จ้า ดื้อ สวย ดุ / Raging Phoenix
製作国:タイ
上映時間:112分
監督:ラーチェン・リムタラクーン
出演:ヤーニン・ウィサミタナン/カズ=パトリック・タン/Sompong Leartvimolkasame/Boonprasert Salangam

ジージャーことヤーニン・ウィサミタナンが『チョコレート・ファイター』(2008)に続いて主演したアクション映画。『チョコレート・ファイター』では主人公がチョコレートに執着している描写がありましたが、本作にはチョコレートは一切出てきません。『チョコレート・バトラー THE KICK』(2011)という映画にもジージャーは出演していることから、日本ではどうやら「チョコレート」がジージャーを指す言葉のようになっているようです。

 ムエタイとヒップホップを組み合わせた独特のマーシャルアーツを使いこなす少女とギャング団との対立を描く。主演は「チョコレート・ファイター」の“ジージャー”ことヤーニン・ウィサミタナン。監督は「マッハ!」のプラッチャヤー・ピングー。
 ドラマーのデューは、バンドの演奏中に彼氏の浮気現場を目撃、騒動を起こしバンドをクビになってしまう。ヤケ酒を飲んでいたデューは、女性を誘拐する軍団“ジャガー団”のターゲットとなるが、そんな彼女を助けてくれたのは“泥酔拳(メイライユット)”の担い手・サニムだった。サニムからメイライユットを学ぶデューは、囮りとなってジャガー団のアジトに乗り込もうとするのだが…。

Allcinemaには監督は「マッハ!」のプラッチャヤー・ピングーと書かれていますが、これは明らかに間違い。プラッチャヤー・ピンゲーオは本作にはプロデューサーとして関わっていますが、監督は上にもあるようにラーチェン・リムタラクーンが勤めています。彼は『チョコレート・ファイター』では編集担当を務めていました。

『チョコレート・ファイター』同様本作の一番の見所はジージャーのアクションにあるのですが、ジャガー団を潰すために集まったサニム(カズ=パトリック・タン)、ドッグ(Sompong Leartvimolkasame)、ブル(Boonprasert Salangam)といった面々のアクションやキャラクターもなかなか面白い。

「泥酔拳」というと、どうしても成龍主演の『ドランク・モンキー/酔拳』(1978)を連想しますが、特に関連性はありません。本作の「泥酔拳」も酔っ払ったようなふらふらした動きがキモなのですが、アクションとしてはムエタイにヒップホップやブレイクダンスの動きを取り入れたような動きで、新鮮で面白かったです。

完成度は『チョコレート・ファイター』と比べると少々落ちる(特にアクションはワイヤーも使っていると思われる)こともあってか、本作は大阪アジアン映画祭で上映されたのみで、日本では一般劇場公開はされなかったようです。タイミングの問題もあるかもしれません。また『チョコレート・ファイター』には阿部寛がかなり大きな役で出演していましたが、本作では最初のジャガー団に誘拐された女性たちを救う場面で、一人日本人と思われる女性(タケシタ・アイノ)が登場しています。こちらはほとんどストーリーには関わってこないのですけれどね。