今日こんな映画観た

日本未公開・未ソフト化の超マイナー映画から、誰もが知っている超大作まで、映画についての鑑賞メモ。
基本的にストーリーは結末まで記しているため、ご注意ください。

安田公義(1964)『座頭市関所破り』

製作国: 日本
監督: 安田公義
出演: 勝新太郎/高田美和/滝瑛子/平幹二朗/伊井友三郎

【あらすじ】

座頭市(勝新太郎)は幼い頃はぐれた父親の面影を追い求め、かつて初日の出を見に行った妙義山でご来光を拝もうと、笠間の宿に向かっていた。宿外れで一人の男から手紙を預かった市は、笠間宿の旅籠、武蔵屋で女中を勤めるお仙(滝瑛子)にそれを届ける。正月稼ぎを目当ての旅芸人たちでいっぱいの武蔵屋に宿をとった市は、行方知れずとなった名主の父を探し求める娘お咲(高田美和)と相部屋になる。

一方、土地の顔役である甚兵衛(上田吉二郎)は、旅芸人たちに高額の場所代を要求する。文句を言う芸人たちだったが、代官加島五郎太(河野秋武)の後ろ盾のある甚兵衛には逆らえない。そんな武蔵屋に、市に手紙を託した男、新助(千波丈太郎)が訪ねてくる。彼はお仙の兄で、江戸に強訴に向かった、お咲の父である名主を、甚兵衛たちにそそのかされて殺したが、甚兵衛たちに裏切られ、島流しになっていたが、復讐のため、島抜けして舞い戻ってきたのだった。二人の話を聞く市。

その夜、甚兵衛の賭場に出向いた市は、文無しの老人儀十(伊井友三郎)と、代官の用心棒をしている沖剛之助(平幹二朗)と出会う。儀十からは父の面影を感じ、一方で剛之助とは一瞬で互いの技量を認め合った。

ある夜、新助の隠れ家を尋ねるお仙について行った市だったが、甚兵衛の手下に後をつけられ、新助は殺されてしまう。今際の際に、名主殺しの経緯を聞いた市だったが、それをお先には話せなかった。しかし、父の死を知ったお咲は、知っていながらそれを告げなかった市を責める。市はお咲を村に送り返すため、儀十に道案内を頼む。しかし、儀十は酒代欲しさにお咲を甚兵衛に売ってしまう。関所に監禁されるお咲。市に懐いていた角兵衛獅子の兄弟からそのことを知らされた市は関所に向かう。

助け出したお咲を角兵衛獅子の兄弟に預けた市は、そのまま関所に殴り込みをかける。ついに対決することになった市と剛之助。数合の打ち合いの末、市の刀の前に剛之助は倒れる。市はそのまま加島、甚兵衛らを打ち滅ぼし、ご来光を拝むために妙義山に向かうのだった。

【感想】

昨日ご紹介した『座頭市血笑旅』(1964)に続く、シリーズ9作目が本作。監督の安田公義は本作の他には第5作『座頭市喧嘩旅』(1963)、第15作『座頭市鉄火旅』(1967)、第18作『座頭市果し状』(1968)、第22作『新座頭市 破れ!唐人剣』(1971)、第25作『新座頭市物語 笠間の血祭り』(1973)の、合わせて6作品で監督を務めています。

前作と比べると、流れ者の主人公が、旅先で権力者によって苦しめられている被害者を助ける、という、何というかTV時代劇のテンプレート感の強い作品なのですが、市が父の面影を見出す儀十や、市の好敵手として登場する剛之助など、なかなか魅力的なキャラクターが多数登場しており、そういった部分を見るのは非常に面白い。また、殺陣のシーンについては前作よりも力が入っており、迫力がある印象があります。

序盤、旅芸人たちの中に中田ダイマル・ラケットが混じっているのが賑やかで面白い。また、平幹二朗は出演当時30歳前後だったと思われますが、息子の平岳大と非常によく似ていて驚きました。

三隅研次(1964)『座頭市血笑旅』

製作国: 日本
監督: 三隅研次
出演: 勝新太郎/高千穂ひづる/石黒達也/金子信雄

【あらすじ】

文珠の和平次(石黒達也)率いる追っ手に追われつつ甲州路を行く市(勝新太郎)。道中で籠を雇うが途中で、赤ん坊を抱えながら差し込みに苦しんでいるおとよ(川口のぶ)に気づいた市は、自分の駕籠を彼女に譲ってやる。しかし、おとよは待ち伏せしていた和平次たちに人違いで殺されてしまう。それを知った市は、駕籠かきの土平(沖時男)と馬助(越川一)と共に、信州宮本村のおとよの亭主宇之助(金子信雄)の元まで赤ん坊を連れてゆくことにする。

四人連れで旅を始めた市たちだったが、そんな市を和平次たちが襲う。一人を返り討ちにした市だったが、土平と馬助は和平次たちを恐れ、逃げ出してしまっていた。赤ん坊と二人で旅を続ける市。一方の和平次は、土地の顔役である半五郎(杉山昌三九)を抱き込み、市を付け狙う。

賭場で大立ち回りを演じた市は、その翌日、侍に追われる掏摸お香(高千穂ひづる)を助け、赤ん坊の世話をしてもらう為に彼女を雇う。和平次の襲撃をかわしながら三人は宮本村にたどり着く。市は宇之助のもとに向かうが、堅気だったはずの宇之助はやくざの頭になっていた。宇之助にはおとよも赤ん坊も知らないと言われ、市は屋敷から追い返される。

おとよの遺髪を弔うため、寺を訪れた市だったが、和尚(加藤嘉)から、赤ん坊は寺に置いていくよう諭される。赤ん坊に愛情を感じていた市は当初渋るが、彼のためを思い、和尚に託すことにする。そこに宇之助からの呼び出しが入る。和平次から市のことを聞いた彼は、自分の名を上げるため、市を騙し討ちにしようとしていたのだ。得意の聴力を封じる、松明を使った宇之助たちの作戦に苦戦する市だったが、結局は和平次も宇之助も市の仕込み杖の前に倒れた。和尚に別れの挨拶をすると、彼は子守唄を口ずさみながら、どこかへの去っていくのだった。

【感想】

本作は「座頭市」シリーズの第8作にあたる作品なのですが、実はこのシリーズを見るのは本作が初めてだったりします。勝新太郎の出演作は「座頭市」シリーズといい、「兵隊やくざ」シリーズといい、ものすごく長いシリーズ作品が多く、ちょっと手が出しづらい印象があったんですよね。なんか、見るならやっぱり第1作からじゃないとダメかなあ、とか。まあ、この時代のこういうシリーズ作品は、大抵そんなことはないんですが。本作も、市が基本的に善人で、仕込み杖を使った抜刀術がものすごい強い盲人、ということだけ把握しておけば、まあ、ほぼ問題はない感じ。

三隅研次監督は本作のほかには、第1作の『座頭市物語』(1862)、第12作『座頭市地獄旅』(1965)、第17作『座頭市血煙り街道』(1967)、第19作『座頭市喧嘩太鼓』(1968)、第21作『座頭市あばれ火祭り』(1970)と、全部で6作品で監督を務めている模様。74年のTV版でも監督に名を連ねているようです。

子連れの勝新ということで、ユーモラスな演出も比較的多く見られる本作ですが、殺陣は地味ながら、市の人間味が色濃くにじみ出ていたり、勝新のキャラクター性の明るい部分が印象に残ります。初めて見た「座頭市」が甲州路を舞台にしているというのも、山梨在住のぼくとしては何かの縁でしょうか。と言っても、韮崎から信州の方に抜ける部分が舞台になっているので、あまり生活圏とは重なっていませんが。

殺陣は全体的に地味なのですが、クライマックスの燃える裾を翻しながら戦うシーンは迫力があり、また絵的にも非常に鮮やかで印象的です。

しかし、以前たまたま観た『兵隊やくざ強奪』(1968)といい、なぜか勝新映画は彼が赤ん坊を拾う映画ばかり観ているような気がします。

バート・ケネディ(1971)『女ガンマン・皆殺しのメロディ』

Hannie Caulder
製作国: イギリス
監督: バート・ケネディ
出演: ラクエル・ウェルチ/アーネスト・ボーグナイン/ロバート・カルプ/ストローザー・マーティン

【あらすじ】

無法者のエメット(アーネスト・ボーグナイン)、フランク(ジャック・イーラム)、ルーファス(ストローザー・マーティン)のクレメンス兄弟は、ある町の銀行を襲い、その逃走中にコールダー氏の牧場から馬を盗もうとする。ルーファスは止めに入ったコールダー氏を射殺。家の中にいた妻ハニー(ラクエル・ウェルチ)を見つけると、3人で代わる代わる犯し、家に放火して馬を奪って去って行くのだった。

翌日、ハニーは通りかかったバウンティ・キラーのトーマス(ロバート・カルプ)に対し、自分に銃を教えてくれるよう頼む。初めは断ったトーマスだったが、ハニーの動機を知ると気を変えて協力することにする。町で服装を整えたハニーは、腕のいい鉄砲鍛冶のベイリー(クリストファー・リー)に自分用の銃を作ってもらうため、トーマスと共にメキシコに向かう。ベイリーの家でトーマスから銃の手ほどきを受けるハニーだったが、そこに一人の牧師(スティーヴン・ボイド)が現れ、ベイリーに弾倉の修理を依頼する。

ハニーはベイリーから引鉄が2つある特製の銃を受け取る。下の引鉄を引くと、撃鉄が起きて、上の引鉄を引いて撃つことができる、という変わった銃だ。ハニーの特訓が終わったころ、ベイリーの家を無法者たちが襲う。ベイリー、トーマスと共に立ち向かうハニーだったが、怪我を負わせた無法者に留めを刺すことを躊躇しているところをトーマスに助けられるのだった。

アメリカの街に戻るトーマスとハニー。トーマスはフランクを見つけ、保安官事務所に連行しようとするが、それを見たエメットが放った投げナイフを腹に受けてしまう。ホテルに運ばれたトーマスは、ハニーの前で事切れるのだった。ハニーはサルーンにいたフランクを決闘の末殺し、ルーファスも始末する。そして、旧刑務所で待つと、エメットに言付けるのだった。

旧刑務所で対決するハニーとエメット。エメットは物陰から投げナイフでハニーを刺そうとするが、そこに居合わせた牧師によって防がれる。そして決闘の末、ついにエメットは斃れるのだった。

【感想】

ラクエル・ウェルチを起用したお色気系西部劇、と思いきや、意外にも(?)内容は真っ当な復讐劇です。夫を殺された(ガンマンではないという意味で)一般人が、銃の達人の手ほどきを受け、自らの手で仇を打っていく、という筋書きは意外なほどに真っ当というか、スタンダード。一方で、多少コミカルなシーンも入っているのですが、その辺が全体のテイストとうまく合っているかと言われると、ちょっと判断が分かれるところ。

上半身は裸にポンチョを羽織っているだけ、というウェルチのスタイルは、西部劇基準では割と露出度高め。彼女が銃を抜こうとするたびに、ちらっちらっと見える脇腹が、チラリズム的な意味で逆に色っぽい。

ハニーがベイリーに作ってもらう銃をはじめ、なんか面白かったり、あまり見たことがない銃がちらほら登場しているのも見所の一つといえば一つですかね。ハニーの特製銃は、あまりストーリーの上で活かされていた気はしないのですが。

本作はイギリス映画なので、マカロニウエスタンの範疇には含まれないのですが、ほとんどのシーンのロケ地がマカロニウエスタンでお馴染みのアルメリア、タベルナスの荒野ということもあって、非常にマカロニウエスタン感が強いです。最序盤のコールダー家の牧場はフォート・ブラボー付近の荒野、序盤に出てくる街はフォート・ブラボーで撮影されていますし、後半の街はレオーネが建てたミニ・ハリウッドのセットで撮影されています。『夕陽のガンマン』(1965)ではエル・パソ銀行として使われていた建物が、本作ではホテルとして使われているのですが、この建物がホテルとして使われているケースってかなり珍しい気がします。だいたい、銀行とか、あとカジノとか。最後の旧刑務所のセットは、あれはどこだろう。

ロケ地がスペインの割には、マカロニ俳優はそんなに目につかないのですが、謎の牧師役で『増える賞金、死体の山』(1973)にも出ているスティーヴン・ボイドが出ていたり、ベイリーを襲うメキシコのならず者役でアルド・サンブレルが顔を出していたりはします。ボイドはスペイン人ではないですが。

斎藤武市(1960)『錆びた鎖』

製作国: 日本
監督: 斎藤武市
出演: 赤木圭一郎/小高雄二/笹森礼子/轟夕起子/大坂志郎

【あらすじ】

裸一貫から横浜港の荷役を扱う長岡企業の社長まで上り詰めた康三郎(小沢栄太郎)。彼には秀才の長男・健一(小高雄二)と、まだ学生だが荷役を担う沖仲仕たちと親しく付き合う少々荒っぽい次男・英二(赤木圭一郎)がいた。

ある日、彼は健一に2千万の手形を任せるが、彼がパクリ屋に騙されて手形を奪われてしまう。翌日、康三郎の元に手形を手に入れたという三田村(藤村有弘)から電話が掛かってくる。指定された料亭に向かった康三郎だったが、酒に薬を入れられ、挙げ句の果てには心臓麻痺に偽装されて殺されてしまう。

数日後の株主会議では健一が新社長に選ばれるが、水原(大坂志郎)という男が手形を持って現れ、強引に専務に就任してしまう。水原は沖仲仕たちの労働環境を顧みない、利益重視の経営を行う。沖仲仕たちの間に不満が高まっていたある日、英二とも仲が良かった政吉(杉山俊夫)が梯子を踏み外して転落死してしまう。

沖仲仕たちに懇請された英二は、水原を追い出すよう健一を説得するが、それには2千万の金が要る。健一は持参金を目当てに従妹の美枝(笹森礼子)と結婚しようとする。当初は賛成していた英二だったが、健一と関係のあった秘書・加奈子(白木マリ)から彼の狙いを聞き、健一を諌める。兄弟喧嘩のさなか、健一は英二に彼の出生の秘密をバラしてしまう。英二は実は康三郎の妻・時子(轟夕起子)の実子ではなく、キャバレーのママを務める妾の子だったのだ。家を飛び出す英二。彼は深夜、美枝の部屋に忍び込むと、彼女に健一との結婚を思い止まるよう忠告し、彼女への恋心を明かして去るのだった。

翌朝、英二の姿はドヤの風太郎たちの中にあった。風太郎の平太(西村晃)と親しくなった英二は、彼らと一緒に日雇いとして長岡企業の船に潜り込む。平太の助力もあって、手形事件の実行犯は松井組の身内だと明らかになる。そんなある日、騙された健一が危険なペトロリウムの仕事を請け負ってしまう。遂にストを起こす沖仲仕たちだったが、英二の機転と男気で、健一に協力し、危険な仕事を受けてくれることになる。

一方、英二の実母であるキャバレー・スタンキーのママが2千万を融通してくれることになり、健一はスタンキーに向かう。しかし、それを知った水原と松井組によって、2千万を受け取った直後拉致されてしまう。それを知った英二は水原を脅し、健一の監禁場所を吐かせる。英二は平太をはじめとする風太郎仲間とともに松井組の立てこもる倉庫を襲撃し、健一を助け出し、兄弟の絆を再確認するのだった。

松井組と水原は逮捕されたが、彼らに金を出していたのは、かつて康三郎に世話になった同業者の馬場(三島雅夫)だった。英二と健一は馬場企業に乗り込むが、水原の自白によって馬場も逮捕される。スタンキーに向かった英二だったが、ママはすでに故郷の福岡に帰ってしまった後だった……

【感想】

時間的に『幌馬車は行く』(1960)の後、『拳銃無頼帖 明日なき男』(1960)の前に撮影されているようなのですが、赤木圭一郎はこの時期には珍しい、まだ大学生の身分を演じています。と言っても、まだ実年齢は二十歳そこそこなので、大学生にぴったりの年齢ではあるのですが。影を背負っていることの多いこの時期の他作品と比べると、出生の秘密はあるものの、基本的には屈託のないキャラクターという印象。

「拳銃無頼帖」シリーズも、赤木と宍戸錠の関係性に重点が置かれ(この辺はシリーズの後の作品ほど顕著)、ヒロインはあくまで添え物、という印象が強いのですが、本作もそういった傾向が強く、赤木と小高雄二の関係性が修復に向かい始めるクライマックスになると、完全に笹森礼子は置いてきぼりにされ、自分の気持ちが分からない、と言ってフェードアウトしていった彼女の問題は映画の最後まで解決されません。

白木マリはこの時期の日活にはよくあるお色気担当ではありつつも、珍しく堅い会社員であり、健一のことも心配はしている、という善人の役柄。また、「拳銃無頼帖」シリーズでは頼りなくてしょっちゅう殺されている杉山俊夫は、本作のような陽気なキャラクターが意外と似合うのは発見でした。

ジョン・フランケンハイマー(1977)『ブラック・サンデー』

Black Sunday
製作国: アメリカ
監督: ジョン・フランケンハイマー
出演: ロバート・ショウ/ブルース・ダーン/マルト・ケラー/フリッツ・ウィーヴァー

【あらすじ】

過激派組織「黒い九月」のベイルートのアジトではダーリア(マルト・ケラー)が飛行船パイロットのアメリカ人ベトナム帰還兵マイケル・ランダー(ブルース・ダーン)を使ったテロ計画について仲間に提案していた。その夜、カバコフ少佐(ロバート・ショウ)率いるイスラエル軍部隊がアジトを急襲する。辛くも難を逃れたダーリアだったが、犯行声明テープをカバコフに奪われてしまう。

アメリカに渡ったカバコフはテロの危険をFBIのコーリー(フリッツ・ウィーヴァー)に知らせ、協力して調査に当たることとする。一方、アメリカに渡ったダーリアは、ランダーと共にスーパーボウルでの爆弾テロ計画を進めていた。日本船を使いプラスチック爆弾を密輸入した二人だったが、カバコフと相棒のロバートがそれに気付き、調査を進める。ランダーは電話爆弾で日本人船長を爆殺し、その際近くにいたカバコフは負傷する。ダーリアは看護婦に化け、カバコフの入院している病院に潜入する。それに気づいたロバートだったが、ダーリアに毒殺される。

爆弾の準備をし、マイアミのホテルに到着したダーリアだったが、そこに組織の上司であるファジル(ベキム・フェーミュ)が現れる。ダーリアの素性が当局にバレたことを告げ、計画の中止を命じるファジル。しかし、ダーリアは計画の実行を主張する。コーリーとカバコフはホテルを襲撃し、多くの犠牲を出した末、ファジルを射殺する。しかし、すでにダーリアは逃げたあとだった。

ランダーの家に戻ったダーリアだったが、そこでランダーから驚くべき事実を知らされる。スーパーボウルでの報道用飛行船のパイロットから外されたというのだ。しかし、諦めないダーリアは、ランダーを説得し、二人はマイアミに。そしてダーリアが新しい飛行船パイロットを射殺し、ランダーが飛行船に乗組むことになるのだった。

厳重な警戒を固めるコーリーとカバコフ。一方、飛行船で飛び立ったランダーは、故障を装い、再び飛行場へと飛行船を向かわせる。その頃、ホテルで本来のパイロットが殺されているとの知らせがカバコフに入る。飛行場へと急ぐカバコフ。しかし、カバコフが到着する直前、ダーリアと爆弾を乗せた飛行船は再び飛び立ってしまう。ヘリコプターで追いかけるカバコフ。カバコフはダーリアを撃ち殺し、ランダーに重傷を負わせる。しかし飛行船はスタジアムに向けて飛び続ける。導火線に点火するランダー。カバコフは必死に飛行船とヘリコプターをフックで繋ぎ、飛行船をスタジアムから離そうとする。やがて爆弾に点火。爆薬によって数多のダーツの矢が飛び出していくが、その頃には飛行船は誰もいない海上へと運ばれていたのだった。

【感想】

当時のアメリカ映画ではテロ組織といえばアラブとか、パレスチナが定番でしたが、本作もそんな一本。一応パレスチナの過激派は君たちイスラエルが作ったんだ、みたいな批判も作中では登場するものの、基本的にはアクション・エンターテインメントといったところです。しかし、FBIやCIAではなく、イスラエル特殊部隊の軍人が主人公のアメリカ映画、っていうのはそこそこ珍しいのではないか、という気はします。また、プラスチック爆弾を密輸するのが、リビア船籍の日本船、というのが日本人としては色々と興味深い。当時の貿易摩擦とか、なんか、そういうあれがあったんですかね。

映画自体は当時よくあった刑事ものというか、アメリカのTVドラマっぽいノリで、そこまでの迫力はない印象。ただ、爆発シーンはなかなか迫力があり、特に最後、飛行船とヘリコプターのチェイスシーンから、飛行船がスタジアムに突入してくシーンは、合成と実写をうまく組み合わせて緊迫感のある映像に仕上がっていました。

オープニング、映画内ではレバノンのベイルートだとされているシーンがありますが、映画内に思いっきりモロッコの人の民族衣装であるジュラバを着たおっさんが映り込んだりしており、見ていてものすごく違和感を覚えていたのですが、やはりモロッコのタンジェなどで撮影されていた模様。そのへん、もうちょっと気を使えばいいのに、という気がしますが、当時のアメリカの一般大衆にとってはモロッコもレバノンもそんなに区別なかったのかもしれません。

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