製作国:日本
上映時間:31分
監督:池田富保
出演:河部五郎/大河内伝次郎/喜多次郎/尾上多見太郎
本日よりフィルムセンターではじまった、「日活映画の100年 日本映画の100年」という特集上映で観てきました。同じタイトルの映画は石田民三監督の31年、志波西果監督の35年、西原孝監督の38年、並木鏡太郎監督の53年、井沢雅彦監督の60年と、何度もリメイクされているようなのですが、恐らく本作がもっとも古い作品。
実際には『地雷火組 第一篇』(1927)、『地雷火組 第二篇』(1927)、『地雷火組 完結篇』(1928)と、3回に分けられて上映された連続活劇だったようなのですが、今回の上映では「チャンバラや乱闘場面を中心にした短縮版」(紹介文より)で、1本にまとめられています。
蛤午門の変において、城戸重蔵(喜多次郎)の裏切りによって敗れた長州藩。桂小五郎(河部五郎)と佐橋与四郎(大河内伝次郎)は城戸の命を狙いますが、彼らもまた、幕府や新撰組から命を付け狙われているのでした……というお話です。
27年という製作年からも想像できるように、白黒の無声映画です。アクション場面を中心とした短縮版ということで、非常にテンポよく物語が進んでいきます。また、巻が切り替わるごとにいちいちタイトルロゴが入るので、非常に慌ただしい感じも受けます。何と言うか、連続活劇があったころの映画はこんな感じだったのかなぁ、という感想を持ちました。
ストーリーはそこまで複雑ではありません。特に、今回はアクションを中心にした短縮版なので、枝葉の部分はばっさりとカットされているのかもしれません。本作の見所は当時のスターである河部五郎と大河内伝次郎の共演でしょう。役者の顔をたっぷりと見せるクローズアップや、美しい立ち回りも見所のひとつ。特に河部と大河内は甲乙付け難い迫力ある演技を見せてくれます。特にクライマックスの大河内伝次郎の新撰組相手の大立ち回りから、鐘撞堂での河部五郎との再会、そして自刃までのシークエンスは必見です。
この映画の情報ですが、IMDbには採録されているのに、Allcinema ONLINEやGoo映画なんかにはないってのはどういうことなんでしょ。