Die Marquise von Sade
製作国:西ドイツ/スイス
上映時間:75分
監督:ジェス・フランコ
出演:リナ・ロマイ/モニカ・スウィン/レイモンド・ハーディー
『マリア 尼僧の匂ひ』(1977)に引き続きジェス・フランコ監督作品をご紹介します。制作年的にはこちらのほうが1年古い作品です。『マリア 尼僧の匂ひ』のほうはウィリアム・バーガーのようなしっかりした俳優も出演しており、それなりの作品に仕上がっていましたが、こちらは正直少々辛い……
給仕のゼロス(レイモンド・ハーディー)と共に古城に引きこもる富豪のドリアナ(リナ・ロマイ)。彼女には色情狂として精神病院のオルロフ博士のもとに隔離されている双子の姉(リナ・ロマイ)がいました。そんな彼女のもとに、彼女の秘密を探るため、一人のジャーナリスト(モニカ・スウィン)がやって来ます。ドリアナは彼女に対し、ある秘密を語り始めるのでした……みたいな話です。
オスカー・ワイルドの小説、『ドリアン・グレイの肖像』に着想を得ているらしいのですが、いつまでたっても美貌が衰えないドリアナ、という部分以外にはそこまで共通点は見られない気がします。古城に引きこもる女性と、彼女に瓜二つであり、感覚共有をしている双子の姉、という基本軸に、ジェス・フランコ自身の作品である『吸血処女イレーナ・鮮血のエクスタシー』(1973)でも使われた、「他人の命を吸い取らなくては生きていけない呪われた女性」という要素をプラスし、作品に仕上げています。
こういうと、それなりに面白い作品にも聞こえますが、映画はというと、始終裸のリナ・ロマイ(リナ・ロメイとも)が暴れまわるだけ、というもの凄いもの。しかし、リナ・ロマイは当時はまだ若く、結構きれいですね。
ジェス・フランコ作品を見てみたい、というジェス・フランコ入門者の方には、あまりおすすめできない作品ではあります。