことを知ったリカルドはグレンや仲間たちを集めてアジトを襲撃するが、ジョニーとホワニータはすでに逃げたあとだった。ジョニーを追うリカルドとグレン。一方のジョニーはホワニータから残りの金の隠し場所を聴きだすと彼女を殺し、隠し場所であるリカルドの養父の牧場に向かおうとする。しかし、ジョニーは先回りしていたリカルドに殺されるのだった。

牧場に戻ったリカルドだったが、そこはすでにマシェティ一味によって略奪を受けている真っ最中だった。マシェティを撃ち殺したリカルドだったが、金は焼け、養父母や義弟をも失った彼は、ただ立ち尽くすのだった。

【感想】

ストーリーだけ見ればそれなりに悪くなく、入れ替わりの犯行計画などなかなか面白い趣向も凝らされています。ただ、主人公がジョニーなのかリカルドなのかいまいち判然としません。リカルドに焦点をしぼり、犯行計画に乗るなど欠点はあるものの、それが原因で全てを失う人物として描けば、それなりの作品になった気がします。が、本作ではキンスキー演じるジョニーにかなりの比重が置かれており、また彼がただただ性欲だけで動いているような異常な人物で、これがまた如何ともしがたい。まあそれが、本作を本作たらしめている要因ではあるのですが。

このジョニーという人物、クレイジー・ジョニーというあだ名で呼ばれているだけのことはあり、綺麗な女を見ると、後先を考えず、見境なく襲おうとする異常な人物。衝動的で、ただただ本能にしたがって生きているような人間です。ただ、一方で単純なところもあり、ナンシーに言いくるめられて、ニコニコと別室で洋服を脱いでいる間に逃げられるなど、何というか、そういう人物です。

このジョニーのキャラクターが良くも悪くも強烈なため、ストーリー的には主人公的な立ち位置にいるリカルドの影が非常に薄くなってしまっているのが、バランスの悪いところ。ステルビオ・チプリアーニの音楽はなかなか悪くないんですが。

マカロニウエスタンにしては緑が目立つ本作ですが、スペインではなくイタリアのローマ近郊及びローマにあったエリオス・スタジオで撮影されたようです。

The Beast (1970) on IMDb

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