今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

C:Hong_Kong

王晶(1992)『チャウ・シンチーの ロイヤル・トランプ2』

鹿鼎記II 神龍教/Royal Tramp 2
製作国:香港
上映時間:97分
監督:王晶
出演:周星馳/林青霞/邱淑貞/任世官

先日ご紹介した『ロイヤル・トランプ』(1992)の続編。と言うより、前後編のような扱いの作品であり、両方を見てはじめて内容がしっかり分かる構成になっているとも言えます。監督や主なキャストは前作同様ですが、前作で既に死んでいる呉孟達は当然登場しなかったり、術で姿を変えていた設定になっている龍児が張敏から林青霞(ブリジット・リン)に交代していたりと、多少の異動はあります。

 「少林サッカー」のチャウ・シンチー主演による、ワイヤー・アクションが盛りだくさんの時代劇ファンタジー。監督は「霊幻道士」などの香港映画界のヒットメーカー、バリー・ウォン。前作の大ヒットを受けて急きょ製作されたという本作は、原作のあった前作と違い、完全オリジナルストーリー。前回計略を阻まれた龍兒は、復讐の機会をうかがっていた。そんなときに皇帝が自分の妹を、平西王一族に嫁に出すと言い出して、相変わらずちゃらんぽらんな韋小寳を道中の護衛に付けるのだが…。

アホらしくも金と力のかかった演出(火薬とかワイヤーアクションとか)は前作同様しっかりとしたクオリティ。さらに物語が佳境に入ったことによって、ストーリーのスケールは大きくなっており、なかなか見応えがあります。一方で、やはりストーリー展開が飛ばし気味なのは致し方ないところか。

登場人物の性格など、原作小説とはだいぶ異なっている部分もあり、忠実な映画化とは言えないものの、周星馳演じる韋小宝はかなり当たり役という印象を受けます。

Royal Tramp II (1992) on IMDb

袁和平(1979)『燃えよデブゴン7』

林世榮/Magnificent Butcher
製作国:香港
上映時間:114分
監督:袁和平
出演:洪金寶/李海生/関徳興/馮克安/樊梅生

香港カンフー映画の武術指導といえばこの人、という感のある袁和平が洪金寶(サモ・ハン・キンポー)を主演に、黄飛鴻の弟子の一人である実在の人物、林世榮の事績を脚色して描いたのが本作です。林世榮を演じるのが洪金寶、彼の師である黄飛鴻には初代黄飛鴻役者である関徳興が扮しているのも、往年のファンには嬉しい見どころでしょう。

肉屋として働いている林世榮は黄飛鴻の高弟の一人として武術の修行にも励んでいました。ある日、弟である世光(蔣金)が妻の張月梅(唐晶)を連れて世榮を訪ねてきますが、そこを黃飛鴻の道場のライバルである五龍堂堂主・高霸天(李海生)の一人息子、大海(馮克安)に見つかり、好色な大海によって月梅は攫われてしまいます。

世榮は謎の武術の達人、福成(樊梅生)の助けもあって月梅の奪回に成功しますが、その際、霸天の養女である蘭心(陳琪琪)も誤って連れ出してしまいます。世榮の住処にたどり着いた大海は、彼の留守を襲って蘭心を襲おうとし、誤って彼女を殺害してしまいます。しかし、それを世榮の仕業に見せかけ、父である霸天に世榮を殺させようとするのでした……というお話。

『燃えよデブゴン7』と、デブゴンシリーズであるかのような邦題が付いていますが、例によって例のごとく、まったく関係ない洪金寶作品をあたかもシリーズもののように見せかけているだけです。ストーリーとしては、愚かなトリックスターである高大海の行動にすべての登場人物がひたすら振り回され続けている、という少々すっきりしない展開ながら、濡れ衣を着せられた世榮がその復讐を果たすシーンにはなかなかカタルシスがあります。その一方で、クライマックスの世榮と霸天の対決については、霸天が悪人であるようにはあまり描かれていないこともあって、やはり少々すっきりしない感じも。

一方の格闘のシーンは序盤の関徳興と李海生の貫禄の対決から、中盤の元彪と林正英の対決、クライマックスの洪金寶と李海生の対決と、さすがに見応えがあります。今のアクションを見慣れた目からすると、少々のんびりしている印象も受けますが、それだけに、「本物っぽい」見応えがあります。

 Lin Shi Rong
(1979) on IMDb

王晶(1992)『ロイヤル・トランプ』

鹿鼎記/Royal Tramp
製作国:香港
上映時間:106分
監督:王晶
出演:周星馳/張敏/邱淑貞/温兆倫/呉孟達

王晶(バリー・ウォン)は1990年代はじめに周星馳(チャウ・シンチー)を主演に据えて何本かコメディ映画を作っているのですが、本作もその1本。原題の「鹿鼎記」からもわかるように、本作は金庸の武侠小説の映画化なのですが、物語の大筋は原作通りながら、細かな部分ではかなり映画独自の脚色を入れ、雰囲気的には完全に別物になっています(このころの香港の金庸原作作品はこんなのばっかりです)。王晶の作風は周星馳をさらに泥臭く、下品に、くだらなくしたイメージであり(そのくせさらっと大作も撮ったりする)、本作も彼の特徴と、周星馳のキャラクターがぴったりと合った作品に仕上がっています。

 「少林サッカー」のチャウ・シンチー主演の時代劇ファンタジー。チャウ・シンチーとの名コンビであるン・マンタも出演している。監督は「霊幻道士」などの香港映画界のヒットメーカー、バリー・ウォン。香港では有名な物語を、ワイヤー・アクション満載で豪華絢爛かつばかばかしく映画化。宮廷にあるという宝を盗み出すために、宦官に化けて宮廷内にもぐりこんだ韋小寳。しかし予定外なことに、後宮の美女たちにもてたうえ出世までしてしまって…。彼の運の良さは、はたしていつまで続くのだろうか?

個人的には1980年代後半から90年代前半が香港ワイヤーアクションの全盛期だと考えているのですが、本作も序盤のオーバイ(徐錦江)の掲げられた旗の上を駆け抜けるアクションから始まり、さすがアクション監督を程小東が務めているだけのことはあるアクションシーンが続きます。それをアクションだけではなくギャグシーンでも使ってくるのは王晶監督らしいというか何というか。

おそらく観客は「鹿鼎記」の大筋を知っているだろうという前提のもとで物語が展開されている節もあり、まったく原作を知らない人が見ると、ところどころ唐突に感じられるストーリー展開もあるような気がしますが、まぁ、あの原作を上下2本の作品(後編は『チャウ・シンチーの ロイヤル・トランプ2』(1992))にまとめる以上、仕方のない面もある気はします。

本作では長年にわたり周星馳の女房役を務めていた呉孟達が白塗りの宦官役に扮してコミカルな演技を見せているところも見どころのひとつです。

 Lu ding ji
(1992) on IMDb

王晶/葉偉民(1995)『ミラクル・マスクマン/恋の大変身』

百變星君 / Sixty Million Dollar Man
製作国:香港
上映時間:90分
監督:王晶/葉偉民
出演:周星馳/梁詠琪/吳孟達/徐錦江/孫佳君

以前このブログでは『未来警察 Future X-cops』(2010)を紹介したこともある、香港でくだらないコメディを撮らせたら右に出るものがいない巨匠(?)バリー・ウォンこと王晶が、現在では世界的なコメディアン・映画製作者になった感のある周星馳(チャウ・シンチー)を主演にして製作した、やっぱりくだらないけどお腹を抱えて笑えるコメディ映画です。

なお、本作は日本では王晶の単独監督作品とされることもあり、媒体によっては王晶と葉偉民の共同監督とされることもありますが、映画のクレジット上は葉偉民の単独監督作品であり、王晶はプロデューサーとしてクレジットされています。

 ヤクザに殺された、金持ちのドラ息子シン。彼はマッド・サイエンティストの力によって、変身能力を持つ改造人間として甦った。だけど手術費用を値切ったたため、その能力には欠陥があって……。教師になったシンの活躍を描くコメディ映画。

なんというかもう、Allcinemaから解説を引用してくる意味もあんまりないかなぁ、と感じる今日この頃です。金持ちのドラ息子・李澤星(周星馳)はハワイの大学に留学中、お付きの阿達(ン・マンタ/吳孟達)と組んで好き放題をしていました。大学の医学教授である姜司(徐錦江)とその姪・蟲蟲(ジジ・リョン/梁詠琪)をもバカにしていた彼でしたが、日本ヤクザのボス・富田(鄭祖)の情婦・ボニー(孫佳君)に手を出してしまったことから、殺し屋マーク(チャールズ・シェン)に爆殺されてしまいます。

なんとか口と脳だけ生き残った李澤星は、姜司の改造手術によりサイボーグとして生まれ変わります。香港に戻った李澤星は高校教師となりますが、その高校は非常に荒れた問題校。生徒にもバカにされた李澤星は自殺を図りますが、そこに間一髪間に合った姜司は李澤星に最後のパーツを取り付けます。それによって、彼は家電とスーパーマーケットにあるのになら、なんでも変身できるスーパーサイボーグとして生まれ変わったのでした……! という、割と訳のわからないストーリーですが、実際に見ていてもこんな感じなので仕方ありません。

こういう限りなくしょーもないコメディ映画なのですが、それが王晶監督の手にかかると、真面目にしょーもなく作っているので、見ていてかなり面白い。周星馳の芸達者ぶりと、くだらない小ネタの連打で終始笑いっぱなしで見ていられました。

本作でヒロインを演じている梁詠琪は非常にスタイルがよく、モデル、歌手としても活躍していた人なのですが、本作の前半では厚底メガネに歯の矯正具というひどい格好で登場させられています(後半は可愛らしいシーンも多いですが)。『食神』(1996)、『少林サッカー』(2001)など、周星馳の監督作品ではきれいな女優がひどい格好で登場させられることも多いですが、これって王晶の影響もあるのかなぁ。

クライマックス、スーパーマーケットで最強のものに変身するんだ、という前振りのあと、李澤星がなぜかおばちゃんに変身するシーンがあります。あぁ、スーパーによく行く人で最強なのはおばちゃんだよね、という納得の仕方も可能ですが、実はちゃんと元ネタがあります。これ、当時香港で放映されていた、百佳というスーパーマーケットチェーンのCMに登場する、黃老太(黃おばあちゃん)というキャラクターが元ネタになっています。この香港人にしか分からないネタをクライマックスに入れてくるあたり、香港以外のマーケットをほとんど考えていなくていっそ清々しさがあります。

Youtubeでいくつか黃老太のCM動画を見つけたので、貼っておきますね。
經典廣告-百佳黃老太系列 - YouTube

周星馳/李力持(1999)『喜劇王』

喜劇之王 / King of Comedy
製作国:香港
上映時間:90分
監督:周星馳/李力持
出演:周星馳/張柏芝/莫文蔚/呉孟達

『少林サッカー』(2001)以降日本でもかなり有名になった周星馳(チャウ・シンチー)監督、主演による人情コメディ。共同監督の李力持(リー・リクチー)は『食神』(1999)や『少林サッカー』でも周星馳と共同で監督をしており、ファンにはおなじみの監督です。

 99年の香港映画の興行成績1位となったチャウ・シンチー監督・主演の恋愛活劇コメディ。演劇への思いは人一倍だが、理論ばかり先立ってエキストラにさえなれない役者ワン。それでもめげないワンは、管理人をしている公民館の横に手作りの舞台を作り、公演をすることに。近所をうろつく不良少年たちを誘ってみたが、誰も相手にしてくれない。そんな折、ぶっきらぼうで客をとれない女子高生パブのホステス、ピュウピュウが、演技を習いにワンの許へやってくる……。

『食神』あたりまでの周星馳映画と比べると、シリアスシーンというか、少々「泣かせにきている」シーンが多い印象があり、その辺が周星馳ファンからすると評価が分かれるところ。ただ、周星馳はこの後『ミラクル7号』(2008)など人情路線の映画も撮影するようになっており、本作もそうした路線の一作と言えるでしょう。

『食神』や『少林サッカー』で見られた美人女優いじりは本作では特になく、ヒロインの張柏芝(セシリア・チャン)もとても可愛らしい。まぁ、先の2作のせいで周星馳は女優をいじる、という印象がありますが、実際は別にそういうこともないんですが。『食神』ではその犠牲となった莫文蔚(カレン・モク)も本作では非常にかっこうよい役どころ。

笑い一辺倒ではないものの、きれいに起承転結がまとまっており、家族で見ても楽しめる安心な映画に仕上がっているといえます。

成龍(ジャッキー・チェン)が意外なところでカメオ出演しているのですが、これは同時期に撮影された成龍主演の『ゴージャス』(1999)に周星馳がカメオ出演しているので、そのお返し、という感じなんでしょうね。どちらが先なのかはわかりませんが。

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