Garringo
製作国: スペイン/イタリア
監督: ラファエル・ロメロ・マルチェント
出演: アンソニー・ステファン/ピーター・リー・ローレンス/ソルフィ・ステュービング/ホセ・ボダロ

【あらすじ】

北軍の将校に脱走兵だった父を殺された少年ジョニー(ピーター・リー・ローレンス)は、銃の名手クラウス(ホセ・ボダロ)に助けられ、彼の娘ジュリー(ソルフィ・ステュービング)と共に成長する。長じてクラウスの家を出たジョニーは、父の復讐のため、北軍の将校を襲って殺しては、殺した将校の階級章を剥ぎ取り、父の墓に供えていた。

軍もそれを座視しておくことはできず、営巣に入れられていた中尉ガリンゴ(アンソニー・ステファン)に、ジョニーを生け捕りにするよう命令を出す。ジョニーの手下たち(フランク・ブラーニャとか)を捕まえたり殺したりしながらジョニーを追うガリンゴ。

一方のジョニーは久々にクラウスの家に帰り、何も知らないクラウス、ジュリーたちから歓待を受けていた。そこへ、ジョニーの手下との戦いで傷を負ったガリンゴが運び込まれる。追っ手だと感づいたジョニーは家を離れる。ガリンゴは保安官となっていたクラウスに全ての事情を話すのだった。

クラウスはガリンゴと協力し、ジョニーを牢に入れることに成功するが、ジョニーが北軍の軍資金強奪を餌に仲間に引き込んでいた賞金首たちによって牢は襲われ、ジョニーはガリンゴを人質に逃亡する。ジョニーは仲間たちと共に北軍の馬車を襲い、軍資金を強奪するが、そこで仲間割れを起こす。その隙に逃げたガリンゴはジョニーを隠れ家に追い詰め、彼の両手に銃弾を打ち込むが、ジョニーは隠し通路を通って街へと逃げてしまう。

街にたどり着いたジョニーだったが、そこには生き残った彼の元手下が待ち構えており、無残にも撃ち殺されてしまう。一歩遅れて街にやってきたガリンゴは、ジョニーを殺した賞金首たちを街から一掃するのだった。

【感想】

アンソニー・ステファンが主演を務めたマカロニウエスタンの1本。敵役はピーター・リー・ローレンスということで、二大スター共演作品の感もあり、名バイプレイヤーのホセ・ボダロが脇を固めている、という布陣。ラファエル・ロメロ・マルチェントは1963年にマカロニ初期の傑作である『墓標には墓標を』を撮り上げた監督ですが、本作ではそのほのぼのとした持ち味に加え、マカロニウエスタン的なテイストをも盛り込むことに成功しています。ジョニーが少年から大人になる瞬間のカットなど、おっと思わせる演出も随所に見られます。

一方で、ストーリーについては、無駄に錯綜している感があったり、ジュリーがガリンゴにそこはかとない好感を持っていることを匂わせる伏線がありつつも、だから何ということもなかったり、ちょっとごちゃついている感があります。

大きな問題は3点。まず、ステファンの見せ場があまりない。まあ、これはステファン映画には割と共通した欠点なおで置いておいて。2点目はジョニーのキャラクター。まあ、単なる狂人と片付けることも可能ですが、基本それなりに魅力的な悪役キャラなんですが、何でクライマックスでいきなり「デスノート」の月みたいな醜態を晒しているのか、彼は。そういう、ある意味で子供じみたキャラクター造形なのかもしれませんが、キャラクターの魅力という意味では……。

3点目は2点目とも関わりますが、クライマックスでガリンゴが倒すのが、ジョニーを殺した賞金首という点。結果的におい続けてきたジョニーの敵討ちをする形になってしまっており、どうにも盛り上がりに欠けます。真っ正面から描ききれば悪役に主役が食われない版『ガンクレイジー』(1966)のような名作に化ける可能性も感じられるだけに、勿体ない感じはします。いや、でも、面白い作品ではあるんですよ。