今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

製作国:香港

徐克(1984)『皇帝密使』

最佳拍檔之女皇密令 / Aces Go Places III: Our Man from Bond Street
製作国:香港
上映時間:96分
監督:徐克
出演:許冠傑/麥嘉/張艾嘉/リチャード・キール

悪漢探偵』(1982)からはじまったシリーズの第三作。監督が曾志偉から今まではカメオ出演的にシリーズに出演していた徐克に変わり、ロケもパリでのロケを敢行。潜水艦や客船を使ったロケなど、かなり豪華になっています。

 「悪漢探偵」、「悪漢探偵2」に次ぐ“エーセス・ゴー・プレーセス”シリーズ第3弾。今回も「007」などの様々なパロディを散りばめ、女王陛下の盗まれた宝石をめぐって巻き起る大騒動をアクション満載で描く。「スパイ大作戦」のピーター・グレイヴスなどの出演もうれしい。「スペクターX」に続く。

日本公開時のタイトルは『皇帝密使』ですが、ここでいう「皇帝」はエリザベス英女王のことなので原題の「女皇密令」のほうが正確。「女帝密使」とか、そのへんになるんですかね。本作も第1作、第2作同様、はじめは対立(と言っても子供の喧嘩のような感じもしますが)していたキングコング(許冠傑)とアルバート(麥嘉)、そしてアルバートの妻となったホー刑事(張艾嘉)が協力し、奪われた宝石を取り返す、というもの。

そして今回もパロディ満載。本作での主なパロディ元は007シリーズ。タイトルの「女皇密令」からして意識しています。ショーン・コネリーのようなスパイは出てきますし、プロレスラーのサンダー杉山が『007/ゴールドフィンガー 』(1964)のハロルド坂田ばりの怪演で登場します。そして何と、『007/ムーンレイカー』(1979)などでジョーズを演じたリチャード・キールがジョーズそのもののような役柄で登場しています。

更には「スパイ大作戦」のピーター・グレイヴスがイギリス軍人役で登場。日本劇場公開版では「スパイ大作戦」のパロディ・シーンもあったようなのですが、香港公開版ではカットされています。どうやら、香港では「スパイ大作戦」はほとんど知名度がなかったようです。ちなみに、日本でVHSが発売された際にはインターナショナル版だったのですが、DVD化された際には香港公開版になっているようです。

曾志偉(1983)『悪漢探偵2』

最佳拍檔之大顯神通 / Aces Go Places II
製作国:香港
上映時間:101分
監督:曾志偉
出演:許冠傑/麥嘉/張艾嘉/徐克/倉田保昭

先日ご紹介した『悪漢探偵』(1982)の続編で、香港では前作に続く大ヒットを記録したのが本作です。82年、83年と香港での興行収入第一位を前作と本作で独占しました。監督は前作に引き続き曾志偉がつとめています。残念ながら日本では『悪漢探偵』がヒットしなかったため、本作は劇場公開されませんでした。まだ、香港映画といえばカンフー、という時代だったのでしょう。

 S・ホイ主演の「悪漢探偵」の続編。今回の敵はスーパーロボットを操る国際陰謀団。このロボット、身長3メートルほどなのだが、どうみてもガンダムそっくり! しかも、両足が2機のラジコンヘリに変型し、同じく飛行する胴体と合体するという念の入れよう。ロケットパンチは打ち出すワ、胸からミサイルは発射するワの大活躍。対するS・ホイも玩具のゾイドのような小型メカ軍団で応戦。クライマックスはビーム&ミサイル飛び交う大激戦。日本のアニメファンが見たら、喜びか怒りで卒倒してしまいそうな傑作シーンの連続となっている。シリーズは「皇帝密使」「スペクターX」に続く。

前作でも『ピンクの豹』(1963)や、『ゴッドファーザー』(1972)のマーロン・ブランドのパロディが見られましたが、本作は更にパロディ満載。『ダーティハリー 』(1971)から、『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(1966)的なキャラクターから、果ては日本のロボット合体アニメまで。前作よりも制作費もかかっているらしく、いたるところでメカは爆発し、車も爆発(前作よりもいい車!)、そしてバーも爆発、と凄いことになっています。

正直、コメディ部分の許冠傑と麥嘉の掛け合いは『悪漢探偵』に比べると少々切れ味が悪い気もしますし、冒頭からあまりにメカメカしい演出はどうなのよ、と思わないでもないのですが、この時代の香港映画はそんなことを深く気にさせない勢いがあります。

本作には日本から倉田保昭が出演しているのですが、彼がアクションを見せるシーンがほとんどなく、その点は少々残念。また、前作から引き続いて出演している徐克ですが、本作では自分をFBIだと思い込んだ誇大妄想狂を演じており、登場シーンもだいぶ増えています。

マカロニウエスタン・ファンとして興味深いのは、本作のマカロニウエスタンのパロディの仕方。まず、キャラクターの名前は「Filthy Harry(不潔なハリー)」と、明らかに『ダーティハリー』を意識したもの。そして登場シーンに流れる音楽は明らかに『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』。しかし、何故かファッションはイーストウッドのポンチョではなく、アンソニー・ステファンやジョージ・ヒルトンのような黒い帽子に黒いジャケットなんですよね。これは結構珍しい例だと思います。

曾志偉(1982)『悪漢探偵』

最佳拍檔 / Aces Go Places
製作国:香港
上映時間:94分
監督:曾志偉
出演:許冠傑/麥嘉/張艾嘉/石天

日本では『Mr.BOO!ミスター・ブー』(1976)を始めとするMr.BOOシリーズで有名な許冠傑が主演したアクション・コメディ。監督は『インファナル・アフェア』(2002)のサム役でも有名な曾志偉。監督もするし俳優もするマルチな人です。

本作はぼくは本当に大好きで、今までに何度見たか数えきれないほど。数年前に日本版DVDが出ましたが、ぼくが所持しているのは香港版のDVDで、これは広東語と北京語の音声に加え、日本語字幕まで入っているので重宝しています。

 怪盗スパイダーマンが組織の取り引き現場から奪ったダイヤをめぐって、NY帰りの刑事コージャック(コジャックに非ず)と香港警察の女刑事が捜査に乗り出す。アクション満載ギャグ満載、歌って踊っての痛快コメディで、主役トリオの妙は続く「悪漢探偵2」以下のシリーズでも存分に楽しめる。

Allcinema Onlineの解説では主人公はスパイダーマンとなっていますが、香港版ではキングコングという名前になっています。日本では許冠傑といえばMr.BOOというような印象が強いですが、ぼくは彼の代表作は本作だと思っています。Mr.BOOではまだ少し泥臭かったコメディが、本作ではからっとした洗練されたコメディになっているという印象。まぁ、洗練されたと言ってもそこは香港映画。こてこてなのは変わりません。

原題は「ベスト・パートナー」という意味なのですが、本作のスパイダーマン(許冠傑)とコージャック(麥嘉)(香港版字幕では「ハゲ刑事」)の凸凹コンビが本当に見ていて面白い。そこに男勝りのホー刑事(何東詩)(張艾嘉)のトリオが加わり、映画は進んでいきます。ちなみに、このハゲ刑事とホー刑事、彼らが恋人となり、結婚し、子供まで生まれ……というのがシリーズを通して展開してゆき、その辺りの小ネタも見所。

また、映画後半のバレエ公演に闖入するシーン。バレエの演出家を演じているのは、何とあの徐克。また、狂ったように大笑いするサムを演じている陳星も印象に残ります。

クライマックスの荒唐無稽なミニ四駆によるカーチェイスシーンまで含め、最後まで見所満載の、本当に面白い映画です。

許冠文(1978)『Mr.BOO!インベーダー作戦』

賣身契 / The Contract
製作国:香港
上映時間:97分
監督:許冠文
出演:許冠文/許冠傑/許冠英/鮑翠鈴

『Mr.BOO!ミスター・ブー』(1976)に続くMr.BOOシリーズの第二弾。と言っても内容には特に繋がりはありません。それもそのはず、もともと香港ではシリーズ物ではないものを、ホイ三兄弟主演という繋がりで日本で勝手にシリーズ化してしまったのが本作なのです。デブゴンシリーズといい、このころの香港映画の扱いは大抵こんなものです。本作も『Mr.BOO!ミスター・ブー』に引き続き長兄の許冠文が監督・主演、許冠傑が2枚目の役どころ。

 「Mr.BOO!」シリーズの第2弾。テレビ局の専属タレントのチーマンは、入社以来ロクな仕事がない。そんな中、彼に他社からの移籍の話が舞い込んできた。是非とも契約したい彼だが、今のテレビ局はなかなか契約破棄を認めてくれない。そこで発明狂の弟チーインと手を組んで契約書を盗み出す計画を立てるのだが……。この作品では、マイケル・ホイがもともとテレビのコメディアンだった経験を生かし、高視聴率獲得の為の理不尽な経営を痛烈に皮肉っている。ホイ三兄弟の見事なコンビネーションが笑えます。

前作でも香港の状況を皮肉って笑いをとっていたホイ三兄弟ですが、本作は当時のテレビ局の過当競争を皮肉っています。このあたりは解説にもあるように、長兄の許冠文がテレビに出演していたころの経験がかなり反映されているようです。一方でナンセンスなお笑いは少々控えめになっており、当時の香港の状況に詳しくない今の視聴者には少々退屈に感じられてしまう点でもありそうです。

売れないタレントである薛志文(許冠文)、彼の弟で聴覚障害者の発明家・薛志英(許冠英)、そしてシンガポールから香港に来たばかりの朱世傑(許冠傑)が巻き起こすテレビ局を舞台にしたドタバタも、スロースタートであるため、前半は少々退屈。しかし、薛志文がライバルテレビ局にスカウトされた辺りからだんだんとスピードが付いてきて、ラスト20分ほどのドタバタ、そしてラストの強烈な皮肉まで、一気に見させられました。

今のスピード感のある演出に慣れた目でみると、少々退屈な部分もあるのですが、香港映画を押さえる上では必見の映画ではあると言えます。

ちなみに、邦題の「インベーダー作戦」というのは全く映画の内容とは関係がなく、日本公開当時、インベーダーゲーム・ブームが巻き起こっていたので、それにあやかってつけた邦題だと思われます。何ともいい加減。

呉宇森(1986)『男たちの挽歌』

英雄本色
製作国:香港
上映時間:95分
監督:呉宇森
出演:狄龍/周潤發/張國榮/李子雄/朱寳意

先日ご紹介した『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(1987)同様、徐克率いる電影工作室(フィルム・ワークショップ)が制作し、香港のみならず台湾、そして日本でも大ヒットを記録したいわゆる「香港ノワール」の火付け役となった作品。『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』にも出演していた張國榮が、本作でも重要な役所として出演しています。監督は後にハリウッドに渡り、『M:I-2』(2000)などを監督することになる呉宇森。

 ブルース・リーかジャッキー・チェンしか語られる事のなかった香港映画に一条の光を差し、いわゆる“香港ノワール”の火付け役となった傑作アクション。本国公開時には大ヒットとなり、歴代興収記録を塗り替えた。偽札製造を行う組織の元幹部の兄ロンと、香港警察の刑事となった弟チャン。そして兄の親友であり兄弟分であるユンファ。物語は偽札製造組織の陰謀を軸としながら、彼ら3人の兄弟愛と友情を、ド肝抜くガン・アクションに託して見せる。それぞれの事情と背景を背負った登場人物も皆、鮮烈だが、やはり楊枝を咥え二挺拳銃を撃ちまくるユンファの姿がいい。

大仰な音楽、こてこての演出、そして男たちの反目と熱い友情。非常にベタな展開であり、意外性はほとんどないものの、やはりこういう映画を見ていると血が滾らずにはいられません。

本作では周潤發の二丁拳銃の格好よさがよく語られます(実際、狄龍演じる宋子豪の復讐のため、台湾に乗り込んで二丁拳銃をぶっ放しまくるシーンは、スローモーションの映像も相俟って非常にかっこいい。このシーンは、例えばタイのオキサイド・パン、ダニー・パン兄弟の映画『レイン』(2000)なんかでも、結構わかりやすくオマージュされています)が、ぼくとしてはスターとは言えない燻銀の俳優・狄龍の熱演を推したいところ。この映画は宋子豪と李馬克(周潤發)の関係性が非常に熱い映画なわけです。

ヒロインとして、宋子豪の弟で刑事である宋子杰(張國榮)の彼女・ジャッキー(朱寳意)は登場し、兄弟の間を取り持とうとする緩衝材としての役割は果たしているものの、やはり男と男の関係性を描いた非常に泥臭く、それでいてスタイリッシュな映画です。

しかし張國榮が若いなー(当たり前です)。ちなみに、呉宇森監督自身も台湾警察の呉署長役で出演しています。

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