Как молоды мы были
製作国:ソビエト連邦
上映時間:91分
監督:ミハイル・ベリコフ
出演:タラス・デニセンコ/エレナ・シュクルペロ/ニナ・シャロラポワ/アレクサンドル・パシュティン
50年代の、ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行に成功した時代を背景に、幼なじみのカップルの青春を描きます。監督のミハイル・ベリコフは70年代から90年にかけて6本ほどの監督作があるようですが、日本で劇場公開されている作品はないようです。
1950年代のある日、大学入学試験を終え、サーシャ(タラス・デニセンコ)は故郷の町に帰ってきます。合格の知らせに喜ぶ叔母、叔父をはじめとする家族たち。幼なじみのユリカ(エレナ・シュクルペロ)にも再会します。やがて大学に進学し、寮に入ったサーシャは悪友ビクトルと騒いだり、女の子を寮に連れ込んだり。そんなサーシャのもとに、ある日ユリカが訪ねてきます。彼女は戦争中に誤飲したリンの影響で体調が優れず、医師の診断を受けに来たのでした。
ユリカのこともあり、金を貯めようと肉体労働のアルバイトを始めたサーシャ。そこで出会った年上の女性と深い関係になるも、彼女の恋人に殴られて追い出されてしまいます。一方、ユリカの診断について行ったサーシャは、医師から彼女の状態はあまり良くなく、注意が必要だとの忠告を受けます。必死に貯めた金で、ユリカと海へと旅に出るサーシャ。その後、サーシャはユリカと結婚します。やがて、ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行に成功したその日、大学にいるサーシャの元に、ユリカが女の子を出産したとの知らせがとどくのでしたが……というお話。
前半は、アメリカとかでよくありそうな、うぶな青年のちょっとエッチな青春物語、後半は幼なじみの男女の純愛物語。「ぼくたちは何て若かったのだろう」という原題が表しているように、当時のどこにでもいそうな2人の姿を、懐かしむような、慈しむような丁寧な演出で描いています。男子寮の男たちの馬鹿らしい騒ぎとか、主人公の家族の描写とか、どれも非常に愛すべきものとして描かれていますが、それだけではなく、当時まだ色濃かった二次大戦の影響などまで含めて丁寧に描いており、とても好感が持てます。
また、どこか頼りなさそうなミーシャと、可愛らしくてそれでいてしっかりしたユリカをそれぞれ演じたタラス・デニセンコとエレナ・シュクルペロがそれぞれぴったりと役にはまっており、見ていて幸せになれます。それにしてもクライマックスの自転車のシーン。あれはずるいだろう、と。『僕の村は戦場だった』(1962)のクライマックスの海辺の場面と同じタイプのずるさがあります。