製作国:日本
上映時間:86分
監督:山口和彦
出演:志穂美悦子/千葉真一/早川絵美/天津敏

山口和彦監督、鈴木則文脚本による空手映画。ジャパン・アクション・クラブ(JAC)出身の志穂美悦子が主演し、本格的な格闘シーンを演じた恐らく日本初の女性主人公による本格的空手映画です。

 シリーズ第一作。香港警察麻薬Gメンの兄(麻薬を打たれた宮内洋が例によって蒼白メイクで熱演!)を探して日本へやって来た李紅竜。やがて組織の手が彼女にも伸びて……。志穂美悦子が初主演した空手アクション映画。東映おなじみの悪役俳優の面々に加え、次々と襲い来るさまざまな刺客(「蒼心流武術 スピンゲル」「高砂流吹矢 鉄頭僧」「タイ式キックボクシング アマゾネス7」ほか)は登場時に名前がテロップで出るなど、ほとんどノリは変身ヒーローもの。山本昌平の死に様には度肝を抜かれること必至。

ブルース・リーのカンフー映画『燃えよドラゴン』(1973)の大ヒットをにも影響され、日本でも多くの空手映画が作られていますが、本作もそのなかの1本。JAC出身の志穂美悦子が本格的なアクションシーンをこなし、シリーズ全部で4作品が作られています。

ストーリーは割と雑ではあるのですが、映画として勢いがあり、敵役もそれぞれ特徴のある武術の使い手(イロモノとも言う)であり、対決シーンを見ているだけでもなかなか楽しい。難点を言えば敵役が概ねあまり強くなく、「主人公との宿命の決闘」的な対決シーンが殆ど見られないところですかね。強いて言えば山本昌平が少々手強かったですが。

本作では少林寺拳法が組織として協力しているようですが、この辺の東映との協力関係が翌年の鈴木則文監督による『少林寺拳法』(1975)に繋がってくるんですかね。キャストも千葉真一と志穂美悦子と共通してますし。あ、本作では白蓮拳の第1系が演武されてました。