製作国:日本
上映時間:108分
監督:杉井ギサブロー
出演(声):小栗旬/忽那汐里/林家正蔵/柄本明
諸事情があり文化庁メディア芸術祭で受賞した作品を見ていくことにしたのですが、その1本目が本作。第16回のアニメーション部門で優秀賞を受賞した作品です。監督は『銀河鉄道の夜』(1985)でもネコのようなキャラクターで宮沢賢治の原作をアニメ化した杉井ギサブロー。
宮沢賢治の短編童話を、監督の杉井ギサブローをはじめ85年のアニメ「銀河鉄道の夜」のスタッフが再結集して映画化したファンタジー・アニメ。美しいイーハトーヴの森を舞台に、厳しい自然に翻弄されながらも、様々な出会いや経験を通じて成長していく主人公の姿を感動的に描き出す。声の出演は小栗旬、忽那汐里、佐々木蔵之介。
美しいイーハトーヴの森に暮らすブドリは、両親と妹ネリと幸せな日々を送っていた。しかし冷害による激しい飢饉が森を襲い、両親は家を出て行き、妹は“コトリ”という謎の男にさらわれてしまう。その後、てぐす工場や山師・赤ひげの農場で働き様々なことを学んでいくブドリ。やがてイーハトーヴの高名な学者クーボー博士と知り合い、彼の紹介で火山局に勤めることに。そこで局員としてたくましく成長していくブドリだったが、ある時、再び大きな冷害が襲ってくる。
同じ賢治の原作をアニメ化したものとして、『グスコーブドリの伝記』(1994)がありますが、どうやらこちらは登場人物は「人間」のようです。本作については同じ杉井監督の『銀河鉄道の夜』同様、ますむらひろしの漫画版をベースにしており、『銀河鉄道の夜』と同じくネコのようなキャラクターが登場人物として現れます。
まず、映像としては非常に美しい。山の緑の描写や、首都イーハトーヴの市街の様子なども非常に美しく描き込まれています。また、浅草十二階を模した建物内で、人形劇のような実写を取り込んだ面白い表現も見られました。
残念ながら宮沢賢治の童話のほうは未読のため、ストーリーの細かな比較はできませんが、概ね内容は忠実な映画化のようです。