A COLPI DI LUCE/LIGHT BLAST
製作国:イタリア/アメリカ
上映時間:95分
監督:エンツォ・G・カステラッリ
出演:エリック・エストラーダ/マイク・プリチャード/ペギー・ロウ/トーマス・ムーア

荒野のお尋ね者』(1966)などのマカロニウエスタンや、『死神の骨をしゃぶれ』(1973)などのマカロニ・アクションを監督したエンツォ・G・カステラッリによるハードボイルドなポリスアクション。主演のエリック・エストラーダはニューヨーク生まれの俳優で、本作のような警官役を得意としたようです。

 サンフランシスコを舞台に、人をも溶かす殺人光線を悪用する科学者とタフな刑事の戦いを描く、カーチェイスあり銃撃戦ありのマカロニB級アクション。TV放映でかなりの視聴率を稼いだのは「白バイ野郎/ジョン&パンチ」のエストラーダ人気とも思えないが……。

解説では「マカロニB級アクション」と紹介されてはいるものの、舞台はサンフランシスコ(実際にサンフランシスコでロケをしている模様)、主演俳優はアメリカ人アクション俳優のエリック・エストラーダということで、マカロニらしさは薄めです。

雨上がりの道でのスタイリッシュなカーチェイスや、サンフランシスコの坂道を上手く使った『ブリット』(1968)ばりのカーチェイスなど、全編に散りばめられたカーチェイスシーンはなかなか見ごたえがあります。また、一部のカステラッリ好きの間で定評のある、高低差を活かした銃撃戦シーンは本作でも健在。敵の股ぐら目がけてエストラーダのショットガンが火を噴きます。しかし、いくら高低差のあるショットが好きだからって、ミニスカートのお姉ちゃんを執拗にローアングルで追いかけるのはどうなんだ、しかも2シーンも(笑)

ニューヨーク1997』(1981)を連想させる電子楽器を多用した音楽もなかなか恰好良い。また、ユーリ・スボダ教授(トーマス・ムーア)が使う殺人光線銃で殺される人々の描写がなかなか秀逸。まるで飴細工のように皮膚や肉が溶けていくさまが、蝋細工のような、粘土細工のような特殊効果で描写されます。チープと言えばチープなのですが、最近ではなかなか見ることのできない、独特の映像となっています。

本作で悪役のスボダ教授を演じているトーマス・ムーアことエンニオ・ジローラミはカステラッリ監督の実兄で、彼の映画にはよく出演していますね。『荒野のお尋ね者』でも印象的な演技を見せていました。