今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

スイス

ジェス・フランコ(1976)『女体調教人ドリアナ・グレイ』

Die Marquise von Sade
製作国:西ドイツ/スイス
上映時間:75分
監督:ジェス・フランコ
出演:リナ・ロマイ/モニカ・スウィン/レイモンド・ハーディー

マリア 尼僧の匂ひ』(1977)に引き続きジェス・フランコ監督作品をご紹介します。制作年的にはこちらのほうが1年古い作品です。『マリア 尼僧の匂ひ』のほうはウィリアム・バーガーのようなしっかりした俳優も出演しており、それなりの作品に仕上がっていましたが、こちらは正直少々辛い……

給仕のゼロス(レイモンド・ハーディー)と共に古城に引きこもる富豪のドリアナ(リナ・ロマイ)。彼女には色情狂として精神病院のオルロフ博士のもとに隔離されている双子の姉(リナ・ロマイ)がいました。そんな彼女のもとに、彼女の秘密を探るため、一人のジャーナリスト(モニカ・スウィン)がやって来ます。ドリアナは彼女に対し、ある秘密を語り始めるのでした……みたいな話です。

オスカー・ワイルドの小説、『ドリアン・グレイの肖像』に着想を得ているらしいのですが、いつまでたっても美貌が衰えないドリアナ、という部分以外にはそこまで共通点は見られない気がします。古城に引きこもる女性と、彼女に瓜二つであり、感覚共有をしている双子の姉、という基本軸に、ジェス・フランコ自身の作品である『吸血処女イレーナ・鮮血のエクスタシー』(1973)でも使われた、「他人の命を吸い取らなくては生きていけない呪われた女性」という要素をプラスし、作品に仕上げています。

こういうと、それなりに面白い作品にも聞こえますが、映画はというと、始終裸のリナ・ロマイ(リナ・ロメイとも)が暴れまわるだけ、というもの凄いもの。しかし、リナ・ロマイは当時はまだ若く、結構きれいですね。

ジェス・フランコ作品を見てみたい、というジェス・フランコ入門者の方には、あまりおすすめできない作品ではあります。

ジェス・フランコ(1977)『マリア 尼僧の匂ひ』

Die Liebesbriefe einer portugiesischen Nonne
製作国:西ドイツ/スイス
上映時間:82分
監督:ジェス・フランコ
出演:スーザン・ヘミングウェイ/ウィリアム・バーガー/アナ・ザナティ/ハーバート・フックス

ユーロ・トラッシュの王ジェス・フランコ監督作品。ジェス・フランコに手を出したらそろそろおしまいかな(後戻り出来ない的な意味で)、という意識があり、なかなか手を出せなかったのですが遂に手を出してしまいました。

ポルトガルの片田舎の少女マリア(スーザン・ヘミングウェイ)は恋人のクリストバルと戯れているところをヴィンセント神父(ウィリアム・バーガー)に見られてしまい、半ば強制的に彼の修道院に入れられてしまいます。しかし、その修道院はヴィンセント神父とアルマ院長(アナ・ザナティ)に支配された悪魔崇拝者の巣窟でした。

ヴィンセントとアルマはマリアを悪魔崇拝者に仕立てあげようと様々な拷問を課しますが、隙を見て逃げ出したアルマは村長(ヴィター・メンデス)に助けを求めますが、神父派の市長の手で修道院に戻されてしまうのでした。マリアを危険人物と認識したヴィンセントとアルマは、彼女を悪魔憑きとして火あぶりに掛けようとするのですが……というお話。

面白いかというとまぁ、そこまで面白くはないのですが、詰まらないかというと、そんなこともない、なんとも言えない作品。これを詰まらないと感じない程度にはぼくがもっとダメな映画を見てしまっているのか、そもそも巷で言われるほどこの時期のジェス・フランコの作品がダメなわけではないのかはぼくにはもはや判断できませんが。

ただ、もっとソフトな感じの作品かと思っていたのですが、拷問シーンなどで少々グロテスクなシーンもありました。最近あまりそういった作品(たとえば『徳川女刑罰史』(1968)とか)を見ていなかったので少々辛かったです。

ストーリーはあってなきが如し(クライマックスの取って付けたようなハッピーエンドとか)なのですが、幻想的な映像はなかなか美しい。特に引きで風景を映すショットはなかなか好きです。

主演のスーザン・ヘミングウェイは可憐な美しさがあって、こういう薄幸の役にはなかなかハマっている印象。そして『西部悪人伝』(1970)など数々のマカロニウエスタンで名演を見せていたウィリアム・バーガーが本作では悪魔崇拝者のセクハラ神父を演じています。何やってるのあなた、という感じもするのですが、『十字架の長い列』(1969)でも聖職者を演じていたように、宗教家が似合うんですよね、彼。

修道院長役のアナ・ザナティはポルトガルの女優さんのようです。

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