Convict 13
製作国:アメリカ
上映時間:20分
監督:バスター・キートン/エドワード・F・クライン
出演:バスター・キートン/シビル・シーリー/ジョー・ロバーツ

キートンのマイホーム』(1920)と同時期に制作されたものの、こちらは本邦劇場未公開のようである短編喜劇です。主演のバスター・キートン、ヒロイン役のシビル・シーリーという構成は『キートンのマイホーム』と同じ。『キートンのマイホーム』ではピアノ配達人役だった巨体の男ジョー・ロバーツは、本作では囚人のボスのような役どころで登場。ちなみに、キートンが絞首刑に掛けられそうになるシーンで登場する役人を演じているのが共同監督も務めているエドワード・F・クライン。

ゴルフを愛するものの腕前は今ひとつのキートン。その日もシーリーをはじめとする仲間とゴルフをしていたものの、壁に当たって跳ね返ってきた自分のボールで失神。折しもその時、監獄から脱走した囚人が気絶しているキートンを見つけ、自分の服をキートンに着せて逃げていきます。囚人と間違われて収監されるキートン。実はその日は囚人13号の絞首刑の日。囚人13号とは他ならぬキートンなのでした。

そこへ刑務所長の娘でもあるシーリーが登場、父親に間違いであると説明しようとしますが、父親は聞き入れません。結局シーリーの機転もあって絞首刑は翌日に延期となります。脱走するチャンスを伺い、看守を気絶させ、服を交換することに成功したキートン。しかしそのタイミングでロバーツを初めとする囚人が大暴動を起こしてしまい……というお話。

オチとしては『キートンの北極無宿』(1922)に割と近い落とし方。それを面白いと見るか、ずるいと見るかは観客次第なんですかね…… 別にあの落とし方にする必要もそこまで無かったような気もしないではないですが。ちなみにVHSでは「ゴルフ狂の夢 」というタイトルで発売されているようなのですが、これだとオチが丸わかりなんですよね……

本作でも池へのルパンダイブ(3回)をはじめ、キートンの体を張った喜劇が堪能できます。ところどころ『キートンの警官騒動』(1922)を思わせるようなシーンもありますね。