今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

D:Antonio_Margheriti

アントニオ・マルゲリーティ(1985)『ジャングル・レイダース 黄金のレジェンド』

La leggenda del rubino malese
監督:アントニオ・マルゲリーティ(アンソニー・M・ドーソン)
出演:クリストファー・コネリー、マリナ・コスタ、リー・ヴァン・クリーフ、ルチアーノ・ピゴッツィ(アラン・コリンズ)

【あらすじ】

 舞台は第二次大戦少し前のマレーシア。ガイドのハワード(クリストファー・コネリー)、通称キャプテン・ヤンキーは、原住民の仲間と組んで、観光客の金持ちに詐欺まがいの冒険イベントを体験させ、金を稼いでいた。そんな彼の元に旧知のアメリカ政府関係者ウォーレン(リー・ヴァン・クリーフ)から、博物館長のマリア(マリナ・コスタ)が伝説のルビーを探しにやってくるので案内してほしい、というガイドの依頼が入る。渋るハワードだが、ウォーレンの脅迫まがいの依頼にしぶしぶ引き受けることに。

 マリアと同行者のランスキー教授(マイク・モンティ)、それに相棒のフィズ(ルチアーノ・ピゴッツィ)と一緒に島に渡ったハワードは、先住民の仲間たちとともにルビーが隠されているという火山の麓に向かうが、そこに、伝説を信じてルビーを守る狂信者たちや、火山の麓に埋蔵されている石油を抑えることを狙う地元実力者タイガーの邪魔が入る。何とかルビーを手に入れたハワードたちだったが、ランスキー教授が仲間たちを裏切り、ルビーを持ち逃げしてしまう……が、結局彼はすぐにタイガーに殺され、ルビーはタイガーの手に渡る。タイガー一味から逃げるハワードとマリア。火山の噴火にも助けられ、何とか2人は逃げ延び、別行動していたフィズと合流する。

 そして、タイガーの手下のブルドーザーを奪ったハワードは、タイガーが支配する石油プラントに突撃し、それを散々に破壊し、そこに囚われていた村の人々をも救出するのだった。一方、石油プラントから逃げ出したタイガーは、かねてから協力関係にあった密輸業者ダ・シルバのもとを訪れるものの仲間割れし、彼を殺してしまう。そこに追いついてきたハワードと対決し、ハワードはついにタイガーを倒すのだった。

【感想】

 海外版のDVDや日本版のVHSでもリー・ヴァン・クリーフがばーんとジャケットに描かれているし、マルゲリーティ監督作ではクリーフが主演の作品も何本かあるため、本作もクリーフがインディ・ジョーンズばりの活躍をするのかと思いきや、クリーフは特別出演的な立ち位置でほとんど出てきません。インディ・ジョーンズ的立ち位置の主人公を演じているのはクリストファー・コネリー。マカロニウエスタン関係でいうと『ジャンゴ/灼熱の戦場』(1987)では悪役を演じていた方です。

 それこそ『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)ばりの冒険シーンが唐突に始まったかと思ったら、それが全部お芝居だったというのが分かる導入シーンや、街中でさらわれそうになったマリアを、彼女とは気づかず助けるためのカーチェイスシーンなど、前半は意表をつく展開やなかなか見所のあるシーンが連続します。

 ハワード一行が島に渡ってからの後半部分は、まあ、何というか、普通のB級インディ・ジョーンズ フォロワー映画という印象。燃え盛る石油の海の上を、ターザンロープで飛び越えるなど、なかなか魅せるシーンもありますが。

 クライマックスは爆発につぐ爆発です。マルゲリーティ監督お得意のミニチュアワークだと思うのですが、安っぽい感じはせず、なかなか見ごたえのあるシーンに仕上がっていました。

 気が強く、初めは反発しつつもだんだんと惹かれあう、という、いわばお決まりの関係を演じたヒロイン、マリナ・コスタはなかなかチャーミングな女優さんだと思うのですが、IMDbによると本作を含めて2本の作品に出演したのみのようです(ちなみにもう1本はもう1本で、ありがちな核兵器後の世界ものっぽい)。

 La leggenda del rubino malese
(1985) on IMDb

アントニオ・マルゲリーティ(1978)『New Yorkスクイズ・ゲーム』

The Squeeze
製作国:アメリカ/イタリア/西ドイツ
上映時間:86分
監督:アントニオ・マルゲリーティ
出演:リー・ヴァン・クリーフ/エドワード・アルバート/カレン・ブラック/ライオネル・スタンダー

晩年のリー・ヴァン・クリーフは『真・西部ドラゴン伝』(1976)、『ワイルドトレイル』(1975)、『ジャングル・レイダース/黄金のレジェンド』(1983)など、何本かの作品でアントニオ・マルゲリーティ監督と組んで主演していますが、本作もそんな作品の1本。「宝石泥棒大逆転」というタイトルでVHSが販売されたこともあります。

錠前破りのプロ、グレチコ(リー・ヴァン・クリーフ)は引退してメキシコで牧場経営をして暮らしていました。そんな彼の元に昔の相棒の息子、ジェフ(エドワード・アルバート)がやって来ます。もう一度だけ錠前破りをしてほしいと頼むジェフに、始めは渋っていたグレチコでしたが、彼を仲間に引き込めないと自分は殺されてしまう、というジェフの懇願に負け、ニューヨークにやって来るのでした。

ニューヨークで昔の仲間であり、いまは質屋をやっているサム(ライオネル・スタンダー)と再会するグレチコ。彼からの情報でジェフのボスであるカール(ペーター・カルステン)を危険人物と睨んだグレチコは、ジェフを安全な場所に逃がします。そして、宝石泥棒の土壇場でカールの部下を返り討ちにし、ダイヤモンドを持って逃げ延びたものの、脚に銃弾を受けてしまいました。

隠れ家に逃げ延びたグレチコ。彼はひょんなことから隣の部屋に住んでいた少々おかしな女、クラリス(カレン・ブラック)に脚の傷の治療をしてもらうのでしたが……というお話。

相変わらずアントニオ・マルゲリーティ監督の娯楽作らしい、そこまで特筆すべきものもないが、だからといって詰まらないという訳でもない、まぁ、よく言えば安心して見ていられる映画の1本と言えます。それでも本作では中盤で貨物列車(ミニチュアですが)を爆発炎上させていたり、クライマックスのどんでん返しに継ぐどんでん返しなど、見どころはそこそこあります。というか、結構ジャンル映画の中に意外性を持ち込もうとしますね、この人は。特にクライマックスはなかなか驚きの展開ではあるのですが、一方で伏線があまり上手く張られていないため、唐突感もあります。

とりあえず、B級サスペンス映画が好きな人や、リー・ヴァン・クリーフを眺めていれば幸せ、という人には無条件でお勧めできる作品です。また、クリーフをはじめ、ライオネル・スタンダー、アンジェロ・インファンティ、ダン・ヴァン・フッセンといった、そこまで有名ではないものの、好きな人は知っているマカロニウエスタン俳優陣が顔を揃えているのも、ファンには嬉しい配役です。

アントニオ・マルゲリーティ(1996)『ポイント・オブ・デッド/復讐捜査線』

Cyberflic
製作国:アメリカ/イタリア
上映時間:90分
監督:アントニオ・マルゲリーティ(アンソニー・M・ドーソン)
出演:テレンス・ヒル/マーヴェラス・マーヴィン・ハグラー/ジェニファー・マルティネス/ジゼル・ブロンデ

イタリアが誇るB級何でも屋監督アントニオ・マルゲリーティの最後の監督作。彼は本作公開後、2002年に72歳で亡くなっています。主演を務めるのは、意外にも彼の映画に出演するのは本作が初めてだったテレンス・ヒル。

ニューヨークからマイアミに戻ってきた刑事のスキムズ(テレンス・ヒル)は、空港で相棒のマイク(マーヴェラス・マーヴィン・ハグラー)に迎えられますが、二人の乗った車がザンテック(アンディ・ホーン)から銃撃を受けます。カーチェイスの末、ザンテックを捕まえた2人。実は、スキムズは、ザンテックのボスであり新型爆弾を開発したアクセル(スティーヴン・エドワード)と、その一味を捕らえるという密命を帯びてマイアミに戻ってきていたのでした。

昔の同僚でもあり、今は未亡人のチェロ(ジゼル・ブロンデ)の娘リリー(ジェニファー・マルティネス)の誕生パーティに出席したスキムズとマイク。そこで、コンピュータに詳しいリリーに、同じくコンピュータ・マニアのスキムズは懐かれます。新型爆弾の解明にはコンピュータに詳しい助手が必要だと、リリーに秘密を明かして協力を求めるスキムズ。

アクセルが新型爆弾のデモンストレーションとしてビルを爆破した後、スキムズとマイクは爆弾倉庫を見つけ、突入します。2人はアクセルを追いつめるものの、倉庫は爆発、スキムズは爆発に巻き込まれて死んでしまったかと思われましたが…… リリーのコンピュータに遺しておいた自分のデータを使い、サイバーコップ(何か幽体離脱した存在みたいなの)として蘇るのでした……というお話。

前半はバディものの警察アクション、後半はSF風味強めの痛快アクションという、見方によっては一粒で二度美味しいですが、期待していたものと違って怒りそうな人もいそうな映画。ちなみに、日本で発売されたVHSには、単なるポリス・アクションっぽい説明しか載っていません。この売り方はひどい(笑 ちなみに、本作の脚本はブルーノ・コルブッチです。

全体のストーリーは上記のように少々変わったものなのですが、個々のエピソードや伏線の張り方、演出のテンポなどは非情によく、1時間半の上映時間をまったくだれさせないのは、さすがに大ベテラン。ある程度の制作費があれば、しっかりしたエンターテインメントを作る男マルゲリーティの面目躍如といったところ。

また、マルゲリーティ映画初主演となったテレンス・ヒルも、途中で死んだかと思いきや、サイバーお化けとして生き返るスキムズを軽妙に演じています。というか、アクションも出来て、こういったトリッキーなキャラクターを演じられて、更にはまぁ、ヒルだしこういうのもあるよね、と観客に思わせる点において、彼に勝るキャスティングはなさそう。競演のマーヴェラス・マーヴィン・ハグラーは、元世界ミドル級チャンピオンのボクサーだったようです。

本作は、AllcinemaやVHSのパッケージには米伊合作と書いてありますが、IMDbには仏伊合作映画と書いてあって、どちらが正しいんでしょうかね。

アントニオ・マルゲリーティ(1960)『SOS地球を救え』

Space Men
製作国:イタリア
上映時間:73分
監督:アンソニー・ドーソン(アントニオ・マルゲリーティ)
出演:リク・ヴァン・ヌッター/ガブリエラ・ファリノン/ダヴィド・ モントレゾール/アーチー・サヴェージ

1960年代から1980年代にかけて、西部劇から現代アクションから動物パニックからスパイものからSFまで、ほとんどあらゆるジャンルの作品を撮りまくった職人監督アントニオ・マルゲリーティの記念すべき初単独監督作品が本作です。主演は『Aventuras del Oeste』(1965)などの低予算マカロニウエスタンでもその名を見かけることのあるリク・ヴァン・ヌッター。

取材記事を書くため、宇宙ステーションに送られた記者レイ・ピーターソン(リク・ヴァン・ヌッター)。彼は到着早々、司令官であるジョージ(ダヴィド・ モントレゾール)の許可を得ず船外に出、隕石からナビゲーターのルーシー(ガブリエラ・ファリノン)をかばったものの、宇宙船に損害を与えてしまいます。対立するレイとジョージ。

その後、宇宙ステーションからロケットを発射し、火星を調査することになります。メンバーはジョージ、ルーシー、アーチー(アラン・ディジョン)、そしてパイロットのアル(アーチー・サヴェージ)でしたが、取材として同行したいレイは、最高司令官に根回しをし、同行を認めさせます。

当初、火星に向かっていたロケットでしたが、途中で急遽金星に目的地を変更します。実は、コントロールを失った人工衛星α2が地球に向かっており、このままだとα2の防御シールドの影響で、地球はただの溶岩の塊と貸してしまうのでした。そして、レイが乗り込んだロケットには、α2を破壊して地球滅亡を回避するという、重大な極秘任務が与えられていたのでした……というお話。

ものすごく面白い映画を撮るわけではないのですが、低予算で、黒地を出せるくらいにはそこそこ面白い映画を撮るのがこのアントニオ・マルゲリーティという監督なのですが、本作もまさにそういった感じの映画で、マルゲリーティはキャリアのはじめからマルゲリーティだったのだなぁ、という変な感慨に耽ることのできる映画です。

いやいや、その設定はどうなのよ、という部分もあります(例えば、冒頭レイがロケットから宇宙ステーションに移るシーン。宇宙服着て数百メートルくらいはありそうな宇宙空間をジャンプしなきゃいけないって、どうよそれ)が、宇宙を舞台にして、それぞれ癖のあるキャラクターがある目的のために奮闘する、という、面白いB級映画のセオリー通りのそれなりに面白い映画です。それにしても、SFだろうが西部劇だろうが戦争ものだろうが、イタリアの低予算映画は「癖のある少数の人間が、一致団結して大局を覆す」とまとめられる映画が多いですね……

記者であり青臭いレイと冷静な司令官のジョージの反目と和解、レイとルーシーの恋など、ベタではありますが、基本を押さえた展開であり、そういったところもマルゲリーティ監督らしい映画です。

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