今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

1920s

バスター・キートン/エドワード・F・クライン(1920)『キートンの隣同士』

Neighbors
製作国:アメリカ
上映時間:18分
監督:バスター・キートン/エドワード・F・クライン
出演:バスター・キートン/ヴァージニア・フォックス/ジョー・ロバーツ/ジョー・キートン/ジャック・ダッフィー

バスター・キートンとエドワード・F・クラインがコンビで制作した短編喜劇のひとつ。キートンの父親役で実際に彼の父親であるジョー・キートンが出演しているのも見どころのひとつ。ジョー・キートンは舞台を中心にコメディアンとして活躍していた人物です。

隣同士の家に住む少年(バスター・キートン)と少女(ヴァージニア・フォックス)はお互いに愛し合っていました。しかし、それを快く思わない少女の父親(ジョー・ロバーツ)は二人が会おうとするのを邪魔しようとします。少年はなんとかして父親を出し抜こうといろいろと工夫をするのですが……というお話。

ストーリー自体は他愛ないもので、見どころは3階建ての2軒の家の間をいろいろ工夫しながらアクロバティックな移動方法をするキートンや、キートンが工夫する小道具に振り回されるジョー・ロバーツをはじめとする面々の姿。バタバタバタバタするものの最終的には何だかんだでハッピーエンド、という幸せな小品です。

バスター・キートン/エドワード・F・クライン(1920)『キートンの囚人13号』

Convict 13
製作国:アメリカ
上映時間:20分
監督:バスター・キートン/エドワード・F・クライン
出演:バスター・キートン/シビル・シーリー/ジョー・ロバーツ

キートンのマイホーム』(1920)と同時期に制作されたものの、こちらは本邦劇場未公開のようである短編喜劇です。主演のバスター・キートン、ヒロイン役のシビル・シーリーという構成は『キートンのマイホーム』と同じ。『キートンのマイホーム』ではピアノ配達人役だった巨体の男ジョー・ロバーツは、本作では囚人のボスのような役どころで登場。ちなみに、キートンが絞首刑に掛けられそうになるシーンで登場する役人を演じているのが共同監督も務めているエドワード・F・クライン。

ゴルフを愛するものの腕前は今ひとつのキートン。その日もシーリーをはじめとする仲間とゴルフをしていたものの、壁に当たって跳ね返ってきた自分のボールで失神。折しもその時、監獄から脱走した囚人が気絶しているキートンを見つけ、自分の服をキートンに着せて逃げていきます。囚人と間違われて収監されるキートン。実はその日は囚人13号の絞首刑の日。囚人13号とは他ならぬキートンなのでした。

そこへ刑務所長の娘でもあるシーリーが登場、父親に間違いであると説明しようとしますが、父親は聞き入れません。結局シーリーの機転もあって絞首刑は翌日に延期となります。脱走するチャンスを伺い、看守を気絶させ、服を交換することに成功したキートン。しかしそのタイミングでロバーツを初めとする囚人が大暴動を起こしてしまい……というお話。

オチとしては『キートンの北極無宿』(1922)に割と近い落とし方。それを面白いと見るか、ずるいと見るかは観客次第なんですかね…… 別にあの落とし方にする必要もそこまで無かったような気もしないではないですが。ちなみにVHSでは「ゴルフ狂の夢 」というタイトルで発売されているようなのですが、これだとオチが丸わかりなんですよね……

本作でも池へのルパンダイブ(3回)をはじめ、キートンの体を張った喜劇が堪能できます。ところどころ『キートンの警官騒動』(1922)を思わせるようなシーンもありますね。

バスター・キートン/エドワード・F・クライン(1920)『キートンのマイホーム』

One Week
製作国:アメリカ
上映時間:25分
監督:バスター・キートン/エドワード・F・クライン
出演:バスター・キートン/シビル・シーリー/ジョー・ロバーツ

今回は予定だとD・W・グリフィスの『散り行く花』(1919)をご紹介するつもりだったのですが、ちょっと疲労がたまっていてヘビーな長編に体が耐えられなさそうだったので、代わりにバスター・キートンによる抱腹絶倒の短編喜劇をご紹介します。

 新婚のキートンは、新居建築を約束し求婚したため、低予算の組立住宅を購入。自力で組み立てようとするが、恋敵が建材の番号を3を8、1を4というように書き変えてしまい、妙ちきりんな多角形の家ができ上がってしまう。床は傾き、洗面台が外壁についた暮らしにくい家だが、とりあえず、新築祝いのパーティを開く。しかし、常軌を逸した家に客たちは大混乱。そのうち暴風雨が襲って家は回転しだし、哀れ遠くに吹き飛んでしまう。これを荷車で引いて元の場所に戻そうとしたキートンだが、線路で立ち往生して、突進してくる汽車に木っ端みじんにされてしまう。そのアナーキーな結末において永遠に記憶されるべき、キートン初期短編の傑作。

「文化生活一週間」という別タイトルのとおり、月曜日に結婚したバスター・キートンが、次の日曜日までに経験するドタバタが、日めくりカレンダーをめくるシーンを挟み込んで1日ごとに紹介される作りの映画です。

ストーリーとか見所はAllcinemaの解説にほぼ全部書かれているため、ぼくから付け加える内容は正直あまりありません。ただ、上の解説には事実誤認があり、家について哀れ遠くに吹き飛んでしまうとあるのは誤り。元々キートンは叔父から99番の土地を貰ったのですが、看板が上下逆さまになっていたために、間違って66番の土地に家を建ててしまっていました。それが土曜日に分かり、日曜日に一生懸命移動させようとした、というのが本当のところ。また、洗面台が外側についたとありますが、一応その後に壁を回転させているので洗面台は内側に移動してます。

キートンの体張りっぷりは相変わらずものすごく、見ていて腹を抱えて笑いながらもハラハラしてきます。本作ではキートンの他にも妻役のシビル・シーリーもなかなか体を張ったシーンがあり、その辺も見所のひとつ。

途中、シビル・シーリーの入浴シーンがあるのですが、彼女が浴槽の外に石鹸を落とし、それを取るためにあわやヌードが……というタイミングでどこからともなく手が出てきて、カメラのレンズを覆ってしまう……という展開もメタメタしくて愉快です。

フレッド・ニブロ(1920)『奇傑ゾロ』

The Mark of Zorro
製作国:アメリカ
上映時間:80分
監督:フレッド・ニブロ
出演:ダグラス・フェアバンクス/マーガレット・ド・ラ・モット/ロバート・マッキム

何度も映画化されているいわゆる「ゾロもの」の、恐らく最も早い映画作品が本作『奇傑ゾロ』です。主演のダグラス・フェアバンクスは本作や『ロビン・フッド』(1922)などの剣劇映画で人気を博した俳優です。IMDbによると、『ドンQ』(1925)という作品でもゾロを演じているようです。

 『地下鉄サム』等で知られるJ・マッカリーの『カピストラノの呪い』(邦題『快傑ゾロ』)をフェアバンクス自身が脚色、F・ニブロが監督にあたった痛快無比の冒険アクション。後のタイロン・パワーやアラン・ドロン主演のリメイクでもお馴染だろう。19世紀初頭、まだスペイン領だったカリフォルニアが舞台。ロスアンジェルス市長の息子ドン・ディエゴ・ヴェガがマドリッド選挙を終え、父母のもとに帰ると、父はラモン大尉の奸計に落ちて地位を奪われ、人々は知事アルヴァラードの執政におののいていた。父は我が子の軟派な伊達男ぶりに落胆するが、実は、やがてこの町を騒がす黒頭巾の義士、現われた場所に必ず“Z”の文字を剣で刻む“怪盗ゾロ”はドン・ディエゴその人だったのだ。当地の名門ドン・カルロス・プリート家に招かれた彼は、愛娘ロリータに恋するが、彼女は柔弱を装う青年に至極冷たい。その恋するはゾロ。それを知ってか余計、キザったらしく彼女の前で振舞うドン・ディエゴ(ここらは全くツボを心得た展開だ)。神出鬼没のゾロを捕まえようと躍起になるラモン一派はある夜、遂に彼をヴェガ邸に追い込むが、“自分の家”に帰っただけのゾロは、さっとディエゴに変身。今起きたばかりのような顔で出てきて、連中を煙に巻く。しかし、ロリータへの大尉の強引な求愛を見咎めたディエゴは、いよいよ達人ラモンの前で剣を抜き、その額に軽く傷つける。手をやったラモンの掌に写る“Z”の血文字……。後は説明なくともお分かりの大乱闘から大団円。歯切れよい演出に、何よりダグラスの素晴らしい肉体表現を満喫できる、溌剌たる大活劇だ。

正体を隠した義士ゾロ(ダグラス・フェアバンクス)が、悪辣な知事から民衆を救うという筋に、ゾロとロリータ(マーガレット・ド・ラ・モット)の恋というエッセンスを加えたストーリーは、いま観ると少々単純ではあります。また、ゾロの正体に気づかないロリータが、ディエゴを軟弱な青年と嫌う描写も、今の目で見るとよくある筋に見えます。

一方で、クライマックスの知事の軍隊とゾロによって演じられる活劇シーンはスピード感もあり、ユーモラスでもあり、今観ても十分楽しめる水準に仕上がっています。後に何度もリメイクされるのも納得の快作でした。

第84回アカデミー賞作品賞を受賞した『アーティスト』(2011)では、本作を思わせる映画に主人公が出演しているシーンがあります。本作のフッテージを流用しているのだろうと思っていたのですが、今回観てみてまったく同じシーンは見当たりませんでした。

クライマックス、ハンカチでキスを画面から隠そうとするゾロとロリータが、結局ハンカチが風でまくり上がってうまく行かない、というシーンはマカロニウエスタン『七匹のプロファイター』(1966)のショーン・フリンとイヴリン・スチュワートの、扉でキスを隠そうとするものの、ガラスが落っこちてしまい、うまく行かない、というシーンを連想しました。

ルイス・R・フォスター(1929)『Angora Love』

製作国:アメリカ
上映時間:21分
監督:ルイス・R・フォスター
出演:スタン・ローレル/オリヴァー・ハーディ/エドガー・ケネディ

1920年代から40年代にかけてアメリカで製作され、「極楽シリーズ」として日本でも紹介されているスタン・ローレルとオリヴァー・ハーディのコメディものがあるのですが、本作は日本未公開のローレルとハーディのコンビもの。

雑貨店から山羊のペネロペが逃げ出してしまいます。たまたま道を歩いていたスタン(スタン・ローレル)とオリー(オリヴァー・ハーディ)の2人は、何故かペネロペに気に入られてしまい、仕方なく泊まっているホテルに連れてくるのでしたが……という導入で始まる、ホテルの一室を舞台にしたドタバタ短編コメディ。

お恥ずかしながらこのローレルとハーディというコンビは今までまったく知りませんでした。先ほどご紹介した『E.T.と警官』(1979)の中でバッド・スペンサーがケリー・ギャフィに2人の映画について語るシーンがあり、調べてみたら思ったより古い映画で驚きました。『E.T.と警官』ではオリヴァー・ハーディが指で火を付けるネタを紹介しているのですが、本作にはそのシーンは出てきません。どの映画のシーンなんだろう…… 一方で、本作の冒頭でオリヴァー・ハーディが道を歩いていて唐突に深い水たまりに落ちるシーンは、『E.T.と警官』にも同様のシーンがあり、探して見るとローレル&ハーディもののパロディが多い映画なのかもしれません。

本作に話を戻すと、ホテルの一室を舞台にした短編のドタバタコメディであり、そこまで特筆すべきところはありませんが、2人の息のあった動きと、解決したと思ったら、山羊が部屋に子山羊を生んでいっていたことが分かるというオチがなかなか愉快な映画です。

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