今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

製作国:ロシア(ソビエト)

セルゲイ・ボドロフ/グカ・オマローワ(2010)『ヤクザガール 二代目は10歳』

ДОЧЬ ЯКУДЗЫ
製作国:ロシア
上映時間:82分
監督:セルゲイ・ボドロフ/グカ・オマローワ
出演:荒川ちか/ヴァディム・ドロフィエフ/セルゲイ・ガルマッシュ/六平直政

最近DVDが発売され、完全にタイトル買いで見てみた作品です。グカ・オマーロワ監督はあまり馴染みがありませんが、セルゲイ・ボロドフは『コーカサスの虜』(1996)などで日本でもそこそこ知られている監督だと思いますが……なぜこういう映画に携わっているのかは少々謎。

 「コーカサスの虜」「モンゴル」で知られるロシアの名匠セルゲイ・ボドロフ監督が、日本のヤクザをモチーフに描く異色の家族コメディ。主演は「戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH」の荒川ちか、共演に六平直政、新井浩文。山田組の組長は対立組織との抗争から最愛の孫娘ユリコを守るため、イタリア留学へと送り出す。ところが悪天候で飛行機はロシアに緊急着陸。やがて、海岸で倒れていたロシア人青年リョーハを助けたことをきっかけに、彼と行動を共にするユリコだったが…。

ということで、組長の孫娘・ユリコ(荒川ちか)とロシア人脱獄囚のリョーハ(ヴァディム・ドロフィエフ)の凸凹珍道中inロシアといった趣の映画です。ユリコとリョーハを追うのは山田組と対立する組の構成員・中田、そして中田に雇われた不味い日本料理店のロシア人シェフ、賄賂に弱く、リョーハの叔父でもある警察署長、などなど。更に山田組長がユリコに懸賞金を掛けたものだから更に事態は複雑に……という映画。

全編笑いどころ満載のファンタジック・コメディ。ファンタジーだと思って肩の力を抜いて見ればなかなか面白い映画です。ロシア人の不思議な日本観もちょっと窺い知れるのかもしれません。まぁ、どれだけわざとやっているのかは分かりませんが。

個人的に驚いたのがユリコを演じた荒川ちかのロシア語能力。発音は日本人的ながらも、しっかりとロシア語で演技をしています。クライマックスのリョーハ相手の少々長いセリフも、吹き替えなしでしっかりと演じていました。それだけに、一箇所だけ長台詞が吹き替えになってしまっていたのが、少々残念でした。ユリコの祖父を演じた六平直政はさすがの貫禄です。

あと、日本公開時のアオリで「やくざの二代目は小学生! タフでキュートで剣道初段!」という文句が付けられたようですが、小学生は初段取れないような……まぁ、ファンタジーですね(笑)

ズリフィカール・ムサコフ(1992)『UFO少年アブドラジャン』

ABDULLADZHAN, ILI POSVYASCHAYESTYA STIVENU SPILBERGU
製作国:ウズベキスタン
上映時間:88分
監督:ズリフィカール・ムサコフ
出演:ラジャブ・アダシェフ/シュフラト・カユモフ/トゥイチ・アリボフ/トゥチ・ユスポワ

1992年のウズベキスタン映画ですが、日本では2001年の12月に渋谷のユーロスペースで公開されました。レイトショーだったはずです。ぼくは当時確か高校生だったのですが、ユーロスペースではこの映画が上映される前、『不思議惑星キン・ザ・ザ』(1986)のリバイバルがレイトショーで掛かってたんですよ。ぼくはそれを見に行ったのですが、そのとき次回のプログラムとして本作が紹介されていたのを覚えています。当時から興味はあったのですが、やっと見ることができました。

 中央アジアの小国ウズベキスタンでつくられた一風変わったSF映画。ある日突然、片田舎の村にUFOが墜落、助けられた謎の少年が村人と暮らす中で様々な珍騒動が巻き起こるさまをユーモラスかつほのぼのとしたタッチで描く。ローテクの全開ぶりや、スピルバーグ監督へ向けて語られるという体裁といい、微妙なヘンさ加減がなんとも心地いい小品。
 ある日、ウズベキスタンのとある村で集会が開かれていた。モスクワからの電報を読み上げる議長。宇宙人を乗せた未確認飛行物体がこちらに向かっているとの内容に半信半疑の村人たち。そんなある日、初老の男バザルバイは奇妙な円盤が墜落する現場を目撃する。近づいてみると、そこには裸の少年が倒れていた。バザルバイは少年を助け出し、アブドラジャンと名付けて家へ連れ帰る。妻は少年を夫の隠し子と思い込むが、大きな包容力を発揮し面倒をみることに。やがて少年は次から次へと奇跡を起こして村人たちを喜ばすのだったが……。

個人的な思い出もあり、また同じ旧ソ連地域のSF映画ということもあって、どうしても『不思議惑星キン・ザ・ザ』と比べてしまいます。あの映画ほど不条理ではないですが、(おそらく)低予算ということもあり、非常に淡々と話しが進んでいくのは共通している感じ。

また、本作では村人たちはアブドラジャンの起こす奇跡に驚きながらも、比較的すぐに順応してゆきます。途中で村人たちは鍬に股がって飛べるようになるのですが、それで彼らがどこに行くかというと、市場。あくまで「ちょっと便利になった」程度に受け止めている、その受け止め方が素敵でした。

また、この映画は『E.T.』(1982)を見た村人のひとりが、村で起きた出来事をスティーヴン・スピルバーグに宛てて手紙を書く、という構成をとっており、しばしば手紙の書き手によるモノローグが入るのですが、それがどこかユーモラス。彼の筆でいろいろに評される村人たちですが、基本的には善人ばかりで、見ていて温かな気持ちになります。

また、アブドラジャンが乗ってくるUFOは明らかに逆さまになった鍋(しかもそれがスピルバーグへの手紙の中で言及されているというメタ的な構造)、しかもピアノ線がたまに見える……。『プラン9・フロム・アウター・スペース』(1959)でも円盤がピアノ線で吊り下げられていましたが、こちらは半ば確信犯的に行っており、映画自体にユーモラスな色合いを添えています。

ロマン・カチャーノフ(1970)『レター』

ПИСЬМО
製作国:ソ連
上映時間:10分
監督:ロマン・カチャーノフ

チェブラーシカ』(1969)のロマン・カチャーノフ監督による短編アニメーション。日本では『ミトン』(1967)、『ママ』(1972)と同時上映されました。

 日本でも「チェブラーシカ」が大ヒットしたロシアのアニメ作家ロマン・カチャーノフ監督が70年に製作したファンタジックな短編人形アニメ。戦地に赴いた父からの手紙が突然送られてこなくなり、手紙を楽しみにしていた少年と母親は不安を募らせ…。2003年、本邦初公開に際し、同監督の「ミトン」「ママ」と同時上映。

本作も人形の作りは『ママ』と同様。少年の造形が『ミトン』の愛らしさと異なり、そばかすがあったり少々リアルな感じ。

心配のあまりノイローゼ気味になってしまった母親を心配する少年の姿がファンタジックに描かれています。

ロマン・カチャーノフ(1972)『ママ』

МАМА
製作国:ソ連
上映時間:10分
監督:ロマン・カチャーノフ

チェブラーシカ』(1969)のロマン・カチャーノフ監督による短編アニメーション。日本では『ミトン』(1967)、『レター』(1970)と同時上映されました。

 日本でも「チェブラーシカ」が大ヒットしたロシアのアニメ作家ロマン・カチャーノフ監督が72年に製作した短編人形アニメ。モノに乏しく行列しないと商品が買えない当時の社会情勢を反映したシリアスな問題を背景に、母親の子どもに対する無上の愛情を表現。原作のセルゲイ・ミハルコフは、「黒い瞳」などで知られるロシアを代表する映画監督ニキータ・ミハルコフの父。2003年、本邦初公開に際し、カチャーノフ監督作「ミトン」「レター」と同時上映。

人形の作りが『ミトン』とは少々異なり、比べると少しリアルな雰囲気になっています。お母さんの顔色が青白く、ちょっと怖いです。

内容は買い物に出たお母さんが家で留守番している幼い息子を心配していろいろ悪い想像をしてしまう……というもの。始めは想像だということが明かされないため、見ているほうもハラハラします。可愛らしい短編です。

ロマン・カチャーノフ(1967)『ミトン』

ВАРЕЖКА
製作国:ソ連
上映時間:10分
監督:ロマン・カチャーノフ

チェブラーシカ』(1969)のロマン・カチャーノフ監督による短編アニメーション。『チェブラーシカ』の人気を受け、『レター』(1970)、『ママ』(1972)と共に日本でも劇場公開されたようです。

 「チェブラーシカ」のロマン・カチャーノフ監督によって67年に製作されたかわいい人形アニメーション。犬を飼いたい小さな子供とその母親の何気ないやりとりをファンタジックに描く。全編に渡ってセリフはないものの、感情の機微を繊細に表現。2003年、本邦初公開に際し、同監督の「レター」「ママ」と同時上映。
 犬を飼いたくて仕方ない小さな女の子アーニャ。彼女は、ほかの子供たちが飼い犬を散歩しながら雪の中で楽しそうに遊んでいる様子を、いつも家の窓からうらやましそうに見ていた。そんなある日、アーニャは友達から生まれたばかりの黒いライカ犬の子犬を譲り受ける。しかし、きれい好きの母親に飼うことを認めてもらえず、結局その子犬を手放すことに。しょんぼりと落ち込んだアーニャは、帰り道に赤い手袋を子犬に見立てて遊び始める。すると突然、その手袋が本当の子犬に生まれ変わるのだった。

『チェブラーシカ』とは異なり、本作および『レター』、『ママ』はパントマイムの形式で制作されています。原題のバレーシカは手袋の意味。アーニャが犬に見立てていた手袋のことですね。

『チェブラーシカ』ほどではないものの、本作にもロシアらしいというかカチャーノフ監督らしいペーソスが感じられます。しかし、本作ではそれを上回るアーニャと子犬の可愛らしさがあるので、誰でも楽しく見られます。言うなれば、ちょっと苦い薬を糖衣でくるんだような。

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