製作国:日本
上映時間:83分
監督:中平康
出演:青木リカ/峰岸隆之介(峰岸徹)/浜かおる/大月ウルフ

第1作『混血児リカ』(1972)がそれなりに当たったのでしょう、それを受けて続編が2作品作られているのですが、本作はその第2作です。監督、脚本、音楽、撮影、主演などの主立ったメンバーは前作と同様。

妹分(野々深知)の手引きで鑑別所からまたも脱走したリカ(青木リカ)。彼女のもとに一人の女(村田美智子)が逃げ込んできます。花子(宗田政美)が東北の三沢でリカの助けを求めている……そこまで語った女は何者かに射殺されてしまいます。三沢に向かうリカの身の回りにも、暗殺者の影がちらつきます。

三沢にたどり着いたリカでしたが、三沢の町は東北丸の謎の沈没事件をめぐり、田中(高木均)率いる田中組と島村利三郎(殿山泰司)から跡目を継いだばかりの雪枝(浜かおる)率いる島村組が暗躍している真っ最中。花子が東北丸に乗っていたことを知ったリカは、キャバレーで働くトシ・カズミ(としかずみ)と協力して東北丸の謎を追ううちに、田中組や島村組、さらには警察の内通者にまで追われることになるのでした。そして窮地に追い込まれたリカを救ったのが謎の男・八郎(峰岸隆之介)。彼と協力して、リカは事件の真相を探るのでしたが……というお話。

前作の最後でほとんどの主要登場人物が死んでしまっているため、青木リカ以外の続投は野々深知と宗田政美程度。また、どちらも登場シーンはあまり多くありません。

前作と比べると、割とコミカルな作品が指向されているようで、特急で東北に向かうリカがひたすら弁当やお菓子や蜜柑なんかをこれでもかと食べ続けるシーンに、大仰な効果音とともに大写しにされまくる暗殺者の顔が繰り返し挟まれるシーンを筆頭に、おかしみを狙った演出が随所に見られます。

一方で、東北丸の船員が殺害されて生首だけになったりといったスプラッターな描写も健在。また、不良アメリカ人たちが島村組の組員たちや女たちを惨殺し、アルプス一万尺の口笛バージョンをBGMに死体を海に投げ込むシーンなど、コミカルを通り越してもはや異様な雰囲気になっているシーンもあります。

前作でも青木リカによる歌唱シーンはありましたが、本作ではその挟み込み方が前作に比べてさらに強引になっていたり、銃弾がベルトのバックルに当たって一命を取り留めたりと、何というかジャンル映画のパロディのようなシーンも見られます。

そんな感じで割と破綻しかかっている気もするのですが、作品のエンターテインメント性としては前作を凌いでおり、一見の価値はある作品と言えます。

ところで、本作でおそらく本人役的な役柄で登場しているとしかずみ。ネットで調べてみると歌手だということは分かったのですが、ほとんど情報が残っていません。一体どういう位置づけで出演しているんだろう……