LA VIA DELLA DROGA
製作国:イタリア
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:ファビオ・テスティ/デヴィッド・ヘミングス/シェリー・ブキャナン/ウォルファンゴ・ソルダーティ

荒野のお尋ね者』(1966)など何作ものマカロニウエスタンを監督し、アクション描写に定評のあるエンツォ・G・カステラッリ監督によるマカロニ・アクションもの。主演は『荒野の処刑』(1975)などのマカロニウエスタンでも主演したファビオ・テスティ。

刑事であるファビオ(ファビオ・テスティ)はアメリカ人刑事マイク(デヴィッド・ヘミングス)と組んでコロンビア、香港、アムステルダム、ローマ、ニューヨークに股がる大規模な麻薬組織を追っていました。麻薬の売人に化け、香港からローマへ大量の麻薬を輸送するファビオ。空港で一旦捕まり、名前を売って組織に潜入します。

組織のボス・ジャンニ(ジョシュア・シンクレア)を唆し、警察署に保管されている大量の麻薬を強奪することを決意させたファビオは、仲間を引き連れて警察署に侵入しますが、手違いで警察側に死傷者が発生、更に盗んだ麻薬に追跡器を仕込んでいたことがジャンニにばれ、ファビオは警察と組織の双方から追われることになってしまうのでした。逃走しながらも麻薬ルートの解明と破壊を狙うファビオは、黒幕であるケミカル薬品の支社長を追跡するのですが……というお話。

冒頭、香港ロケをしたり、車やバイク、更にはセスナ機を破壊したりと、マカロニ・アクションものにしてはかなり金が掛かっている印象。一方で、アクションとチェイスシーンは非常に見応えがあるものの、ストーリーはそれに比べると少々落ちるかな、という印象です。

主演のファビオ・テスティは潜入捜査官を、ぼろぼろの服装と無精髭というチンピラ然としたスタイルで、なかなか器用に演じています。が、潜入捜査官というより、生粋のチンピラに見えるのはいいのか悪いのか(笑) 本作では非常に身軽なところを見せています。

難を言えば、ファビオが監獄(のようなところ)から脱走した際に一緒に付いてきた麻薬中毒の男・ジッロ(ウォルファンゴ・ソルダーティ)の扱いが(ストーリー的に)非常に雑なところ。結構重要な人物になるのかと思わせておいて、中盤、ファビオとまったく関係ないところで勝手に死んでしまいます。あと、ジッロに絡んでフラッシュバック的に現れる女性の映像は何なんでしょう。

と、ストーリーについては分かりづらいところはあるものの、クライマックスの製薬会社での銃撃戦からバイクチェイス、そしてセスナ機でのチェイスシーンは見所たっぷり。カステラッリお得意の、高低差を活かした銃撃シーンもあり、大満足の展開でした。