Una ragione per vivere e una per morire
製作国: イタリア/フランス/西ドイツ/スペイン
監督: トニーノ・ヴァレリ
出演: ジェームズ・コバーン/バッド・スペンサー/テリー・サヴァラス/ラインハルト・コルデホフ
【あらすじ】
南北戦争中、食い詰め者のイーライ(バッド・スペンサー)は、盗みをしたところを北軍兵に見つかり、もう一人の男とともに逮捕され、護送される。もう一人の男こそ、南軍に砦を明け渡し、降伏したペンブローク(ジェームズ・コバーン)大佐だった。北軍の砦に着いたペンブロークはバラード少佐(ホセ・スアレス)に面会し、砦の奪回のために数人の男たちを貸して欲しいと頼む。そんなペンブロークに与えられたのは、イーライを始めとする6人の曲者揃いの死刑囚、それに、ペンブロークを護送する際、彼の十字架を盗んだブレンド(ラインハルト・コルデホフ)軍曹だった。
反抗的な男たちに対し、ペンブロークは砦の地下には50万ドルの黄金が埋めてある、という秘密を明かす。途中、食料調達に訪れた民家でマクアイバース(ガイ・メーレス)が殺されたり、仲間割れの危機を迎えたりと色々ありつつも、残った7人は砦のそばまでたどり着く。
南軍兵に成りすましたイーライが砦に入り、彼の手引きによってペンブロークたちは砦へと潜り込む。その際、ある南軍軍曹から、なぜペンブロークが砦を南軍のワード(テリー・サヴァラス)に明け渡したのかが語られる。ワードはペンブロークの息子を人質に取って開城を迫った。そしてペンブロークが降伏したにも関わらず、その息子を銃殺していたのである。
砦での銃撃戦によって南軍兵もペンブロークの仲間たちも一人また一人と死んでゆき、ついにはペンブローク、イーライ、ワード、そしてブレンド軍曹だけが生き残った。ワードに歩み寄るペンブロークだったが、金の話が嘘だと気付いたブレンドはペンブロークを殺そうとする。が、既のところでイーライがブレンドに機関銃を発砲。一方、ワードは「降伏兵は正当に処遇しなければならない」という規則を盾に降伏しようとするが、ペンブロークは息子の仇である彼を許すはずもなく、ワードはペンブロークによって刺し殺されるのだった。
【感想】
師匠筋にあたる(なにかとこう書かれてしまうのが、まずもってヴァレリの可哀想なところだとは思う)セルジオ・レオーネの『夕陽のギャングたち』(1971)にも出演したジェームズ・コバーンを主演に据えて、南北戦争を真正面から描こうとしたような、別にそんなこともなく、単なる復讐劇に南北戦争が絡んだだけ、といういつものマカロニウエスタンを作ろうとしたような、そんな作品。
面白くないわけではない(特にスペンサーが南軍の砦に忍び込んだあたりからはなかなかテンポ良く見せてくれる)のだけれど、いかんせんそれまでの段取りでもたついている感がなくもありません。上記のスペンサーが砦に忍び込む時点で映画の3/4は終わっているので、大半がなんというかもたついている印象があります。
『さすらいの一匹狼』(1966)や『怒りの荒野』(1967)、『復讐のダラス』(1969)みたいな割とシンプルなマカロニウエスタンは(粗はありつつも)上手にまとめて素晴らしい作品に作り上げるヴァレリですが、本作はちょっとテイストが合わなかったのかな、という印象もあり。
砦のロケに使われたセットは『盲目ガンマン』(1972)なんかでもちょこっと出てきた砦と同じものですかね。