The Mercenaries
製作国:イギリス
上映時間:103分
監督:ジャック・カーディフ
出演:ロッド・テイラー/イヴェット・ミミュー/ジム・ブラウン/ペーター・カルステン

数々の映画で撮影監督としても活躍したジャック・カーディフの監督作品。この他にも長編劇映画では13本ほど監督しているようです。主演はオーストラリア出身の二枚目俳優ロッド・テイラー。

 アフリカの某国政府軍に、4人の戦争のプロが雇われた。任務は、反乱軍に襲われつつある町から住民を脱出させること。彼らは早速、現地へ飛ぶが、反乱軍も時を同じくして町へ襲いかかってきた……。傭兵の活躍を描いた冒険アクション。

上の解説にある4人の戦争のプロ、はおそらくアメリカ人傭兵カリー大尉(ロッド・テイラー)、ドイツ人のヘンライン大尉(ペーター・カルステン)、医師のドク・リード(ケネス・ムーア)、コンゴ人兵士のルーホー軍曹(ジム・ブラウン)だと思われます。ただ、ストーリー上明確に雇われ兵なのはカリーだけで、他の人々はもともと現地に駐在しているような描写もあります。

本作はジャック・カーディフ監督の代表作と推す人もいるようなのですが、ぼくには少々合わない部分もある映画でした。ヘンライン大尉はナチス支持者の悪役という設定なので共感できないキャラ設定なのはともかく、ドク、カリーともにいまいち感情移入できないキャラクターなのが、ぼくにとっては少々難点でした。

Allcinemaの解説では「反乱軍に襲われつつある町から住民を脱出させること」とありますが、実際の主眼はその街に置いてあるダイアモンドを無事に政府のもとに持ってゆくこと。そのため、避難民の脱出が遅れ、結局反乱軍に追いつかれ、避難民の半数以上は結局殺されてしまいます。この辺り、戦争プロの傭兵としては正しい判断なのでしょうが、どうにも後味がよくありません。

その他にも、自分が無理やり連れて行ったドクへの報酬を勝手に捨てたり、無理やり妊婦のもとに連れて行った上、手術に時間がかかるとなると彼を置いてゆくなど、どうにもカリーのキャラクターが……

ただ、ダイアモンドが反乱軍に奪われてからの展開はなかなか面白いです。ルーホー軍曹と協力し、カリーが敵中に潜入してゆく作戦などもなかなか見所です。この調子で全編やってくれれば、かなり面白い映画になったのですが……

というより、B級活劇タイプの筋書きの中に、植民地支配に対するメッセージを過剰に盛り込んでしまったため、少々バランスの悪い映画になってしまったように感じられました。はじめからメッセージ性の高い映画なのだと思っていていたら、また違う楽しみ方ができたのかもしれません。