製作国:イタリア
上映時間:95分
監督:オスワルド・チヴィラーニ
出演:ガブリエル・ティンティ/ガイ・マディソン/イングリッド・シェラー/ダニエル・ヴァルガス

日本では『荒野の掟』(1966)がTV放映されたこともあるらしいオスワルド・チヴィラーニ監督のマカロニ・ウエスタン。原題を直訳すると「ジャンゴの息子」。その名の通り父ジャンゴを殺された少年が成長し、父親の仇を探して旅に出るというお話。ジャンゴはほぼ間違いなく『続・荒野の用心棒』(1966)のジャンゴのことでしょう。チヴィラーニはその後『I due figli di Trinità』(1972)(トリニータの2人の息子)なんていう映画も撮っています。「息子もの」(そんなのあるのか?)が得意な監督なのでしょうか? ただ、『I due figli di Trinità』がフランコとチッチオ主演のコメディなのに対し、本作はしっかりとした真面目な西部劇です。

子供のころ、父親であるジャンゴを目の前で殺されたトレーシー(ガブリエル・ティンティ)。彼は成長し、一人前のガンマンとして父の仇を探す旅に出ます。途中、馬を盗まれたり牢屋に入れられたりしたものの、何とか仇が住む街にたどり着きました……のだと思います。

仇は街を牛耳る大物クレイ・ファーガソン(ダニエル・ヴァルガス)。クレイは農場の所有権を巡り(?)、グレイソン夫妻(ジョルジョ・ディオニシーオ、イングリッド・シェラー)やトンプソン(ペドロ・サンチェス)と争っていました……たぶん。トレーシーは彼らの争いに巻き込まれながらも、フレミング神父(ガイ・マディソン)の協力を得て父の死の真相に迫るのでした……というお話……なんだと思います、たぶん。

ストーリー解説がやたらと曖昧なのは、本作は日本版DVDが出ていないため、イタリア語音声字幕なし、というイタリア版DVDで視聴したためです。また、本作のストーリーはネット上にも日本語の情報はほとんどないため、英語サイトで確認した内容と、本編を見てぼくが理解した内容を合わせて上のあらすじを書いています。おそらくそんなには違っていないはず。

てっきりジャンゴ人気に便乗しただけの作品だろうと思っていたのですが、なかなかどうして。しっかりとした作りのマカロニ・ウエスタンでした。おそらく制作資金も結構かけられているはず。巻き込まれ型のストーリーもなかなかおもしろく、字幕がなくても飽きずに集中して見ていられます。また、クライマックスの20分続く銃撃戦は爽快感抜群。

主演のガブリエル・ティンティは西部劇にはほとんど出ていないようですが、『黄金の七人』(1965)などにも出演しています。また、ガイ・マディソンは『荒野のお尋ね者』(1966)なんかで有名ですね。