Il colosso di Rodi
製作国:イタリア/スペイン/フランス
監督:セルジオ・レオーネ
出演:ロリー・カルホーン/レア・マッセリ/ジョルジュ・マルシャル/コンラード・サン・マルティン
本作は、『荒野の用心棒』(1964)、『夕陽のガンマン』(1965)などの作品で知られるマカロニウエスタンの代表的監督であるセルジオ・レオーネの初監督作です。日本でも劇場公開され、VHSも発売されていたのですが、長らくDVD化されていませんでした。今回HDリマスター版としてDVD化されたことにより、巨匠の初監督作に気軽に接することができるようになったことは非常に嬉しいことです。
ロード島に実在する巨像要塞をテーマにした歴史スペクタクル。レオーネの単独監督としてのデビュー作。戦斗シーンからラストの天変地異まで彼の監督としての確かなセンスをうかがい知ることのできる貴重な一本。
前284年に建てられたロード(ロドスとも)島の巨像と、前226年の地震によるその倒壊という史実を経糸に、島に休暇で訪れていたアテネの英雄ダリオ(ロリー・カルホーン)が、ロード島のセルセ王(ロベルト・カマルディエル)の重臣ティレオがフェニキアと組んで王位を簒奪しようとする陰謀に巻き込まれる、という物語を緯糸にストーリーが展開されていきます。実際には巨像は建てられてから倒壊まで50年以上の時間経過があるわけなのですが、本作では長く見積もっても1ヶ月程度ってところになっていますね。
ジャンルとしては当時イタリアで盛んに制作された史劇、いわゆるソード&サンダルものになるわけなのですが、ジャンルが合わなかったのか、後に西部劇で見られるような特徴的な演出はまだほとんど見られません。ただ、その中でも、巨像のギミックや、中盤の処刑場からの脱走シーンの音楽と演出など、面白いシーンも多く、全体としては水準以上の娯楽作に仕上がっています。クライマックスの地震のシーンも、これでもかというほどのスペクタクルシーンとして仕上がっており、なかなかの見せ場になっていました。
コンラード・サン・マルティン、ロベルト・カマルディエルなど、後のマカロニウエスタンでもたまに見かけることのできる俳優さんも出ており、そういった部分でも楽しめます。