La morte ha fatto l'uovo
製作国:イタリア
上映時間:100分
監督:ジュリオ・クエスティ
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン/ジーナ・ロロブリジーダ/エヴァ・オーリン/レナート・ロマーノ

養鶏場を営む仮面夫婦を中心とした愛憎劇を描くサスペンス・スリラー。監督は『情無用のジャンゴ』(1966)のジュリオ・クエスティ。主演は『男と女』(1966)、『殺しが静かにやって来る』(1968)のジャン=ルイ・トランティニャンとその美貌で知られたジーナ・ロロブリジーダという、意外にも(?)豪華な組み合わせ。

 主人公の男は、妻に満たされぬ思いを娼婦相手に発散する変態的な嗜好を持っていた。そして、妻の姪とも通じ妻を殺す計画を立てるが……。妻に劣等感を抱く男を描いたサスペンス・スリラー。

ストーリー的には『デボラの甘い肉体』(1968)と通じるところのある本作ですが、『情無用のジャンゴ』同様、クエスティ監督はストーリーなどには興味はないと言わんばかりに悪夢的な映像美や、動画編集、そしてそれぞれの人間のエゴイスティックな部分を暴き出す演出に精を出しています。『情無用のジャンゴ』では、はっきり言って彼の嗜好・志向とジャンルとしての特性があまり合っておらず、首を傾げざるを得ない部分もありましたが、サスペンス・スリラーという本作には意外にも合っており、なかなか見所のある映画に仕上がっていました。

一方で、『情無用のジャンゴ』に比べると、直接的なスプラッター描写は少なめ。オープニングの『サイコ』(1960)を思わせるカットバックは些か失笑ものではありますが、必要以上には血を出さず、前作よりも少しは落ち着いた雰囲気の作品に仕上がっています。

ただ、まぁ、ストーリーそっちのけの悪夢的な世界観はクエスティ監督の持ち味なのか、あまり変わってはいませんね。