THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO
製作国:アメリカ
上映時間:158
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグ/ルーニー・マーラ/クリストファー・プラマー/ステラン・スカルスガルド
ニールス・アルデン・オプレヴ監督のスウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)を『セブン』(1995)、『ゲーム』(1997)のデヴィッド・フィンチャー監督がリメイクしたのが本作です。前作、『ソーシャル・ネットワーク』(2010)に引き続いての劇場鑑賞ですが、特にフィンチャーのファンという訳ではありません。まぁ、結構好きな監督ですが。
スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラー・ミステリー3部作の1作目『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を、2009年のスウェーデン版に続き今度は「セブン」「ソーシャル・ネットワーク」のデヴィッド・フィンチャー監督で再映画化した衝撃のミステリー・サスペンス。40年前の少女失踪事件の調査を依頼された社会派ジャーナリストの主人公が、社会のほとんど全てに敵意を向ける孤独な天才ハッカーのパンク少女と奇妙な協力関係を築き、次第に明らかとなる巨大財閥一族の忌まわしき秘密に迫るさまを、ハードなバイオレンス描写を織り交ぜスリリングに描き出す。主演は「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグ、注目のヒロイン、リスベット・サランデル役には大抜擢となる期待の若手ルーニー・マーラ。
スウェーデンの社会派雑誌『ミレニアム』を発行するジャーナリストのミカエルは、大物実業家の不正告発記事が原因の名誉毀損裁判で敗訴し窮地に陥っていた。そんな時、国内有数の企業グループの元会長ヘンリック・ヴァンゲルからある依頼が舞い込む。それは、40年前に彼が我が子のようにかわいがっていた一族の少女ハリエットが忽然と姿を消した迷宮入り事件の再調査というもの。やがて、調査が暗礁に乗り上げたミカエルは、ヘンリックの弁護士から社会性はないものの驚異的な情報収集能力を持つ小柄な女リサーチャー、リスベットを紹介される。実は、ミカエルがこの一件を任されるにあたり、信用に足る人物か、その身元調査を担当していたのが彼女だった。こうして、2人は手分けをしながら事件の真相を追っていくこととなるが…。
ぼくはスウェーデン版のほうは未見なので、どちらがどう……と言うことは言えないのですが、非常にフィンチャーらしい映画だと感じます。聖書からの引用による殺人というモチーフは、まるで『セブン』を彷彿とさせますし、後半の謎が解けていく快感はまるで『ゲーム』のよう。ミカエル(ダニエル・クエイグ)とリスベット(ルーニー・マーラー)という二人のキャラクターの動線が交わり、更に二人がそれぞれの手法で事件の真相に辿り着く様は非常にスリリング。
また、一連の事件の犯人については、観客にも相当な確率で目星が着く(登場人物の数がそもそも少ないため)のですが、そこからの更なるどんでん返しという展開は、(これは原作どおりのようですが)やはりフィンチャーの『ゲーム』を連想します。
これはスウェーデン版にあるシーンなのかは知らないのですが、クライマックス、犯人を追いつめたリスベットでしたが、結局自らの手ではとどめを刺せなかった点、エピローグでミカエルのために様々なことをするのですが、結局気付かれなかった点が印象にのこります。