ДОЧЬ ЯКУДЗЫ
製作国:ロシア
上映時間:82分
監督:セルゲイ・ボドロフ/グカ・オマローワ
出演:荒川ちか/ヴァディム・ドロフィエフ/セルゲイ・ガルマッシュ/六平直政
最近DVDが発売され、完全にタイトル買いで見てみた作品です。グカ・オマーロワ監督はあまり馴染みがありませんが、セルゲイ・ボロドフは『コーカサスの虜』(1996)などで日本でもそこそこ知られている監督だと思いますが……なぜこういう映画に携わっているのかは少々謎。
「コーカサスの虜」「モンゴル」で知られるロシアの名匠セルゲイ・ボドロフ監督が、日本のヤクザをモチーフに描く異色の家族コメディ。主演は「戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH」の荒川ちか、共演に六平直政、新井浩文。山田組の組長は対立組織との抗争から最愛の孫娘ユリコを守るため、イタリア留学へと送り出す。ところが悪天候で飛行機はロシアに緊急着陸。やがて、海岸で倒れていたロシア人青年リョーハを助けたことをきっかけに、彼と行動を共にするユリコだったが…。
ということで、組長の孫娘・ユリコ(荒川ちか)とロシア人脱獄囚のリョーハ(ヴァディム・ドロフィエフ)の凸凹珍道中inロシアといった趣の映画です。ユリコとリョーハを追うのは山田組と対立する組の構成員・中田、そして中田に雇われた不味い日本料理店のロシア人シェフ、賄賂に弱く、リョーハの叔父でもある警察署長、などなど。更に山田組長がユリコに懸賞金を掛けたものだから更に事態は複雑に……という映画。
全編笑いどころ満載のファンタジック・コメディ。ファンタジーだと思って肩の力を抜いて見ればなかなか面白い映画です。ロシア人の不思議な日本観もちょっと窺い知れるのかもしれません。まぁ、どれだけわざとやっているのかは分かりませんが。
個人的に驚いたのがユリコを演じた荒川ちかのロシア語能力。発音は日本人的ながらも、しっかりとロシア語で演技をしています。クライマックスのリョーハ相手の少々長いセリフも、吹き替えなしでしっかりと演じていました。それだけに、一箇所だけ長台詞が吹き替えになってしまっていたのが、少々残念でした。ユリコの祖父を演じた六平直政はさすがの貫禄です。
あと、日本公開時のアオリで「やくざの二代目は小学生! タフでキュートで剣道初段!」という文句が付けられたようですが、小学生は初段取れないような……まぁ、ファンタジーですね(笑)