Armed Response
製作国:アメリカ
上映時間:87分
監督:フレッド・オーレン・レイ
出演:デヴィッド・キャラダイン/リー・ヴァン・クリーフ/マコ岩松/ロイス・ハミルトン/マイケル・ベリーマン

アメリカB級、いやE級映画界の帝王のひとりとも言えるフレッド・オーレン・レイが監督したアクション映画。リー・ヴァン・クリーフが出演しているということで見ることにしたのですが、映画冒頭、フレッド・オーレン・レイ・フィルムとクレジットが出た瞬間覚悟を決めました。しかし、見てみると意外にもなかなか面白い。それもそのはず、本作はフレッド・オーレン・レイの映画では破格とも言える150万ドルという予算(それでも低予算)で製作されたそうです。

警官を引退したバート・ロス(リー・ヴァン・クリーフ)には3人の息子がいました。長男はベトナム戦争帰りでバーを経営しているジム(デヴィッド・キャラダイン)、次男は私立探偵のクレイ(デヴィッド・ゴス)そして三男のトミー(ブレント・ハフ)。彼ら4人とジムの妻サラ(ロイス・ハミルトン)と娘のローレンが彼のバーにいるところにクレイの相棒コーリ(ロス・ハーゲン)がやってきます。なんでも日系ヤクザのタナカ(マコ岩松)が仕事を依頼したいというのでした。

タナカの事務所に行ったコーリとクレイは、仏像と現金の交換のための使者の仕事を頼まれます。現金を持って指定の場所に行った二人でしたが、そこでコーリが裏切り、金を持って逃走します。深手を負いながらも仏像を手に入れたクレイは、兄弟と父の元に向かいますが、そこで死んでしまいます。

そして、コーリに騙されてクレイこそが金と仏像を持ち逃げしたと思い込んだタナカは、ロス家を襲撃、トミーを殺し、サラとローレンを人質に取ってジムを脅すのでした。怒りに燃えたジムは父親と共に銃を持ってタナカとの取引に向かうのでした……というお話。

元はといえばコーリが全て悪いのに、いつの間にかロス家とタナカ一家の戦いになってしまっているのがストーリーとして何とも……。コーリのストーリー的な処理もかなりいい加減ですし。というように、脚本にはかなり粗があるのですが、そこに目をつぶって見ればアクションとしてはなかなか面白い。

デヴィッド・キャラダイン、リー・ヴァン・クリーフという(少々旬は過ぎていたものの)二大スターを配したクライマックスの銃撃戦はなかなか魅せてくれます。また、マコ岩松が悪役で出演しているのも驚き。キャストはなかなか豪華な映画です。しかしキャラダイン、ロサンゼルスの街なかで手榴弾ぶん投げまくるのは、いくらなんでもどうなんだ(笑)

リー・ヴァン・クリーフ・ファンとしては、老年に差し掛かった彼が現代劇でアクションを見せてくれていたり、銃撃戦に参加してライフルをぶっ放している姿が見られただけでもう幸せでした。