Lepa sela lepo gore
製作国:ユーゴスラビア(セルビア)
上映時間:129分
監督:スルジャン・ドラゴエヴィッチ
出演:ドラガン・ビエログルリッチ/ニコラ・コヨ/ドラガン・マクシモヴィッチ
相も変わらず映画自体はそれなりに見ていたんですが、ブログの更新は怠っておりました。なんか、ちょっとブログにまとめることが自分にとって過負荷になってしまっていたもので。今後はのんびりしたペースで、紹介したい映画を紹介していく感じでやっていきたいと思います。
さて、久々にご紹介するのはセルビアの映画監督スルジャン・ドラゴエヴィッチの第1作。ユーゴスラビア紛争を、セルビア軍に入隊した青年ミラン(ドラガン・ビエログルリッチ)の目を通して描いた『ボスニア』です。ぼく自身、ユーゴスラビア紛争についてはあまり知識がないため、ちょっと不正確なのですが、おそらくユーゴ紛争の中でもボスニア紛争が舞台になっているものと思われます。
ユーゴスラビアの田舎町で幼馴染のセルビア人のミランとボスニャク人(ムスリム人)のハリル(ニコラ・ペヤコヴィッチ)は一緒に自動車整備工場をやりながら暮らしていました。ある日、紛争が勃発。ミランはセルビア側に、ハリルはボスニア側にそれぞれ入隊し、お互いに銃を向けあうことに。故郷の村に駐屯していたミランの舞台は、ボスニア側の迫撃砲にやられ、幼い頃巨人が棲んでいる……と言い伝えのあったトンネルの中へと逃げ込みますが、トンネルの出口はボスニア側に包囲されてしまいます。1日後、ブルジ(ゾラン・スヴィヤノヴィッチ)がトラックに乗ってやってきますが、そのトラックに忍び込んでいたアメリカのニュースキャスター、リサ(リサ・モンキュア)ごと包囲に巻き込まれてしまいます。何とか脱出しようと図るミランたちでしたが……というのが大まかなあらすじ。
映画は病院に収容されたミランの回想シーンとして進行していきます。回想の中にさらに回想があったり、ミランが所属している隊の仲間たちの入隊経緯がフラッシュバックのように挟まれたりと、時間軸を自由自在に編集しながら展開していきます。登場人物の顔を見分けるまでは少し混乱するものの、そこまでややこしくはない感じ。
ミランの仲間たちは籠城の中で一人、また一人と倒れて行くのですが、そのシーンで走馬灯のように彼らの過去の日常風景が映し出されるのですが、ベタな編集ながら非常に効果的。
クライマックスのシーンを含め、なぜ内戦が起きてしまったのか、ということが監督を含め、まだ答えを探して苦しんでいる様子が非常に出ています。本作では99年には内戦が終わって平和が戻ってきた……かのような描写があるものの、実際には主要な内戦自体は2000年まで続くことになります。