Un esercito di 5 uomini
製作国:イタリア
上映時間:111分
監督:ドン・テイラー
出演:ピーター・グレイヴス/ジェームズ・ダリー/丹波哲郎/バッド・スペンサー/ニーノ・カステルヌオーヴォ

丹波哲郎が出演した珍しいマカロニ・ウエスタン。本作のほかに日本人が出演したマカロニ・ウエスタンには、仲代達矢の『野獣暁に死す』(1968)、チェン・リーこと早川明心の『荒野のドラゴン』(1973)などがありますね。また、本作で脚本を担当しているダリオ・アルジェントは、『野獣暁に死す』の脚本も担当しているという面白い繋がりもあります。

本作の監督は俳優から監督に転向したアメリカ人監督であるドン・テイラー。本作では序盤にオーガスタス(ジェームズ・ダリー)とポーカーをプレイしている人物のひとりとして姿を見ることができます。マカロニ・ウエスタンというか、イタリア映画の監督自体この一本だけのようですね。

 メキシコ革命時下、革命軍にくみする五人の男たち。彼らは政府軍の現金輸送列車を襲撃する計画を立て実行に移る。それぞれの特技を活かして軍隊と互角に渡り合う、五人のプロフェッショナルたちを描いたアクション。チーム・リーダーに、TV「スパイ大作戦」のP・グレイヴス、剣の達人役で丹波哲郎が出演。

『野獣暁に死す』や『黄金無頼』(1967)のような、「ある目的のためにそれぞれの分野のプロフェッショナルが力を合わせる」タイプのマカロニ・ウエスタン。一匹狼を主人公にした映画も良いのですが、やはりチームが協力して目標を達成しようとする映画はやはりワクワクしますね。「スパイ大作戦」のピーター・グレイヴスを始めとする5人の面々もそれぞれキャラクターが立っており魅力的。

また、列車襲撃の計画も非常に綿密に立てられており、アクシデントを乗り越えながら一つ一つクリアしていく様も面白いのですが、本作の面白さはメキシコ革命をしっかりとストーリーに絡めているところ。最後に5人のひとりであるルイス(ニーノ・カステルヌオーヴォ)が革命派に味方しようと決意するのですが、中盤あたりにさり気なく伏線となるエピソードを配しておくなど、かなりニクいストーリーの作り方がなされています(ただし、あくまでもマカロニ・ウエスタン基準)。

現在日本で見ることが難しいのが非常に残念な、面白いマカロニ・ウエスタンです。