製作国:日本
上映時間:121分
監督:三池崇史
出演:伊藤英明/佐藤浩市/伊勢谷友介/桃井かおり/香川照之

続・荒野の用心棒』(1966)の主人公であるジャンゴの名前を借りて、三池崇史監督が製作した、日本を舞台にした西部劇(というと何か矛盾しているけれど)。タイトルは『続・荒野の用心棒』からの借用ですが、佐藤浩市と伊勢谷友介がそれぞれ演じる平家と源氏が対立している村にストレンジャーがやってくる……という設定は『荒野の用心棒』(1964)、さらに言えば『用心棒』(1961)同様。序盤はそこそこテンポもよく、期待していたのですが……

 鬼才・三池崇史監督がオールスターキャストで描く全編英語による異色の和製ウエスタン活劇。壇ノ浦の決戦から数百年後、とある埋蔵金を巡り源氏と平家の末裔たちが対立する寒村で、流れ者の凄腕ガンマンの登場により両者の抗争が沸点に達するさまを奇想天外かつスタイリッシュに描く。主演は「海猿」の伊藤英明。また、世界的映画監督クエンティン・タランティーノの出演も話題に。
 壇ノ浦の戦いから数百年後。山あいの寒村“湯田(ユタ)”は平家の落人が拓いた村。ある時、そこに平家再興の埋蔵金が隠されていると噂が立ち、よそ者が押し寄せ村を荒らして回る。やがて村は、平清盛率いる平家ギャング(赤軍)と、源義経率いる源氏ギャング(白軍)が村人を巻き込み激しく対峙することに。そんな抗争渦巻く村に、一人の凄腕ガンマンが流れ着いた。両軍とも、この流れ者を用心棒に引き入れるべく動き出し、事態は風雲急を告げるのだったが…。

はじめに書くと、ぼくはこの映画はあまり好きではありません。日本の寒村を舞台に、マカロニテイストの西部劇を作ろうとした、という志は素晴らしいのですが、いかんせんテンポが悪い。シリアスとコメディのバランスもバラバラ、各登場人物も悪い意味で一貫性がなく、使い捨てのように使われてしまっています。

また、タイトルからはどうしてもマカロニ・ウエスタンを連想してしまいますが、あの乾いたユーモアは少なく、描写がウェットに流れやすかったのも残念でした。どうにもまどろっこしい描写が多く、その辺をちゃきちゃきと処理すれば1時間半程度のすっきりとした西部劇になった気がします。色々と残念な映画でした。

一点とても以外だったのが、ジャンゴは伊藤英明のことだと思っていたのですが、そうではなかったのですね。