Aguirre, der Zorn Gottes
製作国: 西ドイツ
監督: ヴェルナー・ヘルツォーク
出演: クラウス・キンスキー/デル・ネグロ/ペーター・ベルリング/ルイ・グエッラ

【あらすじ】

1560年末、南アメリカに進出したコンキスタドーレスの一人、ゴンサロ・ピサロ(アレハンドロ・レプエス)は幻のエル・ドラドを求めてアンデス山脈を越え、山中を彷徨っていた。前進は困難と見たピサロは、ドン・ペドロ・デ・ウルスラ(ルイ・グエッラ)率いる分遣隊に周囲の調査を命じ、本隊には引き上げの命令を出す。

ウルスラ率いる分遣隊は筏で河を下るが、途中渦に巻き込まれた筏が先住民の襲撃を受ける。ウルスラたちは対岸に退避するものの、河の増水で筏を流されてしまう。ウルスラは本隊に戻ることを決定するが、副官のアギーレ(クラウス・キンスキー)が叛逆を起こす。ウルスラを撃って負傷させた彼は、高位の貴族であるドン・フェルナンド・デ・グスマン(ペーター・ベルリング)をエル・ドラド皇帝に即位させる。宣教師カルバハル(デル・ネグロ)を裁判長に据えた法廷はウルスラに死刑を宣告するが、グスマンは減刑してエル・ドラド市民権の剥奪に止める。

筏を作りなおしたグスマン皇帝一行はさらに河を下る。先住民の襲撃を受けたり、人食いの村に辿り着いたりしながらもエル・ドラドを求めて河を下ってゆく。途中、グスマン皇帝は死に、それを契機として護送されていたウルスラも殺される。黄金と権力に取り憑かれたアギーレは「神の怒り」を自称してエル・ドラドを目指すが、ついには腹心のペルーチョ(ダニエル・アデス)もカルバハルも、さらには娘のフローレス(セシリア・リヴェーラ)も先住民の放った毒矢に倒れるのだった。アギーレはそれでもなお、諦めずに南アメリカ、メキシコ征服の野望を語りながら、筏と共に消えてゆくのだった。

【感想】

クラウス・キンスキーの代表作の一つ。ペルーのワイナ・ピチュで撮影された本作は、実際のアンデスの険峻な山並みをとらえたショットや、増水する河を筏で下っていくショットなど、過酷な撮影が窺い知れる場面の連続で、なんかほんとに物凄い映画です。過度な演出もなく、淡々とドキュメンタリー・タッチで描かれる物語の中で、やはりクラウス・キンスキーの存在感というか、一人で不穏な気配を出し続ける佇まいはさすが。

いわゆる文明人であるウルスラやグスマンたちが、ほとんど手付かずの自然や正体を表さない原住民たちに悩まされるうちに、次第に正気を失ってゆく様が丁寧に描かれています。キンスキー演じるアギーレについては、もともと比較的狂気に近い人物造形なのであれですが、皇帝就任以降だんだんと壊れてゆくグスマンの描写は興味深い。

本作では最後に矢に倒れる宣教師のカルバハルですが、実在の彼はアマゾン川を下りきり、生還している模様です。