Agente 3S3, massacro al sole
製作国:イタリア
上映時間:92分
監督:セルジオ・ソリーマ
出演:ジョージ・アーディソン/フランク・ウォルフ/エヴィ・マランディ/フェルナンド・サンチョ

007シリーズのヒット後、雨後の竹の子のようにポコポコと製作された一連のスパイアクションもののうちのひとつ。CIAの3S3ことウォルター・ロス(ジョージ・アーディソン)を主人公にした3S3シリーズの第2作。第一作は同じくセルジオ・ソリーマ監督の『地獄のパスポート』(1965)で、こちらは日本でも劇場公開されたようです。また、本作、前作ともにソリーマはサイモン・スターリングという変名でクレジットされています。

本シリーズについては現時点では日本でソフト化はされていません。ぼくが手に入れたのはドイツで2004年にMAGIC VIDEOから出されたものなのですが、ドイツ語音声、字幕なしというソフトのため、ストーリーの細かな内容がまったく把握できていません。ですので、内容については誤りがあるかと思いますが、ご容赦ください。

マッドサイエンティストであるカールトン教授(エドゥアルド・ファヤルド)は有毒ガスを搭載した小型のミサイルを発明し、カリブ海の小さな島の独裁者として君臨しようとしていました。CIAのエージェントである3S3ことウォルター・ロスは、現地工作員であるメンドーサ(フランク・ウォルフ)と共に内偵を進めますが、実はメンドーサは既に殺され、彼になりかわっていたのはKGBのエージェント・テレスコフだったのでした。

一進一退の攻防を続けるロスとテレスコフでしたが、やがてカールトン教授の狙いが世界征服にあることが明らかになります。そこにイギリスのエージェント・メリッサ(エヴィ・マランディ)や島のレジスタンスたちも加わり、最終的には全員が協力してカールトン教授の野望を阻止すべく戦いを挑むのでした……というお話……だと思います。多分。

お色気あり、謀略ありのなかなか洒落たスパイアクションです。ただ、上にも書いたようにぼくはセリフが全く理解できていないので、残念ながら恐らく内容の半分ほどしか楽しめていません。そんな中でも印象に残ったシーンをいくつか上げておきましょう。

まず、序盤のロスが飛行機に乗って島に向かうシーン。何者かの妨害で飛行機の落とし穴(?)が開けられ、エージェントたちがポコポコと飛行機から落ちていきます。あとは旧市街の階段道でのカー・チェイスや、その後のドラム缶を使った戦い、まるで西部劇の登場人物のようなレジスタンスたちとそのアジト(マカロニウエスタンで使われていたセットを流用したような感じです)。

また、主人公のロスは空手を習得している、という設定が前作からあるらしく、本作でも手刀で相手の首筋を打ち付けたりといったアクションを見ることができます。あと棒術がやたらと登場しましたね。

本作にはマカロニウエスタンでも馴染みの面々が顔を出しています。その筆頭がフェルナンド・サンチョなのですが、本作では善人というか、傀儡の将軍のような役どころで、登場シーンも2シーンほど。シャワールームでお姉ちゃんに迫っているところを、あっさりと殺されてしまいます。一方のフランク・ウォルフがKGBのエージェントを楽しげに演じているのが印象的ですね。結構登場シーンも多いです。黒幕であるカールトンを演じるファヤルドも、登場シーンは少ないものの、それなりに印象りました。

ソリーマの後年の作品のようなテーマ性はさほど感じられず、気軽なスパイアクションという印象の映画です。