今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

G:Horror

スコット・ダウ(2015)『ウォーキング・ゾンビランド』

Walking with the Dead
製作国: アメリカ
監督: スコット・ダウ
出演: ティム・オグレトゥリー/ジャクイ・ホーランド/デイヴ・シェリダン/トロイ・オグレトゥリー

【あらすじ】

息子のファウルボールを頭に食らい昏倒していた保安官リンカーン(デイヴ・シェリダン)が病院で目をさますと、そこはゾンビ・アポカリプス後の世界だった。妻バービー(ナタリー・マッケンナ)、息子クリス(メイソン・ダコタ・ギャリオン)と、彼女の勤め先だったストリップ・バーで再会したリンカーンだったが、その直後、バービーはゾンビに胸を噛まれてしまう。躊躇なくバービーを撃ち殺すクリス。

リンカーンはクリスを連れ、病院で出会ったシカゴ(ジョーイ・オーグルズビー)とグリーンベイ(ティム・オグレトゥリー)が立て籠もっているというモールに向かう。モールには彼らの他に、おもちゃのボーガンを使うドーネル(アンドリュー・ポッツァ)に、ブルックリン(ソフィア・テイラー・アリ)とハーレム(ダニエレ・ガルシア)の姉妹もいた。その夜、モールはゾンビの襲撃を受けるが、そのゾンビの中にいたロミオ(トロイ・オグレトゥリー)はブルックリンを守る。リンカーンは彼らを連れて平和だという噂を聞いた農場を目指すことに。

農場にはアブラハム(リチャード・ルーケンス)とサラ(マーサ・プレンティス)の老夫婦と、彼らの娘であるアイザック(ジャクイ・ホーランド)がいた。アイザックは彼らの年齢を心配し、ゾンビ・アポカリプスのことを伏せていた。歓待を受ける一行。だが翌日、アイザックと共にマリファナ・パーティーを開いたグリーンベイがラリって花火を打ち上げてしまったことで、ゾンビを呼び寄せてしまう。

必死にゾンビを撃退する一行だったが、そこにラジオを通して政府からの発表が届く。解毒薬を水道に混ぜたので、ゾンビを見つけ次第水をかけろというのだ。襲い来るゾンビを水で正気に返して行く一行。その夜、正気に戻った生存者達と共にパーティーを行う。しかし、ラジオが今度はテキサス大の小惑星が地球に墜落しつつあることを告げるのだった……

【感想】

真面目にあらすじを書く意味はあるのだろうか、というタイプの映画ですね。最後の小惑星云々はいわゆる「オチ」の部分。ベースとしてあるのはTVドラマ「ウォーキング・デッド」のパロディ。直接的なシーンやシチュエーションのパロディはほぼ全てこの作品からのものなので、少なくともシーズン2あたりまで見てないとパロディ的な面白さはほとんど味わえない気がします。そして、パロディネタが分からないと、はっきり言ってあまり面白くない作品です。

シカゴ、ブルックリン、ハーレムあたりのキャラクターは『ゾンビランド』(2009)のパロディ。その他『28日後…』(2002)や『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)からのパロディもあるようなのですが、ぼくはこの2本は未見なのでなんとも言えないところ。

バカバカしいところの多い、気楽なパロディ・コメディ映画ですね。

安田公義(1966)『大魔神』

製作国:日本
上映時間:84分
監督:安田公義
出演:青山良彦/藤巻潤/高田美和/五味龍太郎/月宮於登女

ゴジラ』(1954)からのシリーズのヒットもあり、50年代から60年代にかけて、邦画製作会社各社からいろいろと怪獣映画が発表されています。大映の『大怪獣ガメラ』(1965)しかり、日活の『大巨獣ガッパ』(1967)しかり。松竹からは『宇宙大怪獣ギララ』(1967)なんてのもありました。そんな中で本作『大魔神』は、いわゆる怪獣ものの要素と、大映が得意とした時代劇の要素を組み合わせたなかなかユニークな作品。監督はやはり時代劇を多く撮影した安田公義が務めています。

 戦国の世、丹波の国で謀反が起こった。前主を弑して新しく領主の座にのぼった左馬之助は、過酷な労役を領民に課し、さらには村の守り神たる魔神像をも破壊しようとした。だが、額にくいを打ち込んだ途端、突如として山崩れが起こり、作業にあたっていた人足たちは土砂に呑み込まれてしまう。左馬之助は魔神像の破壊をあきらめたが、前主の係累に対する追求はやめなかった。ついに遺子・忠文を捕らえた彼は、忠臣とともに磔刑に処することを決定する。忠文の妹・小笹は、唯一の心の拠り所、魔神像に助けを求めるのだったが……。映像化を考慮しないで作られたかのような演出に、特撮が見事に応えた傑作作品。4.5メートルという難しいスケールに設定された魔神像は、巧みな特殊撮影によって動き回り、素晴らしいリアリティを醸し出している。

家老の謀反とそれを逃れた前領主の遺児の復讐物語、という割と時代劇ではよく見る物語設定を、クライマックスで呼び起こされた魔人がすべてひっくり返す、という、なかなかぶっ飛んだ筋立てとなっています。上の解説では魔人像となっていますが、劇中ではこの像の力で魔人が抑えられているという解説もあります。ただ、劇中でも魔人とそれを抑える像の区別がかなり曖昧になっており、いわゆる和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)の関係なのかもしれません。

クライマックスまで怪獣(本作では魔人)が登場しないというのは、傑作怪獣映画あるあるですが、本作でも魔人はクライマックスまで登場せず、SFめいた展開が起こるのも(序盤のちょい見せ的なシーンを除けば)物語後半に集中しています。本作では魔人は天災のメタファーのようにも感じられますし、女性(小笹(高田美和))の自己犠牲によって鎮められるというのは、非常に日本的な物語類型にも感じられます。

一方で、女性の呼び声に応えて現れ、民衆を救ったあとは災厄と化してしまう、という物語展開は『ゴジラ』スタッフも関わったという北朝鮮映画『プルガサリ 伝説の大怪獣』(1985)のストーリーも想起させるものがあります。金正日は日本映画ファンだったとも言いますし、本作も見ていた可能性は多分にあるでしょう。

特撮は非常に力が入っており、中盤の地割れのシーンや、クライマックスの城が大魔神によって破壊されるシーンは素晴らしい。近年の時代劇ではほとんど見られなくなった、成人女性のお歯黒が見られるのも、今となってはなかなか面白いところです。

続編として『大魔神怒る』(1966)、『大魔神逆襲』(1966)が作られていますが、大魔神が登場することを除くと、ストーリー的なつながりはあまりないようです。

Daimajin (1966) on IMDb

ワレーリー・ルビンチク(1979)『スタフ王の野蛮な狩り』

Докаяохота короля Стаха
製作国:ソビエト連邦
上映時間:109分
監督:ワレーリー・ルビンチク
出演:ボリス・プロートニコフ/エレン・ディミートロワ/ヴァレンチナ・シェンドリコワ

白ロシアの作家コロトケーヴィチの小説を元に、ワレーリー・ルビンチク監督が映画化したホラー、サスペンス映画。

ロマノフ王朝末期の19世紀末、白ロシアの寒村に若い民俗学者ベロレツキー(ボリス・プロートニコフ)がやってきます。急な雨に襲われた彼が宿を乞うた古い館には、美しい女館主ナジェージダ(エレン・ディミートロワ)が執事、老婆とともに住んでいました。何かに怯える様子を示すナジェージダを不思議がるベロレツキーに対し、執事がこの村に古くから伝わるスタフ王の伝説を語ります。それによると、ナジェージダの遠い祖先が、この土地の支配者であったスタフ王に従わず、彼をだまし討ちにしたため、その呪いを受けた子孫たちが代々横死していること。この館でも小人の足音が聞こえたり、荒野にスタフ王の軍勢を見たものがいるということ。

ナジェージダの成人の祝いが開かれ、近隣から親族や客人がやってきます。伯父にあたるドゥボトフク(ロマン・フィリッポフ)は豪華な贈り物をして彼女の成人を祝うのでした。

しかし、その後、ベロレツキーに協力し、スタフ王について調べていた執事が死体となって見つかり、その後、ベロレツキーに執事の死の秘密をほのめかした人物も変死を遂げます。ついにはベロレツキー自身もスタフ王の軍勢を目撃します。ベロレツキーは村人を励まし、スタフ王の軍勢の正体を暴こうとするのでしたが……というお話。

本作を見ている最中、この映画は超常現象が起こりうる世界を舞台にしたゴシックホラーなのか、それとも伝説を利用した陰謀を描いたサスペンスなのか、というのが自分の中で定まらず、また、本筋とはそこまで関係のない執事の弟の小人(これが小人の足音の正体)とベロレツキーやナジェージダの何か妙に幻想的で感動的なシーンが挟まれたりすることもあって、見ていてとても疲れました。決して面白くない映画ではないんですが。

つまり、映画としては割合いびつな映画です。ホラー演出はあるものの、そこまで怖いわけではないし、なんだか唐突にハートウォーミングなシーンは出てくるし、スタフ王の軍勢の美術はなかなか手が込んでいて素敵だし……。ただ、いびつだから詰まらないかというとそんなことはなく、絶対に万人受けはしなそうですが、ハマる人はたぶんとことんハマる、そういういびつな魅力を持った映画です。たとえていうなら『エル・ゾンビ I 死霊騎士団の覚醒』(1971)とか、そんな感じ。全体の神秘的な雰囲気とか、そういうのは本作のほうが圧倒的に上ですが。

ドゥボトフクを演じたロマン・フィリッポフが、非常にフェルナンド・サンチョに似ており、彼が出てくるたびにサンチョを見ているような気分になりました。役どころも割りとサンチョ的でしたし……

ファン・ピケール・シモン(1983)『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』

Mil gritos tiene la noche
製作国:アメリカ
上映時間:85分
監督:ファン・ピケール・シモン
出演:イアン・セラ/リンダ・デイ・ジョージ/クリストファー・ジョージ/フランク・ブラナ

以前スペインに行ったときに「Spanish Exploitation -Sexo, Sangre y Balas」(スペインのエクスプロイテーション映画〜セックス、血、銃弾)という本を買ったのですが、その表紙を飾っていたのが本作でした。まさか日本でDVDは出ていないだろうと思ってスペイン版を買ったのですが、意外にも日本でDVD化されていたようです。

 少年時代、ヌード・パズルを母親に取り上げられ、逆上! 母親を斧でバラバラにしてしまった異常性格殺人者。少年であるがために、捜査線上から外され、ぬくぬくと育って40年、再び、平和な学園でその殺しの病が再発する。今度はチェーンソーで美女の肉体を切り刻み、気に入った“部品”で、究極の美女パズルを完成させようとするのだ。切断シーンは、非常にストレートで、潔ささえ感じてしまう。ある意味、元祖「悪魔のいけにえ」を超えているかも……。

allcinemaではアメリカ映画となっていますが、実際は西米合作映画です。上にも書いたように、日本版DVDもあるのですが、ぼくはスペイン版のDVDで視聴しました。当然スペイン語音声字幕無しなので、細かいところは理解できていません。まぁ、台詞が聞き取れなくともそこまで問題がある映画だとも思えません。

上にもあるように、少年時代のトラウマをそのまま抱えて大きくなってしまった男が、美少女たちを順番にどんどん殺してゆく映画、といったところです。スプラッターとしてはまぁまぁ面白いですが、本の表紙になるほどの記念碑的映画とも思えないんですが……。字幕があるとまた少しは違うんですかね(あんまり違わないと思う)。

スプラッタ、お色気、スプラッタ、お色気と分かりやすいくらいのエクスプロイテーション映画なのですが(あ、だから表紙になったのか)、最後の落ちはちょっとやりすぎなんじゃ…… あと中盤で突如出てくるカンフーの先生(呂小龍/ブルース・リ)が学校に潜入した女性警官(リンダ・デイ・ジョージ)を突如襲撃するシーンは割と意味不明で面白いです。

原題は「夜は千の絶叫を持っている」くらいの意味ですかね。アメリカのB級映画でよく見かけるクリストファー・ジョージや、マカロニウエスタンでもお馴染みのフランク・ブラナの姿が見られるのはファンには嬉しいところです。

ルパート・ジュリアン(1925)『オペラの怪人』

The Phantom of the Opera
製作国:アメリカ
上映時間:95分
監督:ルバート・ジュリアン
出演:ロン・チェイニー/メアリー・フィルビン/ノーマン・ケリー/ギブソン・ゴーランド

ガストン・ルルーの怪奇小説、『オペラ座の怪人』は何度も映画化されていますが、本作はその2回目の映画化(ちなみに1回目は『Das Phantom der Oper』(1916)というドイツ映画)。本作は原作をもっとも忠実に再現したとも言われています(とは言え、やはり改変されている点もそれなりにありますが……)

 “千の顔を持つ男”ロン・チェイニー主演によるゴシック・ロマンの傑作。幽霊が出ると噂されるオペラ座で、美しい少女クリスチーヌの身辺に奇妙な出来事が続出する。やがてクリスチーヌは、新作の主役に抜擢されるが……。

ヒロイン・クリスティーヌや恋人ラウルを演じたメアリー・フィルビンとノーマン・ケリーの演技にはそこまで特筆すべきところはないものの(ただ、怪人の醜い顔を見て驚くフィルビンの演技は印象的)、怪人を演じたロン・チェイニーのメイクと怪演によって、記憶に残る映画となったと言えるでしょう。

仮面舞踏会のシーンのみ、フィルムに彩色が施されていますが、その豪華絢爛なシーンには一見の価値があります。また、そのシーンでは怪人が真っ赤なマントを羽織り、骸骨の面を被って現れますが、その姿は非常に印象的です。

一方で、怪人の隠れ家の描写や、灼熱地獄、鏡の部屋やサソリとバッタのスイッチなどの描写は多少B級サスペンス的な感じ(必ずしも貶しているわけではないですが)。

クライマックスの馬車で逃走する怪人と、それを追いかける群衆の姿も迫力があり、怪人と群衆が交互に写される演出によって、緊迫感を高めています。

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