The Other Guys
製作国:アメリカ
上映時間:110分
監督:アダム・マッケイ
出演:ウィル・フェレル/マーク・ウォールバーグ/スティーヴ・クーガン/エヴァ・メンデス

主にコメディを手がけ続けているアダム・マッケイ監督のポリス・コメディ。監督作が日本で劇場公開されたのって、意外にもこれが初めてなんですね。『俺たちニュースキャスター』(2004)など、ソフト化されている作品は何作かあるようです。主演はウィル・フェレルとマーク・ウォールバーグという少々地味ながら実力派のベテラン二人。

 「俺たちニュースキャスター」「俺たちフィギュアスケーター」のウィル・フェレルと「ディパーテッド」「ザ・ファイター」のマーク・ウォールバーグという異色の顔合わせで贈る痛快アクション・コメディ。安全志向でデスクワーク好きの引きこもり刑事と熱血漢の空回り刑事の凸凹コンビが、ひょんなことから金融業界に巣くう巨悪に立ち向かっていく姿をコミカルに描く。共演はサミュエル・L・ジャクソンとドウェイン・ジョンソン。監督は「俺たちニュースキャスター」「俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-」のアダム・マッケイ。
 ニューヨーク市警のハイスミスとダンソンはド派手な逮捕劇で人々の注目を集めるヒーロー刑事。一方、そんな彼らの活躍に焦りを隠せないのが熱血刑事のテリー。しかし、危険な現場に出たがらず書類仕事ばかりしている相棒アレンのせいで、いつまでたってもその他大勢(アザー・ガイズ)のまま。ところがある日、ハイスミスとダンソンがあっけなく殉職してしまう。そんな中、ついに重い腰を上げたアレンが取りかかったのはビル建設の申請に関わる不正事件。銃撃戦など期待できない地味な事件にまるでテンションの上がらないテリーだったが…。

オープニング、サミュエル・L・ジャクソンとドウェイン・ジョンソンがいかにもハリウッド・バディ・ムービーのイケイケコップを熱演。街を破壊しながら犯人を追いつめるものの、逃げ出した犯人を追って二人して地上20階のビルの屋上からダイブ。当然死にます。

のこされたのはテリー(マーク・ウォールバーグ)とアレン(ウィル・フェレル)をはじめとするいまいちパッとしない奴ら。ハイスミスとダンソンの死で空いたヒーロー刑事の座を巡ってのドタバタ争いが繰り広げられます……

この金融不況に悪徳ディーラーと巨大企業という分かりやすい悪役を持ってきており、また、テリーのバレエやハープ(近所のゲイをいじめるために覚えた)だとか、一見真面目なアレンのポン引きでヒモという意外な過去など、一歩間違えると悪趣味になりそうなネタをこれでもかと突っ込みながらギリギリのところでカラッと流せるレベルに落ち着けているバランス感覚は見事。ただ、これ、人によってはたぶん不快だと思います。

てっきり低予算のアイディア映画だと思っていたのですが、後半のNYPDから大企業に雇われた犯罪組織からチェチェン独立派からナイジェリア・マフィアまで絡めた一連のカーチェイスからヘリ撃墜から何やらのシーンはしっかりと作られており、そういった点も見所たっぷり。更に現代の資本主義への風刺も入れつつ……と、少々盛り込みすぎて散漫になっている印象はあるものの、なかなか面白いアクション・コメディです。