今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

監督:エンツォ・G・カステラッリ

エンツォ・G・カステラッリ(1997)『デザート・オブ・ファイアー』

Deserto di fuoco
製作国:イタリア/フランス/ドイツ
上映時間:113分
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:アントニー・ドロン/ジュリアーノ・ジェンマ/クラウディア・カルディナーレ/ステファーヌ・フレス

アラン・ドロンの息子であるアントニー・ドロンを主演に迎え、エンツォ・G・カステラッリ監督がメガホンを取ったアラブの砂漠とモナコを舞台にしたTV映画。もともとは270分の映画だったものを、日本では113分にまとめてDVDが発売されました。

鉱石会社の技師マルセル(フランコ・ネロ)は、アラブの砂漠で見つかった鉱石を調査するため、息子のルネを連れてヘリコプターで調査に向かったのですが、そのヘリコプターには細工がされており、砂漠で墜落。ルネ一人を残し、全員が死んでしまいます。

20数年後アラブの首長・タフー(ジュリアーノ・ジェンマ)に拾われたルネ(アントニー・ドロン)は王子として立派に成長していました。しかし、彼にはある悩みがありました。それは、妹であるアミナ(マンダラ・タイド)に恋をしてしまったこと。アミナもまた彼を愛していました。そんなルネに育ての母であるレイラ(クラウディア・カルディナーレ)は出生の秘密を告げます。それを聞いたルネは自分の正体を知るため、旅に出ることにします。

旅先で知り合った詐欺師ジャコ(ステファーヌ・フレス)と協力し、自らの母親がその鉱石会社の社長であるクリスティーヌ(ヴィルナ・リージ)であることを突き止め、親子の再会を果たす2人。しかし、時期社長の座を狙うフランソワ(マチュー・カリエール)は、ルネの命を狙います。そして、彼の父が見つけた鉱石の在り処を巡り、アラブをも巻き込んだ一大紛争が繰り広げられるのでした……というお話。

ストーリーも非常にまとまっており、あまり意外性はないものの楽しめる映画です。しかし、それ以上にマカロニ・ウエスタン・ファンならばこの映画を楽しめるはずです。まず、監督のエンツォ・G・カステラッリ。彼は『荒野のお尋ね者』(1966)、『ジョニー・ハムレット』(1968)、『ケオマ・ザ・リベンジャー』(1977)と、数多くのマカロニ・ウエスタンを送り出してきた名監督。そんな彼の演出でジュリアーノ・ジェンマとフランコ・ネロが共演しているのです(DVD版では直接同じ画面にいるシーンはありませんでしたが……)。そして、上には書いていませんが、ファビオ・テスティ。彼はクリスティーヌの忠実な秘書役で登場しています。彼についてはDVD版ではかなり登場シーンがカットされてしまっているようで、わずか3シーンほどの登場なのですが、ジェンマとの共演シーンもあります。更に更に、脚本の一人としてマカロニ・ウエスタンに出演していたり、脚本を書いていたりしたジョージ・イーストマンの名前もクレジットされています。そういった視点からも非常に楽しめる映画でした。

もちろん、マカロニ・ウエスタン陣だけではなく、ルネの友人になる詐欺師を演じたステファーヌ・フレスや、フランソワの愛人を演じていたアリエル・ドンバールも印象に残ります。全長版だと彼らの演技ももっと楽しめるわけで。全長版も見てみたい気がします。

エンツォ・G・カステラッリ(1973)『死神の骨をしゃぶれ』

LA POLIZIA INCRIMINA, LA LEGGE ASSOLVE
製作国:イタリア
上映時間:103分
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:フランコ・ネロ/ジェームズ・ホイットモア/デリア・ボッカルド/フェルナンド・レイ

エンツォ・G・カステラッリ監督がフランコ・ネロを主演に据えて監督した刑事もの。後に同監督が監督する『ローマ麻薬ルート大追跡』(1977)同様麻薬絡みの事件を追う警察を描いています。劇場公開時は、二番館以降では『超犯罪ハイクライム』と改題されたようですが、『死神の骨をしゃぶれ』のほうが素敵なタイトルだと思います。どっちにしろ意味はよくわかりませんが。

 マルセイユ=ジェノヴァ間の麻薬ルートを追って、主人公である刑事が捜査を開始した。一人の麻薬運び人を逮捕したのもつかの間、組織の手によって、証人は消されてしまう。そしてその魔手は、刑事の身辺にまでも及んでいくのだった……。麻薬組織の殲滅を図る刑事の活躍を描いたアクション。

巻頭のフランコ・ネロ演じるベルリ警部が麻薬の売人を追ってジェノヴァを走りまわり、そこからの数分に渡るカー・チェイス・シーンがまず凄い。とは言え、あまりに長いので少々弛れてしまう面もなくはないのですが……。そして、そこから売人を乗せた警察車両が同僚刑事や側にいた女の子もろとも爆破されるシーンは圧巻。本作は女子供でもかなり容赦無く死にます。

また、直情型で悪を憎む余り突っ走りがちなベルリ警部と、正義感は彼同様ながらあくまで慎重に事を運ぼうとするスカピーノ署長(ジェームズ・ホイットモア)のぶつかり合いも本作の見所のひとつ。ベルリとその恋人・ミレーラ(デリア・ボッカルド)、そしてベルリの前妻との間の娘・アニタ(ステファニア・ジロラミ・グッドウィン)の関係をカステラッリ監督にしては丁寧に描いているのも本作の特徴のひとつ。まぁ、これは完全に伏線ではありますが。

一方、台詞がかなりリフレインされたり、フラッシュバックで挟まれる映像がかなり多かったり、スカピーノ署長襲撃シーンに代表されるようにスローモーションが多用されていたりします。この辺りはかなり意欲的な編集だとは思うのですが、功を奏しているかというと、少々疑問。特にフラッシュバックはあまりに多用されているので、逆に冗長な印象を与えています。クライマックスくらいに絞ったほうが効果的だったんじゃないかなぁ、と。

フランコ・ネロが正義と家族の板挟みになる男を好演しています。正直、ネロにはそこまで細かな演技が上手い印象がなかったのですが、本作ではいい意味で印象をくつがえされました。また、マフィアの老ボスを『ガンマン大連合』(1970)のサントス教授役が印象深いフェルナンド・レイが演じています。

エンツォ・G・カステラッリ(1977)『ローマ麻薬ルート大追跡』

LA VIA DELLA DROGA
製作国:イタリア
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:ファビオ・テスティ/デヴィッド・ヘミングス/シェリー・ブキャナン/ウォルファンゴ・ソルダーティ

荒野のお尋ね者』(1966)など何作ものマカロニウエスタンを監督し、アクション描写に定評のあるエンツォ・G・カステラッリ監督によるマカロニ・アクションもの。主演は『荒野の処刑』(1975)などのマカロニウエスタンでも主演したファビオ・テスティ。

刑事であるファビオ(ファビオ・テスティ)はアメリカ人刑事マイク(デヴィッド・ヘミングス)と組んでコロンビア、香港、アムステルダム、ローマ、ニューヨークに股がる大規模な麻薬組織を追っていました。麻薬の売人に化け、香港からローマへ大量の麻薬を輸送するファビオ。空港で一旦捕まり、名前を売って組織に潜入します。

組織のボス・ジャンニ(ジョシュア・シンクレア)を唆し、警察署に保管されている大量の麻薬を強奪することを決意させたファビオは、仲間を引き連れて警察署に侵入しますが、手違いで警察側に死傷者が発生、更に盗んだ麻薬に追跡器を仕込んでいたことがジャンニにばれ、ファビオは警察と組織の双方から追われることになってしまうのでした。逃走しながらも麻薬ルートの解明と破壊を狙うファビオは、黒幕であるケミカル薬品の支社長を追跡するのですが……というお話。

冒頭、香港ロケをしたり、車やバイク、更にはセスナ機を破壊したりと、マカロニ・アクションものにしてはかなり金が掛かっている印象。一方で、アクションとチェイスシーンは非常に見応えがあるものの、ストーリーはそれに比べると少々落ちるかな、という印象です。

主演のファビオ・テスティは潜入捜査官を、ぼろぼろの服装と無精髭というチンピラ然としたスタイルで、なかなか器用に演じています。が、潜入捜査官というより、生粋のチンピラに見えるのはいいのか悪いのか(笑) 本作では非常に身軽なところを見せています。

難を言えば、ファビオが監獄(のようなところ)から脱走した際に一緒に付いてきた麻薬中毒の男・ジッロ(ウォルファンゴ・ソルダーティ)の扱いが(ストーリー的に)非常に雑なところ。結構重要な人物になるのかと思わせておいて、中盤、ファビオとまったく関係ないところで勝手に死んでしまいます。あと、ジッロに絡んでフラッシュバック的に現れる女性の映像は何なんでしょう。

と、ストーリーについては分かりづらいところはあるものの、クライマックスの製薬会社での銃撃戦からバイクチェイス、そしてセスナ機でのチェイスシーンは見所たっぷり。カステラッリお得意の、高低差を活かした銃撃シーンもあり、大満足の展開でした。

エンツォ・G・カステラッリ(1985)『ライト・ブラスト』

A COLPI DI LUCE/LIGHT BLAST
製作国:イタリア/アメリカ
上映時間:95分
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:エリック・エストラーダ/マイク・プリチャード/ペギー・ロウ/トーマス・ムーア

荒野のお尋ね者』(1966)などのマカロニウエスタンや、『死神の骨をしゃぶれ』(1973)などのマカロニ・アクションを監督したエンツォ・G・カステラッリによるハードボイルドなポリスアクション。主演のエリック・エストラーダはニューヨーク生まれの俳優で、本作のような警官役を得意としたようです。

 サンフランシスコを舞台に、人をも溶かす殺人光線を悪用する科学者とタフな刑事の戦いを描く、カーチェイスあり銃撃戦ありのマカロニB級アクション。TV放映でかなりの視聴率を稼いだのは「白バイ野郎/ジョン&パンチ」のエストラーダ人気とも思えないが……。

解説では「マカロニB級アクション」と紹介されてはいるものの、舞台はサンフランシスコ(実際にサンフランシスコでロケをしている模様)、主演俳優はアメリカ人アクション俳優のエリック・エストラーダということで、マカロニらしさは薄めです。

雨上がりの道でのスタイリッシュなカーチェイスや、サンフランシスコの坂道を上手く使った『ブリット』(1968)ばりのカーチェイスなど、全編に散りばめられたカーチェイスシーンはなかなか見ごたえがあります。また、一部のカステラッリ好きの間で定評のある、高低差を活かした銃撃戦シーンは本作でも健在。敵の股ぐら目がけてエストラーダのショットガンが火を噴きます。しかし、いくら高低差のあるショットが好きだからって、ミニスカートのお姉ちゃんを執拗にローアングルで追いかけるのはどうなんだ、しかも2シーンも(笑)

ニューヨーク1997』(1981)を連想させる電子楽器を多用した音楽もなかなか恰好良い。また、ユーリ・スボダ教授(トーマス・ムーア)が使う殺人光線銃で殺される人々の描写がなかなか秀逸。まるで飴細工のように皮膚や肉が溶けていくさまが、蝋細工のような、粘土細工のような特殊効果で描写されます。チープと言えばチープなのですが、最近ではなかなか見ることのできない、独特の映像となっています。

本作で悪役のスボダ教授を演じているトーマス・ムーアことエンニオ・ジローラミはカステラッリ監督の実兄で、彼の映画にはよく出演していますね。『荒野のお尋ね者』でも印象的な演技を見せていました。

E・G・ローランド(1966)『荒野のお尋ね者』

SETTE WINCHESTER PER UN MASSACRO
製作国:イタリア
上映時間:96分
監督:E・G・ローランド(エンツォ・G・カステラッリ)
出演:エド・バーンズ/ガイ・マディソン/トーマス・ムーア

これは……劇場で観たと分類してよいのだろうか。とあるマカロニ上映会に参加させて頂きまして、そこで観たものです。1966年製作、日本公開もされましたが、その際は大映が配給したため、日本語吹き替え版での公開でした。ぼくが今回観たのは、イタリア語版に有志が日本語字幕を付けた私家版になります。

主演は『黄金無頼』(1967)などでもお馴染みのエド・バーンズ。敵役には『五匹の用心棒』(1966)のガイ・マディソンが配役されています。マディソンの片腕だるチャマンゴ役のトーマス・ムーアの本名はエニオ・ジロラーミ、カステラッリ監督の兄弟だそうです。

南軍崩れの無法者・ブレイク大佐(ガイ・マディソン)の前に、ひとりの若者が現れる。彼の名はスチュワート(エド・バーンズ)。彼は、南軍の埋蔵金の在り処を知っていると告げ、見つけた宝の山分けを条件に、共闘することを持ちかける。スチュワートの腕を見込み、彼を仲間に加えるブレイク大佐。軍用金は三方を山に囲まれた村の奥にある、ネイティブ・アメリカンの墓地に隠されているという。村を突破するために、作戦を立てるブレイク大佐と部下たち、そしてスチュワートだったが、スチュワートには別の企みがあった……

というお話。比較的オーソドックスな筋書きのマカロニウエスタンです。水準以上の面白さを維持しており、なかなかおすすめです。本来は今年5月ごろ、日本でもDVD化される予定があったそうなのですが、諸般の事情でお蔵入りになってしまったそうです。やっぱり旧作の洋画はなかなかDVD化できないみたいですね。

ストーリーは概ねオーソドックスながら、クライマックスのミイラが転がる墓地での銃撃戦や、それぞれが得意技をもつ、ブレイク大佐を始めとする6人の個性あふれる敵役が物語を盛り上げます。原題は「虐殺のための7つのウィンチェスター」ですが、彼ら6人にスチュワートを加えた7人のことを指しているみたいですね。

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