今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

1990s

スルジャン・ドラゴエヴィッチ(1996)『ボスニア』

Lepa sela lepo gore
製作国:ユーゴスラビア(セルビア)
上映時間:129分
監督:スルジャン・ドラゴエヴィッチ
出演:ドラガン・ビエログルリッチ/ニコラ・コヨ/ドラガン・マクシモヴィッチ

相も変わらず映画自体はそれなりに見ていたんですが、ブログの更新は怠っておりました。なんか、ちょっとブログにまとめることが自分にとって過負荷になってしまっていたもので。今後はのんびりしたペースで、紹介したい映画を紹介していく感じでやっていきたいと思います。

さて、久々にご紹介するのはセルビアの映画監督スルジャン・ドラゴエヴィッチの第1作。ユーゴスラビア紛争を、セルビア軍に入隊した青年ミラン(ドラガン・ビエログルリッチ)の目を通して描いた『ボスニア』です。ぼく自身、ユーゴスラビア紛争についてはあまり知識がないため、ちょっと不正確なのですが、おそらくユーゴ紛争の中でもボスニア紛争が舞台になっているものと思われます。

ユーゴスラビアの田舎町で幼馴染のセルビア人のミランとボスニャク人(ムスリム人)のハリル(ニコラ・ペヤコヴィッチ)は一緒に自動車整備工場をやりながら暮らしていました。ある日、紛争が勃発。ミランはセルビア側に、ハリルはボスニア側にそれぞれ入隊し、お互いに銃を向けあうことに。故郷の村に駐屯していたミランの舞台は、ボスニア側の迫撃砲にやられ、幼い頃巨人が棲んでいる……と言い伝えのあったトンネルの中へと逃げ込みますが、トンネルの出口はボスニア側に包囲されてしまいます。1日後、ブルジ(ゾラン・スヴィヤノヴィッチ)がトラックに乗ってやってきますが、そのトラックに忍び込んでいたアメリカのニュースキャスター、リサ(リサ・モンキュア)ごと包囲に巻き込まれてしまいます。何とか脱出しようと図るミランたちでしたが……というのが大まかなあらすじ。

映画は病院に収容されたミランの回想シーンとして進行していきます。回想の中にさらに回想があったり、ミランが所属している隊の仲間たちの入隊経緯がフラッシュバックのように挟まれたりと、時間軸を自由自在に編集しながら展開していきます。登場人物の顔を見分けるまでは少し混乱するものの、そこまでややこしくはない感じ。

ミランの仲間たちは籠城の中で一人、また一人と倒れて行くのですが、そのシーンで走馬灯のように彼らの過去の日常風景が映し出されるのですが、ベタな編集ながら非常に効果的。

クライマックスのシーンを含め、なぜ内戦が起きてしまったのか、ということが監督を含め、まだ答えを探して苦しんでいる様子が非常に出ています。本作では99年には内戦が終わって平和が戻ってきた……かのような描写があるものの、実際には主要な内戦自体は2000年まで続くことになります。


 Lepa sela lepo gore
(1996) on IMDb

王晶(1992)『チャウ・シンチーの ロイヤル・トランプ2』

鹿鼎記II 神龍教/Royal Tramp 2
製作国:香港
上映時間:97分
監督:王晶
出演:周星馳/林青霞/邱淑貞/任世官

先日ご紹介した『ロイヤル・トランプ』(1992)の続編。と言うより、前後編のような扱いの作品であり、両方を見てはじめて内容がしっかり分かる構成になっているとも言えます。監督や主なキャストは前作同様ですが、前作で既に死んでいる呉孟達は当然登場しなかったり、術で姿を変えていた設定になっている龍児が張敏から林青霞(ブリジット・リン)に交代していたりと、多少の異動はあります。

 「少林サッカー」のチャウ・シンチー主演による、ワイヤー・アクションが盛りだくさんの時代劇ファンタジー。監督は「霊幻道士」などの香港映画界のヒットメーカー、バリー・ウォン。前作の大ヒットを受けて急きょ製作されたという本作は、原作のあった前作と違い、完全オリジナルストーリー。前回計略を阻まれた龍兒は、復讐の機会をうかがっていた。そんなときに皇帝が自分の妹を、平西王一族に嫁に出すと言い出して、相変わらずちゃらんぽらんな韋小寳を道中の護衛に付けるのだが…。

アホらしくも金と力のかかった演出(火薬とかワイヤーアクションとか)は前作同様しっかりとしたクオリティ。さらに物語が佳境に入ったことによって、ストーリーのスケールは大きくなっており、なかなか見応えがあります。一方で、やはりストーリー展開が飛ばし気味なのは致し方ないところか。

登場人物の性格など、原作小説とはだいぶ異なっている部分もあり、忠実な映画化とは言えないものの、周星馳演じる韋小宝はかなり当たり役という印象を受けます。

Royal Tramp II (1992) on IMDb

王晶(1992)『ロイヤル・トランプ』

鹿鼎記/Royal Tramp
製作国:香港
上映時間:106分
監督:王晶
出演:周星馳/張敏/邱淑貞/温兆倫/呉孟達

王晶(バリー・ウォン)は1990年代はじめに周星馳(チャウ・シンチー)を主演に据えて何本かコメディ映画を作っているのですが、本作もその1本。原題の「鹿鼎記」からもわかるように、本作は金庸の武侠小説の映画化なのですが、物語の大筋は原作通りながら、細かな部分ではかなり映画独自の脚色を入れ、雰囲気的には完全に別物になっています(このころの香港の金庸原作作品はこんなのばっかりです)。王晶の作風は周星馳をさらに泥臭く、下品に、くだらなくしたイメージであり(そのくせさらっと大作も撮ったりする)、本作も彼の特徴と、周星馳のキャラクターがぴったりと合った作品に仕上がっています。

 「少林サッカー」のチャウ・シンチー主演の時代劇ファンタジー。チャウ・シンチーとの名コンビであるン・マンタも出演している。監督は「霊幻道士」などの香港映画界のヒットメーカー、バリー・ウォン。香港では有名な物語を、ワイヤー・アクション満載で豪華絢爛かつばかばかしく映画化。宮廷にあるという宝を盗み出すために、宦官に化けて宮廷内にもぐりこんだ韋小寳。しかし予定外なことに、後宮の美女たちにもてたうえ出世までしてしまって…。彼の運の良さは、はたしていつまで続くのだろうか?

個人的には1980年代後半から90年代前半が香港ワイヤーアクションの全盛期だと考えているのですが、本作も序盤のオーバイ(徐錦江)の掲げられた旗の上を駆け抜けるアクションから始まり、さすがアクション監督を程小東が務めているだけのことはあるアクションシーンが続きます。それをアクションだけではなくギャグシーンでも使ってくるのは王晶監督らしいというか何というか。

おそらく観客は「鹿鼎記」の大筋を知っているだろうという前提のもとで物語が展開されている節もあり、まったく原作を知らない人が見ると、ところどころ唐突に感じられるストーリー展開もあるような気がしますが、まぁ、あの原作を上下2本の作品(後編は『チャウ・シンチーの ロイヤル・トランプ2』(1992))にまとめる以上、仕方のない面もある気はします。

本作では長年にわたり周星馳の女房役を務めていた呉孟達が白塗りの宦官役に扮してコミカルな演技を見せているところも見どころのひとつです。

 Lu ding ji
(1992) on IMDb

テレンス・ヒル(1994)『Botte di Natale』

製作国:イタリア/ドイツ/アメリカ
上映時間:107分
監督:テレンス・ヒル
出演:テレンス・ヒル/バッド・スペンサー/ブーツ・サザーランド/ルース・バッツィ

風来坊/花と夕日とライフルと…』(1970)でバッド・スペンサーとコンビを組んでヒットを飛ばしたテレンス・ヒルが、自らメガホンを取って再びスペンサーとコンビを組んだ西部劇。製作年代的にマカロニウエスタンの範疇に入るのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、しっかりとしたマカロニウエスタン・テイストのコメディ・マカロニウエスタンです。

クリスマスの少し前、トラヴィス(テレンス・ヒル)は母親のモー(ルース・バッツィ)から手紙を受け取ります。それは、クリスマスのパーティのために、兄弟のモーゼス(バッド・スペンサー)と彼の家族と一緒に、彼女の元に戻ってくるようにとの内容でした。トラヴィスはバウンティ・ハンターをしているモーゼスの元に出向きますが、母親を嫌っている彼は帰ろうとしません。トラヴィスは一計を案じ、彼が追っているストーン(ブーツ・サザーランド)という無法者を二人で捕まえようと提案するのでした。

一方、モーゼスの家族には真相を明かし、彼らをモーの元に向かわせたトラヴィスは、モーゼスとともに町へ向かいますが、そこで動物病院を建設しようとしているブリジット(アン・カスプリク)とメリー(エヴァ・ハスマン)の姉妹をギャングから助けます。その後、ストーンを捕まえたり、彼に逃げられたり、保安官にはストーン一味と間違われて捕まったり、ブリジットの協力で逃げ出したりと紆余曲折ありつつ、結局モーの家でトラヴィス、モーゼスを始めとする家族と、ギャング一味の大乱闘。結局トラヴィスたちが勝ってめでたしめでたし、という、いつもの懐かしいヒル&スペンサー映画のノリです。

ストーリーの説明が少々投げやりなのは、今回イタリア語音声の字幕なしのバージョンを視聴したため、ぼくにもこれ以上の細かな内容がいまいち分かっていないからです。特に、トラヴィスがせっかく捕まえたストーンを何度も逃すのですが、その目的がいまいちよくわからない。ストーンとも何か共謀しているのかな。

90年代の映画なのに、ヒルとスペンサーが年相応に老けている以外は、本当に見事に70年代マカロニウエスタンのノリと空気感が再現されています。彼らのファンとしては、ヒルの顔を見たスペンサーが露骨に嫌な顔をしたり、ヒルの道具を使った軽妙な(と言っても全盛期から比べると緩慢ですが)アクションとスペンサーの脳天をぶん殴る重量級アクションシーンがあったり、ヒルがスプーンでチリコンカンを食べたりと、もうそれだけで嬉しくなってしまうシーンがいっぱいです。

テレンス・ヒルからのヒル&スペンサー映画ファンへのクリスマス・プレゼントのような作品ですね。逆に言えば、それ以上でもそれ以下でもない部分はありますが…… 2人のファンにとっては、本当に楽しんで見られる映画です。

 Botte di Natale
(1994) on IMDb

王晶/葉偉民(1995)『ミラクル・マスクマン/恋の大変身』

百變星君 / Sixty Million Dollar Man
製作国:香港
上映時間:90分
監督:王晶/葉偉民
出演:周星馳/梁詠琪/吳孟達/徐錦江/孫佳君

以前このブログでは『未来警察 Future X-cops』(2010)を紹介したこともある、香港でくだらないコメディを撮らせたら右に出るものがいない巨匠(?)バリー・ウォンこと王晶が、現在では世界的なコメディアン・映画製作者になった感のある周星馳(チャウ・シンチー)を主演にして製作した、やっぱりくだらないけどお腹を抱えて笑えるコメディ映画です。

なお、本作は日本では王晶の単独監督作品とされることもあり、媒体によっては王晶と葉偉民の共同監督とされることもありますが、映画のクレジット上は葉偉民の単独監督作品であり、王晶はプロデューサーとしてクレジットされています。

 ヤクザに殺された、金持ちのドラ息子シン。彼はマッド・サイエンティストの力によって、変身能力を持つ改造人間として甦った。だけど手術費用を値切ったたため、その能力には欠陥があって……。教師になったシンの活躍を描くコメディ映画。

なんというかもう、Allcinemaから解説を引用してくる意味もあんまりないかなぁ、と感じる今日この頃です。金持ちのドラ息子・李澤星(周星馳)はハワイの大学に留学中、お付きの阿達(ン・マンタ/吳孟達)と組んで好き放題をしていました。大学の医学教授である姜司(徐錦江)とその姪・蟲蟲(ジジ・リョン/梁詠琪)をもバカにしていた彼でしたが、日本ヤクザのボス・富田(鄭祖)の情婦・ボニー(孫佳君)に手を出してしまったことから、殺し屋マーク(チャールズ・シェン)に爆殺されてしまいます。

なんとか口と脳だけ生き残った李澤星は、姜司の改造手術によりサイボーグとして生まれ変わります。香港に戻った李澤星は高校教師となりますが、その高校は非常に荒れた問題校。生徒にもバカにされた李澤星は自殺を図りますが、そこに間一髪間に合った姜司は李澤星に最後のパーツを取り付けます。それによって、彼は家電とスーパーマーケットにあるのになら、なんでも変身できるスーパーサイボーグとして生まれ変わったのでした……! という、割と訳のわからないストーリーですが、実際に見ていてもこんな感じなので仕方ありません。

こういう限りなくしょーもないコメディ映画なのですが、それが王晶監督の手にかかると、真面目にしょーもなく作っているので、見ていてかなり面白い。周星馳の芸達者ぶりと、くだらない小ネタの連打で終始笑いっぱなしで見ていられました。

本作でヒロインを演じている梁詠琪は非常にスタイルがよく、モデル、歌手としても活躍していた人なのですが、本作の前半では厚底メガネに歯の矯正具というひどい格好で登場させられています(後半は可愛らしいシーンも多いですが)。『食神』(1996)、『少林サッカー』(2001)など、周星馳の監督作品ではきれいな女優がひどい格好で登場させられることも多いですが、これって王晶の影響もあるのかなぁ。

クライマックス、スーパーマーケットで最強のものに変身するんだ、という前振りのあと、李澤星がなぜかおばちゃんに変身するシーンがあります。あぁ、スーパーによく行く人で最強なのはおばちゃんだよね、という納得の仕方も可能ですが、実はちゃんと元ネタがあります。これ、当時香港で放映されていた、百佳というスーパーマーケットチェーンのCMに登場する、黃老太(黃おばあちゃん)というキャラクターが元ネタになっています。この香港人にしか分からないネタをクライマックスに入れてくるあたり、香港以外のマーケットをほとんど考えていなくていっそ清々しさがあります。

Youtubeでいくつか黃老太のCM動画を見つけたので、貼っておきますね。
經典廣告-百佳黃老太系列 - YouTube

記事検索
カテゴリ別アーカイブ
【PR】
このサイト経由でDVDを買ったりするとポイントが貯められる。
日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス
タグクラウド
月別アーカイブ
livedoor プロフィール
  • ライブドアブログ