未來警察 / FUTURE X-COPS
製作国:香港/台湾
上映時間:100分
監督:王晶
出演:劉徳華/徐熙媛/徐嬌/范冰冰
バリー・ウォンこと王晶が監督したハイクオリティのVFXが売りのSFアクション映画。というか、王晶というと90年代前半の『ゴッド・ギャンブラー II』(1990)とか、周星馳と組んだ『ロイヤル・トランプ』(1992)とか『ファイト・バック・トゥ・スクール3 秘密指令は氷の微笑』(1993)といった、良くも悪くもしょうもないコメディ映画のイメージが強いんで、どんな映画に仕上がっているのかと思って見てみたら、やっぱりところどころ王晶テイストの何とも言えない感じの映画に仕上がっていました。
「インファナル・アフェア」「マッスルモンク」のアンディ・ラウが、超人サイボーグ警官となり時空を超えて強大な悪と死闘を演じる奇想天外SFアクション。共演にバービー・スー、ファン・ビンビン、ルイス・ファン。監督は「ゴッド・ギャンブラー」シリーズのバリー・ウォン。
時は2080年。石油に代わる新エネルギーを開発したマー博士が、石油企業が送り込んだ暗殺団の襲撃に遭うが、警察官ジーハオの同僚で妻のメイリーが自らの命と引き替えにこれを阻止する。すると暗殺団は、政府が極秘に開発したタイムスリップ技術を盗み出し、少年時代の博士を暗殺するべく60年前の世界に飛ぶ。復讐に燃えるジーハオは、自らサイボーグとなることを志願し、12歳の博士を探し出すため、娘のチチとともに2020年へと向かうのだが…。
まず、VFXは売りというだけあってさすがに凄かったです。ただ、所々日本の特撮ヒーローっぽい感じもあったりして、予算が掛かってるところと手を抜いてるところとありそうな感じ。クライマックスの周志豪(劉徳華)と卡龍(樊少皇)の一騎打ちのシーンの背景の謎演出は何だったのでしょう、あれ。
一方でストーリーは周志豪が過去に戻った、という点は変わっているものの、2020年でのストーリー自体は香港映画で割とよくある軽めのポリス・アクションとあまり変わらないので、新味はあまりありません。何というか、VFXにやたら金をかけてちょっと変わったB級ポリス・アクションを撮った、という感じがします。
唐突に演出される2020年の署長である馬金祥(賀軍翔)と霍章淑儀(張儷)のロマンチックなプロポーズシーンとか、劉徳華の歌を使った楽屋落ちとか、周志豪の娘である淇淇のクライマックスでのあれとか、良くも悪くも王晶変わってないなぁ、感があるので、当時彼の映画を観ていた方は観てみてもいいかもしれません。多少洗練はされていますが、ね。
俳優陣は劉徳華は香港、徐熙媛は台湾、そして特別出演的に大陸の范冰冰が出ていたりと、中華圏総出演な感じで割と豪華。徐嬌は『ミラクル7号』(2008)で周星馳の「息子」役を演じていた少女ですね。確かその後周星馳の養女になったという話があったような……
ところで、日本版のDVDでは役名が中国語(普通話)発音を片仮名表記にしたものになってたんですが、音声は広東語。何でなんですかね。